マンション構造計算書の偽造問題ですが、ついに個人の木造住宅でも構造図の偽造が発覚。
大事なことは、ここで自治体がチェックして偽造を発見したこと。行政が、実際に、こういう点検をやる能力を持っていたからこそ、問題が発見できたのです。
しかし、構造計算のチェックはすでに民営化されていて、たとえば大阪府では9割が民間でチェックされています。こういう事態があと何年か続いたら、構造確認する能力など、行政から消えてしまう可能性大です。そうなると、いざ事件が起こったときに、行政は問題を調べることもできません、ということになりかねません。
こういう基準チェックを民間にゆだねることが何故問題なのか、今度の事件はそのことを分かりやすく示していると思います。
個人住宅でも姉歯事務所の偽造発覚
千葉県船橋市は28日、姉歯建築設計事務所が設計した同市内の木造3階建て個人住宅2戸で構造図が偽造されていたと発表した。
一連の問題で個人住宅での偽造が発覚したのは初めて。
市が独自に構造図と構造計算書を取り寄せて再調査した結果、構造計算書に問題はなかったが、これを基に作られた構造図では、基礎部分の鉄筋が必要量より2割程度少ないことがわかった。市は「耐震性がどの程度損なわれているかは調査中」としている。
2戸の住宅は、民間の指定確認検査機関「UDI確認検査」(千葉県柏市)が建築確認を行い、2003年と04年に完成した。
(2005年11月28日22時37分 読売新聞)
あまり知られていませんが、工法によって耐震などの基準は異なっています。
具体的には、在来木造でクリアできる基準でも認定工法などのパネル工法では許可が下りないことが多いのです。
ですから、個人住宅の場合、在来木造工法が一番基準が甘く、その上、偽造となればとんでもない話です。
業者チェックが入っているようですが、どこまえあぶり出せるのか。。