9条改憲必要なしが過半数

読売新聞の世論調査によると、憲法9条について、「改正する」は39%。これに対し、「これまで通り、解釈や運用で対応する」33%、「9条を厳密に守り、解釈や運用で対応する」が21%。つまり、9条に関しては、54%は「改正する必要なし」と考えている訳です。

改憲賛成が9年連続で過半数、「自衛組織」明記71%(読売新聞)
「憲法」 2006年3月調査(面接方式)

改憲賛成が9年連続で過半数、「自衛組織」明記71%
[読売新聞 4月3日23時0分更新]

 読売新聞社が実施した憲法に関する全国世論調査(面接方式)で、「改正」に賛成の考えを示す人が56%に上り、1998年以降9年連続で半数を超えた。
 また、現行憲法では触れられていない、自衛のための組織を持つことについて、憲法上明確にすべきだとする人が71%に達した。11月に公布から60年を迎える現行憲法だが、社会や時代の変化に対応した新たな憲法を求める国民の声が強いことが改めて浮き彫りになった。
 調査は、3月11、12の両日に行った。
 憲法を改正する方がよい理由では、「国際貢献など今の憲法では対応できない新たな問題が生じているから」47%が最も多かった。
 今の憲法を「改正しない方がよい」は32%だった。
 憲法改正の焦点である9条に関しては、「解釈や運用で対応するのは限界なので、改正する」が39%で5年連続最多だった。「これまで通り、解釈や運用で対応する」が33%、「9条を厳密に守り、解釈や運用では対応しない」は21%だった。
 「集団的自衛権」については、「憲法を改正して、集団的自衛権を使えるようにする」27%、「憲法の解釈を変更して、使えるようにする」23%を合わせた行使容認派が50%に達した。「これまで通り、使えなくてよい」は44%だった。
 憲法のどんな点に関心を持っているか――では、「戦争放棄、自衛隊の問題」49%が5年連続でトップ。これに、最近論議を呼んだ「天皇や皇室の問題」31%や「靖国神社への公式参拝の問題」28%が続いている。

「憲法」 2006年3月調査(面接方式)
▽調査日:2006年3月11-12日
 対象者:全国有権者3,000人(250地点、層化二段無作為抽出法)
 方法:個別訪問面接聴取法、回収:1,812人(60.4%)*

Q8 日本の憲法についてお聞きします。
 あなたは、今の日本の憲法のどんな点に関心を持っていますか。回答リスト5番の問題は、すべて憲法に関係するものですが、あなたがとくに関心を持っているものを、いくつでもあげて下さい。

天皇や皇室の問題 30.9
戦争放棄、自衛隊の問題 49.3
平等と差別の問題 16.4
言論、出版、映像などの表現の自由の問題 11.1
情報公開の問題 16.4
プライバシー保護の問題 25.3
生存権、社会福祉の問題 16.9
環境問題 24.0
集会やデモ、ストライキ権の問題 2.0
選挙制度の問題 12.7
裁判の問題 12.5
靖国神社への公式参拝の問題 27.8
憲法改正の問題 16.2
三権分立の問題 4.1
地方自治の問題 12.0
国会の二院制の問題 8.4
憲法制定の過程や背景 5.7
その他、とくにない、DK.NA 9.1

Q9 最近、国会や各政党では、憲法に関する論議が活発になっています。あなたは、こうした動きを、好ましいと思いますか、好ましくないと思いますか。

好ましい 42.2
どちらかといえば好ましい 29.2
どちらかといえば好ましくない 11.0
好ましくない 10.2
DK.NA 7.5

Q10 あなたは、今の憲法を、改正する方がよいと思いますか、改正しない方がよいと思いますか。

(1)改正する方がよい 55.5
(2)改正しない方がよい 32.2
DK.NA 12.3

SQ1 【質問対象=Q10の答えが(1)の人だけ】
 あなたが改正する方がよいと思う理由は何ですか。回答リスト6番の中から、いくつでもあげて下さい。

アメリカに押しつけられた憲法だから 33.6
国の自衛権を明記し、自衛隊の存在を明文化するため 32.5
権利の主張が多すぎ、義務がおろそかにされているから 25.3
憲法の解釈や運用だけで対応すると混乱するから 32.9
国際貢献など今の憲法では対応できない新たな問題が生じているから 47.4
その他 1.5
DK.NA 1.9

