今週の「九条の会」(12月31日まで)

いよいよ大晦日です。「九条の会」の動きを取り上げたインターネット上のニュースを紹介してきましたが、それも今年最後になりました。

ピースキャンドル 灯に平和への願い 憲法九条の大切さ考える/金沢
[中日新聞 2005年12月25日]

 キャンドルに灯をともして平和と憲法九条の大切さを考える「ピースキャンドル2005」が二十四日、金沢市香林坊のアトリオ前であり、聖夜の街角に約百本のキャンドルで「9」と「PEACE」の文字を浮かび上がらせた。
 医療従事者や保育士、学生らでつくる「石川青年九条の会『9PEACE』」が主催。お茶のペットボトルの底にろうそくを立てた手製のキャンドルを並べて文字を形作った。
 9PEACEのメンバーら約三十人は通りかかる人にチラシを配り、次々と火をつけてもらっていった。
 メンバーの男性(23)は九条を変えることを含む新憲法草案が示された今年を振り返り、「日本が戦争をしないのは、九条があってこそ。九条の考え方を世界に伝え、戦争をしない国を増やしたい」と話した。(青木真)

長野・豊丘村議会 九条守る意見書可決 米のイラク攻撃を批判
[2005年12月25日(日)「しんぶん赤旗」]

 長野県豊丘村議会は二十二日、本会議で「憲法九条を守る事を求める意見書」を賛成多数で可決しました。「豊丘村 憲法九条を守る会」が請願していたもの。同会には、村議十四人中十二人が賛同者になっています。
 同意見書は「憲法は世界に誇れる平和憲法でありその精神は戦争の放棄を定めた第9条にあります」とのべています。また、アメリカのイラク攻撃による泥沼状態は、紛争の武力による解決が非現実的であり暴力の連鎖を引き起こすことを明らかにしていると指摘。その上で、「二度と過去の過ちを繰り返さない為に、憲法9条を守る事を表明して、関係機関に戦争の無い平和な21世紀の社会を創(つく)るよう強く要望します」と決議しています。
 同村の「九条の会」は五月に結成。村内十カ所に「憲法九条は日本の宝です」と書いた大看板を掲げるなど、九条を守る活動をおこなってきました。

豊岡9条の会結成へ
[asahi.com マイタウン:兵庫 2005年12月22日]

 自民党が9条改正を含む新憲法草案を発表するなど本格化する改憲への動きに対し、現在の9条を守る「豊岡9条の会」が来年早々、結成されることになった。21日、呼びかけ人ら4人が同市内で記者会見し、「政治信条に関係なく9条を守りたいと思っている多くの人たちに集まってもらいたい」と訴えた。
 9条の会は04年6月、作家の大江健三郎氏や評論家の加藤周一氏ら知識人9人が9条を守ろうと結成。その後、全国で9条改正に危機感を持つ人たちが同名の市民団体を次々とつくっている。但馬にも現在、日高9条の会、朝来9条の会、但馬年金者9条の会、但馬小中教職員9条の会がある。
 豊岡市では、労働組合OBらでつくる但馬年金者の会のメンバーが05年1月から但馬9条の会をつくろうと準備を進めてきたが、9月の総選挙での自民党の大勝や憲法草案の発表などの急激な変化に対応するため、日本キリスト教団豊岡教会牧師の小林聖さん(39)の提案でまず豊岡9条の会を立ち上げることに。小林さんと弁護士の福井茂夫さん(56)、しらゆり診療所医師の長谷川正宜さん(52)が呼びかけ人となった。
 同会は、幅広い参加を促すため会費や会則は設けない。同教会(同市中央町)を事務所とし、毎月9日に市内の街頭で9条改正に反対するビラ配りや署名活動をする他、9条の重要性を訴える映画の上映などを計画している。
 交戦権を否認する現在の9条2項を削り、自衛軍を明記した自民党の憲法草案に対し、福井さんは「自衛隊が海外で人を殺す事態や徴兵制にもつながる」と批判。小林さんは「9条は国際的な価値がある。武力による貢献ではない日本の宝物。次の世代に伝えたい」と訴えた。
 立ち上げ集会は同教会で1月15日午後3?4時。参加無料。講師を招いての講演や今後の活動方針について話し合う予定。入会申し込みや問い合わせは同教会。

