インターネットで偶然見つけたのですが、中国人強制連行の生存者と日本国内の労働現場や収容所跡の現況を撮影した作品だというので、27日(金)、仕事を早めに切り上げて、見に行ってきました。
鈴木 邦弘写真展「灰と記憶」
銀座ニコンサロン 1/16(月)?1/28(土)
作品の一部はこちらからも見ることができます。↓
http://www.aperture.org/store/portfolioreview.aspx#picks
左側の「Kunihiro Suzuki–Survivors:Forced Labor in Japan」をクリックしてください。
感想ノートを見ると、写真学校の生徒さんらしい人たちの感想がいろいろ書かれていましたが、戦争中に中国人が連行されて強制労働させられたということを知識として知っている人も知らなかったという人も、中国人生存者のポートレートと、戦後60年を経た強制連行の“現場”跡に、あらためて戦争の被害(日本から言えば加害)とその“記憶”の重みといったものを感じている様子がうかがえました。
“現場”跡のなかには、たとえば、カップルや家族連れがくつろぐ相模湖ダムや、後ろに都心の高層ビルが見える東京港芝浦埠頭といった場所もあり、あらためて、強制連行が“身近な”出来事だったことを実感しました。ちなみに、相模湖ダム建設工事には292人の中国人が連行され、うち27人が死亡。芝浦埠頭では477人のうち139人がなくなったそうです。
ポートレートに写っている生存者の方は75歳から99歳まで。淡々としたポートレートですが、いまの私たち日本人の暮らしぶりからすれば、戦後中国に帰ってからどれだけ苦労されたか想像して余りある写真に相対すると、日本人が戦後、こうした“加害”の事実にきちんと向き合ってこなかったことを強く意識せざるをえませんでした。