何も分かってない…

小泉内閣が、「格差社会」「勝ち組・負け組」論で、新たに「待ち組」なる造語を持ち出しています。曰く、ニートやフリーターは何もしないで様子をうかがっているだけの「待ち組」だというのです。

あれこれ言ってますが、要するにニートやフリーターは本人の怠惰が原因だということ。しかし、就職しようと思っても、業務請負という名前で、実際には、昔の“立ちんぼ”のように毎日毎日違った仕事にかり出されるしかない青年たちは、はたして「待ち組」なんだろうか? 仕事があったと思っても、毎日夜中までサービス残業させられ、仕方なく仕事を辞めてアルバイトで暮らしている青年は「待ち組」なんだろうか? そんな現実を、若者自身の責任にするとは、国民の痛みは何も分かってない、としか言いようがありません。

反省すべきは「待ち組」…首相、猪口少子化相ら造語で(読売新聞)

反省すべきは「待ち組」 首相、猪口少子化相ら造語で
[読売新聞 2006年2月5日1時13分]

 小泉改革の結果として「勝ち組」と「負け組」の二極化が進んでいるという批判に対抗するため、小泉首相や猪口少子化相が「待ち組」という言葉を使い始めた。
 勝ち負けの“二元論”にくさびを打ち込み、改革の影の部分が論点になりそうな風向きを変えたいという思惑もあるようだ。
 「待ち組」は、フリーターやニートなど「挑戦しないで様子をうかがう人」を意味する造語。猪口氏は1月31日の記者会見で、「『負け組』は立派だ。その人たちは戦ったのだから。本当に反省すべきは『待ち組』だ」と述べて、フリーターらの奮起を促した。
 小泉首相も2日の内閣メールマガジンの中で「待ち組」の存在を指摘し、「そういう人々も持てる力を存分に発揮し、創意工夫を活(い)かすことができる社会にしなくてはならない」とつづった。
 こうした首相の呼びかけに連動するように自民党では、衆院当選1、2回を中心とする若手議員約50人が2日、「若者を応援する若手議員の会」を発足させた。会長の西村康稔衆院議員は設立総会で、「猪口大臣も全面的に協力する。若い世代の声を吸い上げ、国民運動を盛り上げていきたい」と訴えた。
 同会は6月までにフリーター・ニートや少子化対策に関する政策を提言する方針だ。

↓こっちが、最近の「小泉内閣メールマガジン」第220号の「らいおんはーと」で、小泉首相みずからが書いていること。

 最近よく、「勝ち組」「負け組」という言葉を耳にします。確かに難題に挑戦すれば、うまくいく人とそうでない人が出てくると思います。しかし、「負け組」だからといって卑下することはありません、難しい問題に挑んだことは立派なことだと思います。「負け組」と言われている人々にもこれからチャンスをいっぱい提供して、一度や二度失敗しても再挑戦することができる社会にしていかなければならないと思っています。
 むしろ、「勝ち組」「負け組」のほかに、挑戦しないで待っている人「待ち組」がいると思います。そういう人々も、持てる力を存分に発揮し、一人ひとりの創意工夫を活かすことができる社会にしなくてはなりません。そして、どうしても自分の力ではできない人に対しては、お互いに助け合う、持続可能な社会保障制度がしっかり支える社会、そういう社会の実現をめざして、これからも改革を進めてまいります。[「小泉内閣メールマガジン 第220号」から]

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