九条の会ひょうご:「自民党新憲法草案」巡り、和田・神戸大教授ら講演/兵庫

◇神戸・中央区で1周年のつどい
 神戸市中央区の市勤労会館で18日、市民グループ「九条の会 ひょうご」の設立1周年のつどいが開かれた。約60人が参加し、改憲論議について大学教授の講演を聴くなどした。
 この市民グループは、作家の藤本義一さんや神戸大の和田進教授ら9人の呼びかけで昨年12月に設立。毎月、市民30人前後が改憲問題について交流会を開いている。賛同者は約300人という。
 この日は、和田教授が「自民党新憲法草案を斬(き)る」と題して講演。戦後の憲法と自衛隊を巡る論議を紹介しながら、「(自民党にとって)九条の全面的な見直しが改憲問題の根底にある。軍事力を否定した平和的生存権から、軍事力による安全保障へ方向転換させようとしている」と指摘した。【稲垣淳】[毎日新聞:神戸版 12月19日朝刊]

民放九条の会発足 改憲は放送の自由を制約
[2005年12月19日(月)「しんぶん赤旗」]

 民間放送で働く人々たちでつくる「民放九条の会」が18日、東京・豊島区で発足総会を開き、61人が集いました。
 「決意を新たに『改憲』のくわだてに立ち向かいましょう。日本と世界の平和のために…」
 「会」のアピールです。読み上げたのは、テレビ神奈川ディレクターの菊池昭人さん。指定公共機関を会社が受け入れたことにたいして、組合はストで立ち上がると報告しました。指定公共機関になると、放送局が有事に政府の統制下に入れられます。「いま、目の前で起こっていることに対峙(たいじ)する意味を込めて読みました」
 参加者がひとことスピーチを披露。会員は144人(12月16日まで)と報告されました。
 「過去の事実から考えると、九条二項が変えられると言論の自由が制約され、放送のまっとうな仕事ができなくなる」(碓氷和哉・民放労連委員長)
 「報道現場では、仕事に追われてじっくりと考えられないでいる。OBの手も借りながら、気がつくと変えられているということがないように、声を上げていきたい」(テレビ東京・組合員)
 「憲法というと政治的色彩があって、どうなんだろうと思ってきた。民放は戦争を経験していない。話を聞いたり学ぶ中で、このままではまずいと思い参加した」(日本テレビ・スタッフ)
 水島朝穂・早稲田大学法学部教授が記念講演をしました。「九条と九九条(公務員の憲法擁護義務)を権力(国家)に守らせなければならない」と指摘。「映像メディアの可能性を追求してほしい。刺客を追いかけるのもみなさんだが、憲法を拾うのも大切な役割」と励ましました。

平和と働く権利語る 女性「九条の会」がシンポ/東京
[しんぶん赤旗 2005/12/19]

 女性「九条の会」は17日、シンポジウム「人間らしい生き方の出来る社会を」を東京都渋谷区内で開き、約130人が参加しました。
 パネリストは浅倉むつ子(早稲田大学教授)、坂本福子(弁護士)、柴山恵美子(女性労働評論家)の各氏。倒産やリストラが増えるなか、憲法二七条の「勤労の権利」と九条とのかかわりについて話し合いました。
 坂本さんは、戦前、「一人の人間」として経済力をもつことも認められなかった女性が、戦後、新憲法の基本的人権と平和のもと、女性差別を問う裁判をたたかい、働く権利を確立してきた経緯を話しました。「憲法による平和があったからこそ、女性の権利が確立され、発展してきたのです」と強調しました。
 浅倉さんは、ILO(国際労働機関)憲章が、世界の平和と協調の確立が、人々の労働条件に大きな影響を与えると、のべていることを紹介しました。
 柴山さんは、欧州憲法条約が、平和、労働権、女性と男性間の平等などを記していることを発言。日本で、パートや臨時、派遣などの非正規労働者が女性労働者の多数を占めるなか、女性の貧困化がすすんでいることを指摘しました。
 参加者からは、「働く権利を保障させることが戦争と無関係ではないことが分かった」などの発言がでました。

