今週の「九条の会」(3月20日まで)

今週の全国各地の「九条の会」の活動を紹介した記事をインターネットを流れるニュースの中から拾いました。

イラク戦争開戦3年 自衛隊の即時撤退訴え 九条の会八代
[熊本日日新聞 2006年3月20日 07:55]

 イラク戦争開戦から20日で3年となるのを前に、「くまもと九条の会八代」(緒方幸範代表)が19日、八代市で集会を開き、自衛隊のイラクからの即時撤退を訴えた。
 同会は自衛隊のイラク派遣をきっかけに04年12月発足した。メンバーは、八代地域の教職員や会社員、主婦ら約80人。戦争の放棄と戦力不保持を掲げる憲法第九条の改正に反対する署名運動などを進めてきた。
 同市松江城町の中央コミュニティー広場であった集会には約50人が参加。緒方代表が「子どもたちが平和に暮らせる国にするため、護憲を訴えたい」とあいさつ。
 会員を代表して住職山本隆英さん(67)=同市坂本町鮎帰=が「『非戦平和』が宗教の原点。第九条の実現こそ今、必要だ」と話した後、全員で「自衛隊派兵反対」「憲法九条を守ろう」と訴えながら本町アーケードなどの中心商店街を歩いた。(石本智)

みやぎ9条の会結成 さとう宗幸氏ら呼びかけ
[2006年3月19日(日)「しんぶん赤旗」]

 宮城県で「九条の会アピール」賛同者を県内有権者の過半数に広げようと「みやぎ憲法九条の会」が18日、仙台市内で結成されました。
 呼びかけ人には、歌手のさとう宗幸さんを含め、元小学校校長から宗教者、農協組合長など157人の幅広い顔ぶれが名を連ねています。七十人が参加したこの日の呼びかけ人会議で写真家の後藤東陽氏と仙台YWCA理事長の戸枝慶氏、宮城学院女子大学元学長の山形孝夫氏を代表に選出。さまざまな垣根を越えて、憲法九条を守る一点で手を結ぼうと県民に呼びかけるアピールを採択しました。

「九条の会」埼玉で初講演 5月9日 ソニックシティ
[埼玉新聞 2006年3月19日]

 国内の著名人9人が呼び掛け人となり、一昨年6月に発足した「九条の会」が5月9日、埼玉で初の講演会を開く。講演するのは呼び掛け人のうちノーベル賞作家の大江健三郎さん、評論家の加藤周一さん、作家の澤地久枝さんの3人。改憲の一里塚ともいわれる国民投票法案の今国会成立も取りざたされる中、同会は「憲法九条、いまこそ旬(しゅん)」と題し、あらためて九条の意味を問い掛ける。
 九条の会の呼び掛けに応え、地域、職場別に全国で約4000の会、県内では122の会ができた(今年1月現在)。今回の講演は俳人で芸術院会員の金子兜太さん、宝泉寺住職の旦保哲夫さん、元日本歌人協会会長の加藤克巳さんら県内の著名人8人が呼び掛けて開催される。
 講演は午後6時から大宮駅西口徒歩5分のソニックシティで。九条の会は全国で講演会を開いており、昨年7月の有明コロシアムには約1万人が集まった。横浜市では3000人の定員に5000人が集まり、会場に入り切れないこともあった。このため、埼玉講演では参加費1000円と引き換えにチケットを配布、先着3000人で締め切る。
 申し込みはファクスで埼玉講演会事務局(電話048-824-0094)へ。電話での申し込みは受け付けない。

「憲法9条を棄てていいのか」?「九条の会・中野」1周年記念講演会
[JANJAN 2006/03/15]

