九条の会が昨年11月に開催したシンポジウムで、会場を貸す契約をした東京商工会議所が、警察に「右翼に妨害されるおそれがある」と言われたからという理由で、会場貸し出しを取り消していたことが判明。
日本国憲法は「集会の自由」を保障しています。もし、右翼の妨害が予想されるなら、それを防止するのが警察の仕事。もし、東京商工会議所にたいして「右翼が妨害しにくるかもしれませんよ。どうするつもりですか」などという漫然とした態度をとったのだとしたら、警察の対応そのものが問われるというものです。
結局、この問題は九条の会が仮処分を申請し、和解によってシンポジウムは予定どおり開かれ、右翼の妨害もなかったとはいえ、「右翼の妨害」を理由に会場使用を取り消そうというのは逆立ちもいいところです。
「右翼来るので会場貸せぬ」東京商工会議所、九条の会に(朝日新聞)
「右翼来るので会場貸せぬ」東京商工会議所、九条の会に
[asahi.com 2006年03月10日11時56分]改憲の動きに反対するために作家の大江健三郎さんらが立ち上げた「九条の会」が昨年11月に開いたシンポジウムをめぐり、会場を貸す契約をしていた東京商工会議所側が開催直前に「右翼が来るおそれがあり、会場を貸せなくなった」と通告していたことが10日わかった。同会が東京地裁に仮処分を申請し、和解成立によりシンポは予定通りに開かれた。右翼の妨害はなかったという。
シンポは昨年11月27日、「自民党改憲案は日本をどこに導くか」をテーマに東京・丸の内の東商ホールで開かれた。発起人の加藤周一氏や奥平康弘・東京大名誉教授らが自民党の新憲法草案を批判する内容で約300人が参加した。
関係者によると、同会事務局は丸の内署に警備を要請した。11月21日に東商の施設の貸し出しを担当する東商会員センター所長から「右翼に妨害されるおそれがあると丸の内署に言われ、会場を貸せなくなった」と通告された。
同会事務局は契約通りに会場を貸してほしいと求めたが東商側に断られたため、東京地裁に仮処分を申請。開催日直前の24日に和解が成立してシンポは予定通りに開かれた。
東商会員センターは「結果的に問題はなかったが、安全を考えて中止を求めた」と話している。
「集会の自由」のない「安全」とはいったい何?