不破・9条の会:60人が参加し、設立総会開く/岐阜
毎日新聞 2005年12月15日

 垂井町と関ケ原町の住民たちによる「不破・9条の会」の設立総会が、このほど垂井町中央公民館で開かれ、約60人が参加した。今後、勉強会や講演会、署名活動などを展開し、憲法9条を守る輪を広めていく。
 呼びかけ人は、広瀬ちか子・平和の鐘を響かせる垂井の会代表ら24人。「岐阜9条の会」のこばやしひろしさんや、「9条の会・おおがき」の船田伸子さんらも参加し、「9条こそ二度と戦争をしないとの誓い」と熱っぽく語りかけた。
 総会では会則をめぐって「9条だけ守っていれば良いのか」などの意見も出され、討論が交わされた。
 同会の代表世話人には▽住職の羽澄一幸さん▽食・農・環境普及研究センター代表の所秀雄さん▽大垣名画劇場世話人の北島治さん??の3人が選ばれた。事務局は広瀬ちか子さん宅に置く。【子林光和】

憲法・市民 静岡からの報告/中
[asahi.com マイタウン:静岡 2005年12月15日]

 9条の平和主義を次代に引き継ごうと活動する9条の会は県内各地に約50あるという(しずおか憲法9条の会まとめ)。主婦、住職など約200人の賛同者でつくる「九条の会掛川」は識者を助言者にした「憲法寺子屋」が活動の柱だ。
 11月19日、2回目の寺子屋が市内で開かれていた。助言者の河村正史弁護士は「9条の改正に反対と理論をまとめて訴えても、自民党の草案は環境権など新たな権利も含まれているから改憲でいいと考える人がいるかもしれない」と条文ごとに賛否を問う必要性を強調した。
 約20人が参加。男性の1人は「自衛隊は必要。でも改憲で戦争になるかもしれない。(どうすべきかを)自分の中で消化し切れていない」と率直な迷いを語った。「憲法が国家権力を阻止するためにあるときょう知った。それを知らなかったから、自衛隊は存在するんだから認めた方がいいと思っていた」(男性)との声もあった。
 会は、9条を守ることが生存権や思想・信条の自由などほかの条文にも密接にかかわるとの視点から、自由に意見交換するゆるやかな集まりだ。
 賛同者の1人で元国語教師の小林明さん(76)は「9条を守らないと再び戦争をする国になってしまう、とスローガンを掲げるだけの運動はもうだめだ。憲法を自分の言葉でどうとらえ直し、日常生活で生かしていくかをみんなが考えないといけない」と指摘する。
 静岡大学で戦争や平和を考えるサークルの活動をしている1年の川窪進太郎さん(19)は、11月中旬、日本国憲法の講義で教育学部1年の学生78人に、改憲論についてのアンケートをした。
 9条について、変えない方がいいと答えたのは過半数の40人。変えた方がいい(21人)の倍だったが、川窪さんは「改憲派が予想以上に多い」と驚いたという。改正賛成の理由で「自衛隊や米軍基地などの現状が一致していない」「国民でなく連合国軍総司令部(GHQ)が作ったから」などが多い。川窪さんは「普段は特に考えていなくても、急に質問されればメディアで聞いた誰かの発言がいつの間にか自分の考えになってしまうのではないか」とみる。
 朝日新聞の出口調査によれば、9月の総選挙の本県選挙区で、若者が多いとされる無党派層の37%が自民党に投票、前回03年の1・8倍に急増した。
 同じサークルに参加している常葉学園大学1年の大久保なつみさん(19)は自衛隊のイラク派遣や米軍基地の問題について、口にする人が周囲に少ないと感じている。「誰もが見て見ぬふりをし、友達に話しても政治の話は分からないという。でも小泉さんは今までの首相に比べ格好いいし、言ってることが分かりやすいと言うんです」
 児童文学者の清水真砂子さん(64)=掛川市=は約30年間、都内の大学で教壇に立ち、学生と接して来た。「今の若者は日常生活を楽しむすべを身に着けてなく、平和であることが退屈だ。生活に充実感がないと英雄待望論というか、気持ちよいことを話す人に飛びついてしまう」と話す。
 総選挙で国民は小泉自民党に圧倒的な勝利を与えた。憲法改正は全く争点にされなかったのに、だ。しずおか9条の会の一員は毎月9のつく日の昼、静岡市の青葉通りで改憲反対のチラシを配り、署名活動をしている。11月9日にチラシを配っていた女性は「いま一つ、みんな関心がない」と話した。1時間の活動で集まった署名は20人ほどだった。

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