本土では報道されない沖縄の米軍基地の実態。
1つは、ロシア製輸送機アントノフが普天間飛行場に飛来したというニュース。海兵隊のヘリCH53Dの機体交換のためらしいのですが、アントノフは、世界最大の輸送機で、3000メートルの滑走路が必要とされています。それが、全長2800メートルしかない普天間飛行場に着陸したということで、地元の宜野湾市は、米軍に抗議。
もう1つは、同じく普天間飛行場で、11月になって、深夜に離着陸するヘリや飛行機が急増しているというニュース。一晩で39回とか最高100デシベルの騒音とか、本当にむちゃくちゃな状況。「午後10時から午前6時までの飛行禁止」のルールも守られていないようです。
世界最大輸送機が飛来/「アントノフ」普天間に初(沖縄タイムス)
普天間夜間飛行 9倍に急増 「住宅地まるで訓練場」(琉球新報)
世界最大輸送機が飛来/「アントノフ」普天間に初
二十日午後一時五十分すぎ、普天間飛行場に世界最大のロシア製超大型輸送機アントノフ一機が飛来した。アントノフの「普天間」飛来が確認されたのは初めてで、昨年八月に沖国大に墜落したCH53D大型輸送ヘリ同型二機を降ろした後、これまで「普天間」に駐留していたCH53D二機と軍事物資を積み込み、二十一日午前七時すぎ、グアムのアンダーソン基地に向けて飛び去った。
アントノフは世界最大の積載能力を持つ。着陸時に、宜野湾市上大謝名区ではごう音が響き渡り、九八・七デシベルの騒音を記録した。CH53Dの機体交換のために飛来したとみられる。
航空機年鑑によると、アントノフは離陸に三千メートルの滑走路が必要とされる。二千八百メートルの「普天間」に離着陸したことから、市は「危険性を助長させる運用は絶対に認められない」として二十一日午前、在沖米海兵隊に文書で抗議した。[沖縄タイムス 2005年11月21日夕刊]
普天間夜間飛行 9倍に急増 「住宅地まるで訓練場」
【宜野湾】11月に入って以降、宜野湾市にある米軍普天間飛行場を離着陸するヘリの市街地上空での夜間飛行と、外来機の旋回訓練が激化している。県の騒音測定によると、10月の新城区の夜間騒音(午後7時―午前零時)は1日平均3.9回だったが、今月17日は一晩だけで36回を記録し、9.2倍にまで急増した。
昼間は嘉手納基地からP3C哨戒機が訪れ上空を旋回しており、市は朝から晩まで米軍機の騒音に悩まされている状況が続いている。
同日は、最も騒音が激しいとされる上大謝名区でも39回を記録し、10月平均(5.2回)の7.5倍だった。
日米合意の騒音防止協定では、午後10時から午前6時までの飛行を原則禁止しているが、14日は上大謝名で午後11時2分に飛行が確認された。
また、同区では15日午後6時半ごろ、100.2デシベル(電車通過時の線路脇の騒音に相当)が記録された。同時間に戦闘機の飛来はなかったため、市基地政策部は「ヘリがよほどの低空か、編隊で飛んでいたのではないか」と推測している。
連日の騒音に、市民からは「子どもが寝付かない。何とかしてほしい」「墜落事故前の状況に戻りつつある。どこかで落ちるんじゃないか」「住宅地上空は訓練場ではない。米軍に抗議してほしい」などの苦情が市に相次いでいる。
伊波洋一市長は「市民からの苦情が多く寄せられ、市は米軍に毎日のように抗議しているが、伝わっていない。強い憤りを感じる。現状をこれ以上放置できず、市民の負担軽減を1日も早く実現してほしい」と日米政府に飛行中止を求めている。
P3Cが所属する在沖海軍報道部は「不可欠な訓練だけを行っている。訓練の内容は言えない」と説明している。(琉球新報 11/19 9:43)