日米豪3国が、「引き続き日米豪を含む国際社会のイラクの国造りへの支援」で合意。麻生外相は「あらかじめいつ活動を終了すると決められる状況にない」と発言したそうな。
本人が何を思ってこんな発言をしたかは知らないけれど、これは事実上、自衛隊撤退を撤回したも同然。まあ、サマーワは比較的ましとはいえ、イラク国内は宗派間対立が深刻化し、混迷を深めている。他方で、米軍はイラク戦争終結後最大規模の軍事攻勢をおこなっている。こんな状態で、アメリカ言いなりに自衛隊のイラク駐留を続けて、日本政府はいったいどうするつもりなのだろうか?
イラク陸自判断先送り、「撤退ドミノ」を回避(NIKKEI NET)
イラク陸自判断先送り、「撤退ドミノ」を回避
[NIKKEI NET 2006/03/19 07:02]【シドニー=吉野直也】麻生太郎外相が陸上自衛隊のイラク撤収判断の先送りを表明したのは、イラクの本格政権づくりが遅れるなか、他国に先駆けた動きが、各国の「撤退ドミノ」の引き金となることを恐れたためだ。各国軍の長期駐留を望む米国の要請を踏まえ、オーストラリア政府は陸自警護の任務も担う豪軍の駐留をひとまず継続する構え。緊迫するイラク情勢と、米国の意向をにらみながら、駆け引きが続く。
「引き続き日米豪を含む国際社会のイラクの国造りへの支援が重要だ」
ライス米国務長官が18日の日米戦略対話で切り出すと、麻生外相は即座に同意した。日本が陸自撤収の第一条件として挙げたイラクでの本格政権づくりは進まない。陸自の撤収と連動するのがサマワとその周辺の治安を担う英豪両軍の動向。ダウナー豪外相は、陸自が活動する限りサマワにとどまると表明。日本だけが突出して撤収を言い出しにくい環境になった。
自衛隊サマワ撤収時期、麻生外相「決める状況にない」(読売新聞)
自衛隊サマワ撤収時期、麻生外相「決める状況にない」
[2006年3月18日23時18分 読売新聞]【シドニー=樋口郁子】麻生外相は18日、ダウナー豪外相と会談し、イラク南部のサマワで活動する自衛隊の撤収時期について、「あらかじめいつ活動を終了すると決められる状況にない」と述べた。
両外相は、今後、緊密に連絡を取り合い、慎重に豪軍と自衛隊の撤収時期を判断していくことや、重要な局面を迎えたイラクへの支援を強化していくことで一致した。
麻生外相は日米豪戦略対話終了後、記者団に対し、「(イラク本格政権発足時期の)そこのところが一番見えてこない」と述べた。
「イラク戦争後、最大規模の空爆」米軍が発表
[asahi.com 2006年03月17日02時51分]イラク駐留米軍は16日、「イラク中部サーマッラ周辺で、03年のイラク戦争後で最大規模の空爆作戦を行った」と発表した。ロイター通信などが伝えた。50機以上の航空機と米兵、イラク兵1500人、車両200台が作戦に参加した、としている。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、サーマッラ近郊にある武装勢力の拠点周辺を米軍部隊が突然包囲し、大規模な攻撃を始めた。「奇襲だったためか、武装勢力からの反撃はなかった」という。アルジャジーラの電話取材に、サーマッラの人権団体幹部は「攻撃はサーマッラ西北部の郊外で行われており、市内では飛行機の音が聞こえるだけだ」と語った。市民への被害などは明らかになっていない。
サーマッラでは先月、イスラム教シーア派の聖地アスカリ廟(びょう)が何者かに爆破され、これをきっかけにイラク全土で宗派対立が深刻化している。
米軍は04年11月、「武装勢力掃討」を掲げてファルージャを総攻撃。市街地が破壊され、多くの市民も死亡したとみられ、国際的な波紋を呼んだ。
なぜ日本の政治家は、国益というものを考えないのでしょうか。麻生大臣をみていると、どこの国の人なのか疑問が残ります。