 3月10日(金)午後6時半から中野ゼロ大ホール(東京・中野区)で、「九条の会・中野」設立一周年を記念して、作家の澤地久枝さんと、一橋大学教授の渡辺治さんを講師に迎え、「憲法9条を棄てていいのか」と題した講演会が開催されました。入場者は約1400名。このホール始まって以来の人が集ったそうですが、この集まりが成功かどうかは、参加者個々の今後の活動にかかっている、と実行委員長の竹内隆さんは述べ、「一人ひとりが行動を通して平和を守るための活動を続けていくことが大事」と呼びかけました。
 昨年11月、自民党は新憲法草案を発表しました。国会議員の9割以上が改憲に賛成するなか、憲法改正の動きは加速の一途を辿っています。しかし、毎日新聞の世論調査によると、改憲に賛成の人でも、9条を変えることには、6割以上の人が反対しています。国会議員と国民との意識の乖離が見られるなか、日本を代表する知識人や言論人などが呼びかけ人となって始まった9条を守るための運動は全国各地に広がり、現在、「九条の会」が4000以上できるなど、国民的運動の様相を呈しています。
 澤地久枝さんと渡辺治さんの講演要旨は以下の通りです。
 澤地久枝さんは、「わたしが生きた昭和」をテーマに、自らの生きた昭和の時代について語りました。14歳のとき満州で終戦を迎えた澤地さんは、自らの戦争体験や昭和史を書き続ける作家活動を通して、戦争の虚しさとその犠牲の大きさを訴えました。また、戦前と戦後を分けて考える考え方があるが、昭和を生きた人間の一人として、「昭和は一つの臍の緒でつながっている」との認識を示しました。
 澤地さんは、「9条を棄てていいのか」という問いに対しては「とんでもない」とキッパリ否定し、60年間、1人の戦死者も出さず、他国の人を1人も殺さなかったのは、「9条があったから」と断言しました。「九条の会」の呼びかけ人の1人である澤地さんは、「9条を守る運動に対し、メディアからは相変わらず無視されているが、いつのまにかジワジワと水がしみ込むように、いままで黙っていた人たちが声をあげていることに希望を見出している」と述べ、この運動が広がりをみせていることに期待を寄せました。
 「一人ひとりの声は小さいが、戦争をする国にしないという決意と志をもった個人が増えていき、その個人と個人が手をつなぎ、層を成していったとき力になる。それが、勇気と自信と力になる」と述べ、連帯することの重要性を説きました。
 その上で、「焦らず、しっかりと身構えて、心の中に砦を作る。その砦をだれも壊すことはできない」と述べ、一人ひとりが個として独立する歩み方をしてほしい、と訴えました。
 渡辺治さんは、「平和・人権の憲法が危ない」というテーマで話しました。自民党の新憲法草案の狙いについて、渡辺さんは「9条と96条の改正が狙い」とその意図を明らかにしました。自民党の新憲法草案は、9条の第2項を削除し、新たに9条の第2項として、自衛隊を自衛軍にすることを明記しています。公明党と民主党に配慮し、集団自衛権行使という言葉は使っていないが、これが意味するものは、日本の自衛隊がアメリカと一緒に海外で戦争ができるようにすることだと、その狙いを指摘しました。
 また、憲法改正の手続きを規定する96条を変える狙いは、改憲し易くして(現在の「国会議員2分の2以上の賛成で国会が発議」を「過半数の賛成」に変える)9条改正を実現することにあり、他の改正点は後で変えていこうとしている、と喝破しました。
 渡辺さんは、自民党が新憲法草案を出してきた背景には、経団連やアメリカの圧力があると指摘し、2007年にも改憲を通そうとしていることや、国会議員の9割が改憲に賛成していることに危機感を募らせ、これを阻止するためにはどうすればいいか、いかに立ち向かうかについて、次のように述べました。
 「結党以来、50年間、自民党が改憲できなかったのは、市民運動に対する恐れがあったからです。憲法はいまも生きている。日本が海外で戦争ができないのは、9条がいまも力をもっているからだ。安保闘争のとき、岸信介首相は、反対するのは国会を取り巻いている者だけだ、声なき声は自分を支持していると言ったが、翌日、声なき声が立ち上がった。国民の過半数を結集し、輪を作る。全国津々浦々、9条の改憲に反対する声を、目に見える形で挙げていく」
 その上で、「日本中の声なき声が声を挙げ、党派を超えて国民の半分が立ち上がれば、改憲は阻止できる」と述べ、平和を守るための国民的運動にしていくために、一人ひとりが目に見える形で声を上げることが必要である、と強く訴えました。
 日本だけでなく世界の宝であるこの平和憲法を、これから生まれてくる未来の子どもたちに残すために、澤地さんや渡辺さんたちの呼びかけに応え、日本中の「声なき声」が結集し、声を挙げていくことが、いま、問われています。(ひらのゆきこ)

慈愛忘れず命に感謝 清水寺・森貫主が講演/岐阜中日文化サロン
[北陸中日新聞 2006-03-14]

 「あてにならないものによってわれわれの生活は成り立っている。そのあてにならないあらゆるものの総合が“命”。命に感謝して日々生きていこう」――。岐阜市長良の岐阜グランドホテルで13日開かれた「第60回岐阜中日文化サロン」(中日新聞社、中日新聞社会事業団岐阜支部共催)。京都・清水寺の森清範貫主(65)は、時折ユーモアで会場の笑いを誘いながら、「慈愛」の心を持つ大切さを訴え、約300人の参加者から盛んな拍手を受けた。(石川 徹也)
 森貫主は開口一番の冗談に続けて、清水寺の構内の図を描き、「構内の舞台ではもともと能が舞われ、『ヒノキ舞台を踏む』という言葉ができた。思い切ってことに当たるのを『清水の舞台から飛び下りる』といいますが、本当に飛び降りるという意味ではありませんからくれぐれも注意を」。参加者に笑いかけ、会場の雰囲気を和らげた。
 2005年4月に発足した「宗教者九条の会」の呼び掛け人となるなど、平和活動でも知られる森貫主。しかし、そうした堅いイメージとはほど遠い柔らかな京都弁で、参加者の心に言葉を染み込ませていった。
 本題に入ると「社会は人間の心の反映」と、混迷を深める現代社会での生き方について言及。「戦争は人間の心の中で起こる。人の心の中に平和のとりでを築かねばならない」としつつ、「平和は勝手に起こるものではない。『このことをしたい』という気持ちが行動を作るのです。人間は心の持ち方で世界を変えていける」と訴えた。
 その「心」については、人間の心の中には良い心も悪い心もあるものの「どちらにも染まることはない」と語り、「立派な人が『なぜ、あんなことを』ということはよくあるが、完全な善人には誰もがなれない。そう考えた上で、善を積む努力を怠らないことが大事なのです」と語った。
 また、すべての存在は「色即是空(しきそくぜくう)」であるとし、あてにならない「空」によって私たちの生活(色)は成り立っている、という意味だと説明。そのあてにならないと思っている当たり前のもの、例えば朝起きた時に自分の命や家族に感謝することで「一人一人が欠かすことのできない存在」だと感じるようになる、その心こそ「慈愛」だと訴えた。
 さらに、自分を大切と思うのと同様に他人を思えるようになる「衷恕(ちゅうじょ)」の貴重さを繰り返し強調。「草木も同じように命を共有しているという生命観や自然観を感じてほしい」と、お互いを尊重する精神の重要性を話した。
 岐阜市のガラス工芸家林孝子さん(68)は「衷恕の心をみんなが持てば、周りを幸せにして世界平和につながるということが分かった」と感激した表情で話していた。

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