ヒューザーの小嶋社長が自治体やイーホームズを提訴。
小嶋社長の思惑はともかくとして、裁判で、建築確認機関の責任を徹底的に解明すること自体は、事件の真相解明に役だつのではないかと思ったりもするのですが…。
ヒューザー、18自治体に139億円の賠償請求(朝日新聞)
ヒューザーがイーホームズを名誉棄損提訴(日刊スポーツ)
ヒューザー、18自治体に139億円の賠償請求
[asahi.com 2006年01月30日20時45分]耐震強度偽装事件で、ヒューザーは30日、東京都など18自治体を相手に約139億円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。違法建築物を未然に防ぐ注意義務を怠り、建築確認で偽装を見逃したために損害をこうむったと主張。民間検査機関による見逃しについても賠償責任は自治体にあるとしている。
提訴を受け横浜市は、「ヒューザーが構造計算を依頼した建築士が偽装して行政処分を受けているにもかかわらず、建築主自ら自治体を相手に訴訟を起こすなど本末転倒だ」とのコメントを発表した。
賠償請求の対象物件は、姉歯秀次・元建築士が構造計算した首都圏4都県のマンション計26棟。国土交通省が偽装物件として公表していないものも含まれている。提訴のために裁判所に納めた印紙の額は1992万円だという。
請求額の内訳は、強度0.5未満の10棟の建物価格と解体費計69億円▽同0.5以上の建物の補強費15億円▽売却できなくなった物件の損害25億円▽社会的信用の低下や営業停止などによる損害30億円――としている。
26棟のうち自治体が建築確認をしたのは5市区計6棟で、残りは3民間検査機関が審査した。ヒューザー側は「民間検査機関の確認作業は自治体の事務だ」とする最高裁決定を根拠に、民間分についても賠償を求めた。
記者会見した小嶋進社長らは「(売り主として住民に対して負っている)瑕疵(かし)担保責任は誠実に果たしたい」と述べ、この訴訟で得られる賠償金を「被害救済」にあてるとの考えを表明した。
民間検査機関イーホームズに対しては、近く名誉棄損などによる損害賠償請求を検討している、と述べた。
また小嶋氏は会見で、ヒューザーと自身の資産を説明。
それによると、25日時点でのヒューザーの純資産は7億4813万円。預金や売掛金、不動産などの資産合計91億8539万円に対し、借入金など負債計84億3727万円。ただ、現金・預金5億5243万円のうち約5460万円以外は自由にならない状態で、不動産なども評価次第で資産額が減る可能性がある。
個人資産は、預金と貸付金で7963万円。関連会社ジャスティホームは約4億4929万円、エーピーアールは2127万円の純資産があるという。
ヒューザーがイーホームズを名誉棄損提訴
[日刊スポーツ 2006/1/31/19:00]ヒューザーは31日、ヒューザーが意図的に耐震強度が不足のマンションを建設したかのように公表され、名誉を傷つけられたとして、指定確認検査機関イーホームズと同社の藤田東吾社長に5億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、藤田社長とヒューザー小嶋社長らは昨年10月、偽装問題の対応について会合を開いた。イーホームズは同社のホームページに12月、会合の内容として「(ヒューザー側から)弊社に対する申請物件だけでなく、他の行政や機関でも同様に偽造物件の申請を出してきたという言葉を聞いた。隠ぺいの要請があった」などとする文書を掲載し、ヒューザーの名誉を傷つけたとしている。
藤田社長は「私は事実を述べてきただけなので名誉棄損のいわれはない」としている。