今夜の都響第618回定期演奏会は、都響名誉指揮者で現役最高齢の指揮者ジャン・フルネ氏のラスト・コンサートでした(厳密に言えば、明日の文化会館での公演が最後ですが)。サントリーホールはほぼ満席で、開演前から、普段と少し違った盛り上がりを見せていました。
プログラムは、以下の通り。
- ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」 作品9
- モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
≪休憩≫ - ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73
満場の拍手をうけて登場したフルネ氏は、ゆっくりと舞台中央へ。少し左足を引きずるようにも見受けられ、さらに足下を確かめるように指揮台にのぼられました。1曲目のベルリオーズの序曲『ローマの謝肉祭」は、フルネ氏のチャーミングな?演奏がぴったりの曲です。
2曲目は、フルネ氏の愛弟子ともいえる伊藤惠さんとのコンチェルト。ゆっくりとしたテンポで始まってゆきました。
休憩の後は、ブラームスの交響曲第2番。僕には、ブラームスの交響曲は明るい土色というイメージなのですが、それでも不思議なことに、どこかちょっともの悲しく、寂しくなるような要素が含まれていて、ブルックナーの交響曲のように陶酔した感情に引き込まれるということはないのですが、不思議と気持ちが惹かれるところがあります。それが、フルネ氏の引退コンサートにぴったりのように思いました。
あ〜、残念だなぁ…と惜しんでいるうちに、曲が終わると、本当に満場の拍手とブラボーの喝采がいつまでも続きました。