米国産牛肉の輸入再開について、担当検査官は、日本向け輸出の条件について「いっさい研修を受けなかった」と証言していたことが明らかに。
結局、日本向け輸出条件を徹底する気なんて、はじめからなかったのでは?
米牛肉 検査官“研修受けず”
[NHKニュース 02/25 05:04]アメリカからの輸入牛肉に特定危険部位の背骨が混入していた問題をめぐり、アメリカ農務省は、担当の検査官の証言を含めた報告書の全文を24日までに公表し、この中で、検査官が日本向け輸出の条件について、「いっさい研修は受けなかった」などと証言していたことが明らかになりました。
アメリカ農務省は今月20日、調査結果などをまとめた報告書を日本政府に提出し、その後、一部の個人情報を消去したうえで、担当の検査官の証言を含めた400ページ以上の全文を公表しました。
それによりますと、問題の牛肉を日本に輸出したニューヨークの食肉処理施設を担当していた農務省の検査官は「日本向け輸出の条件について、いっさい研修は受けなかった」と証言しています。この検査官は、問題がおきる9か月前に農務省に採用されたばかりで、「輸出の条件を知ろうとして、農務省のホームページなどを調べたが、見つけることができなかった」とも述べています。そして、出荷にあたって輸出の条件が守られているかどうかを確認する作業については、「自分を監督する別の検査官の役割と思っていた」と述べていますが、監督する立場の検査官も「日本向け輸出の条件を示す情報を見たことがなかった」としており、必要な情報が現場に徹底されていなかった実態が浮かび上がっています。
これについて、農務省は、再発防止に向けて検査官の研修の強化を既に打ち出しているとしています。