社民党、自衛隊「違憲状態」と明記

社民党が、今月採択する「社会民主党宣言」で、自衛隊について「現状、明らかに違憲状態にある」と明記することが明らかになりました。

1994年に村山内閣の誕生にさいして自衛隊「合憲」と認めたのですが、今回の転換は、その後「自衛のための必要最小限度」を超えた、というもので、村山内閣当時の方針転換が間違っていたというものではないらしい。

「自衛隊は違憲状態」 社民、党宣言に明記へ(朝日新聞)

「自衛隊は違憲状態」 社民、党宣言に明記へ
[asahi.com 2006年02月02日23時13分]

 社民党は2日の常任幹事会で、党名変更後初の綱領的文書となる「社会民主党宣言」の最終案に、自衛隊について「現状、明らかに違憲状態にある」と明記することを決めた。94年の村山内閣当時、「憲法の枠内」と転換した基本姿勢を変更したものだが、福島党首は2日の記者会見で「自衛隊の現状が自衛のための最小限度を大きく踏み越えている。(違憲としていた94年以前への)先祖返りではない」と語った。
 社会民主党宣言は11、12両日開かれる党大会で採択される予定。
 宣言案では「明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指す」としている。
 04年6月に福島氏が自衛隊を「違憲と言わざるを得ない」と記者会見で語るなど、執行部は自衛隊の活動範囲の拡大などを理由に「違憲状態」と発言しており、今回初めて党の政策に明文化した格好だ。
 福島氏は2日の会見で、「周辺事態法の成立、有事法制の整備、海上自衛隊のインド洋派遣、イラク多国籍軍への参加など、自衛隊の『状態』について憲法の枠内というわけにはいかない」と述べ、自衛隊の存在ではなく、現状を「違憲」と判断していると説明した。
 自衛隊への解釈をめぐっては、55年の旧社会党統一以降、憲法違反と位置づけていた。94年7月、自民・さきがけ両党との連立内閣で首相になった村山富市委員長(当時)が、衆院本会議で自衛隊を「自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は、憲法の認めるものであると認識する」と合憲に転換し、同9月の党大会で追認した経緯がある。

この議論だと、「自衛のための必要最小限度の実力組織」は合憲であり、しかも1994年当時の自衛隊はそれに該当する、ということになります。たしかにその後の自衛隊海外派兵法の成立は、自衛隊の性格を大きく変えつつありますが、だからといって、それ以前の自衛隊が何の問題もない訳ではありません。「自衛隊のための必要最小限度の実力組織は認められる」という議論そのものは、政府自民党が持ち出し、そのもとで自衛隊増強が進められてきた議論。社民党がそれを認めていて、本当に大丈夫なんでしょうか?

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