SQ2 【質問対象=Q10の答えが(2)の人だけ】
 あなたが改正しない方がよいと思う理由は何ですか。回答リスト7番の中から、いくつでもあげて下さい。

すでに国民の中に定着しているから 36.3
世界に誇る平和憲法だから 51.5
基本的人権、民主主義が保障されているから 26.7
時代の変化に応じて、解釈、運用に幅を持たせればよいから 20.5
改正すると軍事大国への道を開くおそれがあるから 34.2
その他 1.0
DK.NA 0.7

Q11 戦争を放棄し、戦力を持たないとした憲法第9条をめぐる問題について、政府はこれまで、その解釈や運用によって対応してきました。あなたは、憲法第9条について、今後、どうすればよいと思いますか。回答リスト8番の中から、1つだけあげて下さい。

これまで通り、解釈や運用で対応する 32.6
解釈や運用で対応するのは限界なので、憲法第9条を改正する 39.3
憲法第9条を厳密に守り、解釈や運用では対応しない 20.9
その他 0.2
DK.NA 7.0

Q12 憲法第9条には、自衛のための組織を持つことについて直接触れた規定はありません。あなたは、自衛隊の存在を憲法で明確にすべきだと思いますか、そうは思いませんか。

そう思う 46.8
どちらかといえばそう思う 24.4
どちらかといえばそうは思わない 11.4
そうは思わない 11.3
DK.NA 6.1

Q13 日本と密接な関係にある国が武力攻撃を受けたとき、この攻撃を、日本の安全を脅かすものと見なして、攻撃した相手に反撃する権利を「集団的自衛権」と言います。政府の見解では、日本もこの権利を持っているが、憲法の解釈上、使うことはできないとしています。この集団的自衛権について、回答リスト9番の中から、あなたの考えに最も近いものを、1つだけあげて下さい。

憲法を改正して、集団的自衛権を使えるようにする 26.9
憲法の解釈を変更して、集団的自衛権を使えるようにする 22.7
これまで通り、使えなくてよい 43.5
その他 0.1
DK.NA 6.7

Q14 憲法は、国会の構成を衆議院と参議院の二院制としています。国会の二院制のあり方については、様々な議論がありますが、回答リスト10番の中から、あなたの考えに最も近いものを、1つだけあげて下さい。

参議院をなくして、一院制にする 27.8
二院制を維持し、衆議院の役割や権限を強化する 8.8
二院制を維持し、参議院の役割や権限を強化する 16.9
今のままでよい 40.7
その他 0.8
DK.NA 4.9

Q15 日本の憲法について、あなたが、今の条文を改めたり、新たな条文を加えたりする方がよいと思うものがあれば、回答リスト11番の中から、いくつでもあげて下さい。

天皇の地位やあり方 24.2
自衛のための軍隊保持 27.4
積極的な国際協力 21.9
行政機関の情報を知る権利 18.3
個人情報やプライバシーの保護 27.6
家族の尊重 11.5
良好な環境で生活する権利 27.6
緊急事態などへの首相の権限強化 12.4
衆議院と参議院の役割 13.5
国と地方の役割 25.2
憲法裁判所の設置 4.5
その他 0.1
とくにない 16.4
DK.NA 2.9

Q16 あなたは、日本の憲法では、とくにどのような理念や考え方を強調するのが望ましいと思いますか。回答リスト12番の中から、3つまであげて下さい。

伝統や歴史の重視 29.2
自然や環境の保護 40.3
国際社会への貢献 26.3
平和の大切さ 67.7
個人の自由の重視 12.6
社会における平等の重視 24.0
教育・文化・科学技術の振興 25.2
経済的な豊かさの追求 15.3
その他 0.1
とくにない、DK.NA 4.9

Q17 今の憲法には、憲法の改正に関する規定がありますが、国民投票など、改正の具体的な手続きを定めた法律は整備されていません。あなたは、こうした法律を整備しておくことに、賛成ですか、反対ですか。

賛成 68.7
反対 7.0
どちらとも言えない 20.3
DK.NA 4.1

Q18 地方制度の改革の一環として、現在の47都道府県を統合・再編して、全国をいくつかの道や州にまとめる「道州制」が議論されています。この道や州に、外交や防衛などを除いて、今の国の役割をできるだけ移すというものです。あなたは、この道州制の導入に、賛成ですか、反対ですか。

賛成 17.5
どちらかといえば賛成 19.3
どちらかといえば反対 24.1
反対 25.2
DK.NA 13.9

9条改憲必要なしが過半数」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 小泉内閣の支持率が一桁台になるまで

  2. ピンバック: 読売新聞の社説はどうなの・・2 (2005年度版)

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