またWinny 海自機密データがネット流出

今朝の「毎日新聞」1面トップの記事。海上自衛隊の機密データがネットに流出したというニュースですが、他紙には載っておらず、「毎日」のスクープのようです。

海上自衛隊佐世保基地の護衛官「あさゆき」の乗務員が、Winnyを入れた自分のパソコンに「機密データ」を保存。ウイルスに感染し、データが流出したようです。日頃、「危機管理」とか「安全保障」などと言っている割に、肝心のところがとんだ不始末。

Winnyがらみのデータ流出事件は、もはや日常茶飯事。にもかかわらず、いまだにWinnyを使っているというのが、そもそも僕には理解できません。前にも書いたことですが、Winnyの危うさ、ウイルス感染の危険性を理解できないほどの初心者なのか、それとも、「おれはパソコンやインターネットには詳しいんだから大丈夫」と思い上がっていたのか。Winnyが使いたいなら、それ専用にパソコンをもう1台用意しましょう。(^^;)

海自機密データ流出 「極秘」暗号書類など
ウィニーでネット上にフロッピー290枚分
[毎日新聞 2006年2月23日付朝刊]

 海上自衛隊の「極秘」と書かれた暗号関係の書類や、戦闘訓練の計画表とその評価書など、多数の機密データがネット上に流出していることが、22日分かった。流出した海自情報はフロッピーディスク約290枚分に相当する膨大なもの。約130の自衛艦船舶電話番号や顔写真付きの隊員名簿、非常時連絡網なども含まれており、防衛庁は事実関係について調査を始めた。軍事専門家は「トップシークレットの情報が含まれている」と警告している。過去最大級の軍事情報漏えい問題に発展する可能性も出てきた。
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 関係者によると、情報は、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のネットワークに今月中旬に流出した。ファイルの内容などから、海自佐世保基地配備の護衛艦「あさゆき」(基準排水量約3000トン、乗員約200人)の関係者のパソコンが「暴露ウイルス」に感染したことが原因とみられる。
 注目されるのは「暗号関係」というフォルダ。この中には、暗号の解読機とみられる「符号変更装置」の操作手順の詳細な記述があった。また、「極秘」と記された、非常用暗号書や乱数表などの書類の名称と整理番号をまとめた「暗号書表一覧表」があった。数字を羅列した「側方観測換字表」や、自衛艦のコールサインをまとめた表は「秘」となっていた。
 一方、「ドリルパッケージ」というフォルダ内には「監視経過概要」のタイトルで、「本艦の258度、38マイルに探知(監視ラインの外1600yds)」「情報収集A法発動」「目標との距離を1000ヤードつめる」など、何らかの船舶を追跡したとみられる記録がある。訓練かどうかは不明だが、専門家は海自の作戦能力を知られる危険性を指摘する。
 「電話番号一覧」という名のファイルには、090で始まる電話、ファクスなどの「船舶電話番号」や、「衛星電話番号」などのデータが並び、「昨年3月現在」と上部に表記されていた。大量の電話番号が出たことで、より大切な情報にアクセスされる恐れもある。
 隊員名簿は、昨年4月現在の護衛艦「あさゆき」の約40人分の隊員リストとみられる。本籍地や住所地、家族構成のほか最終学歴や宗教の項目もある。このほか、「あさゆき」関係の文書として、「非常呼集連絡網」「艦内作業予定」「個人配置表」「勤務表」などの多岐にわたるデータが収容されている。
 数日前からネット揚示板に「海自情報が流出している」などの書き込みが相次いでいる。防衛庁広報課は「詳細は調査中」と話している。

他国には宝の山

 軍事アナリストの小川和久さんの話 ここまでまとまった資料はトップシークレットと言える。他国の情報機関やテロ組織にとっては宝の山の資料だ。内通者をつくったり、なりすましを許しかねない。特に船舶追跡記録は、作戦能力が分かる可能性もあり、まずいのではないか。海自は直ちに対応しなければならない。

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