今日は真珠湾攻撃の日。作家の半藤一利氏が、東京新聞の「本音のコラム」で、こんなことを書いておられます。
すなわち、十年以上前にある女子大で教壇に立ち、「昭和時代に日本と戦争をしなかった国はどれか?」というアンケートをとったところ、10人以上が「アメリカ」と答えた。これぐらい、歴史が知られなくなっている、というのです。それにたいして、氏は、歴史を知ることの意味をこう書かれています。
歴史を知って何の利益があるか。一円のトクもない。が、歴史を知らないと虚実を見破る眼力が失われてしまう。
自分勝手な解釈で織田信長に擬する政治家がいる、都合のいい部分を歴史から切りとったりして、正当性の主張とする学者がいる。だまされないためにも、歴史にたいする活眼を身につけておかねばならない。さもないとまたこの国があらぬ方向へすっ飛んでいってしまう恐れがある。
至極もっともな意見ですが、それが非常に新鮮に聞こえてしまうところに、「歴史」をごまかす政治家や学者の跳梁跋扈する時代の恐ろしさを感じてしまうのは僕だけでしょうか?
ちなみに…
12月8日(日本時間、アメリカ時間では12月7日)に真珠湾を攻撃する約1時間前に、日本軍は、英領マレー(現在のマレーシア)のコタバルに敵前上陸をおこない、戦闘に突入。さらに、中国派遣軍の一部が香港に向けて進撃。台湾(当時は日本の植民地)からフィリピンのルソン島にある米軍基地攻撃のために航空部隊が発進しています。12月8日は、けっして、真珠湾攻撃だけがおこなわれた訳ではありません。そのことも記憶しておきたいものです。
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