フランスのドビルパン首相が、全国的なデモやストライキなど激しい抗議を呼び起こしていた「青年雇用政策」(CPE)の撤回を発表。
国民の反対が強ければ政策を変更する――考えてみれば当たり前のことですが、日本と比べると、とても新鮮に思えてくるのは、やっぱり民主主義の伝統の違いでしょうか? 私たち日本人も、フランスの若者たちに負けないような社会的反撃力を持ちたいものです。
仏政府、若者向け雇用策を撤回――学生や労組「勝利」宣言(日経新聞)
仏政府、若者向け雇用策を撤回――学生や労組「勝利」宣言
[NIKKEI NET 更新: 2006/04/11 10:08]【パリ=奥村茂三郎】仏大統領府は10日、若者向けの雇用策「初期雇用契約(CPE)」を撤回し、別の雇用促進策を導入すると発表した。学生団体や労働組合は「勝利」を宣言、2カ月あまりにわたった学園封鎖やデモ、ストは収拾に向かう見通しだ。大幅に譲歩した政府の権威失墜は決定的で、政局の混迷は続きそうだ。
大統領府が発表した声明では「シラク大統領は(CPEを盛った)機会平等法8条を困難な立場にある若者の就職促進策に置き換えることを決めた」と表明した。与党によると代替策は16?25歳で大学入学資格を持たない若者や失業率の高い地域の居住者らを正規に雇った企業への財政支援策となる。与党は10日中にも改正法案を議会に提出する。
仏、若者雇用策を撤廃/労働団体『歴史的な勝利』
[東京新聞 2006/04/11]【ローマ=牧真一郎】フランスの若者雇用策「初回雇用契約」(CPE)をめぐり、ドビルパン首相は十日、シラク大統領や与党・国民運動連合(UMP)党首のサルコジ内相らとの協議後、CPEを撤廃して代わりの雇用策を進めると発表した。二カ月以上に及んだ労働団体や学生らによる抗議運動は、終息に向かう見通しとなった。
CPEの導入にこだわり、混乱を長引かせた首相にとって、撤廃決定は大きな失点だ。制度の一部見直しによる解決を指示した大統領も影響力を衰えさせることは必至で、来春の大統領選にも影響を与えそうだ。
首相は「CPE実施には信頼感と平穏さが必要だが、今は若者にも企業にもそれがなく、具体化できる状況にないことが分かった」と述べ、与党側が新たな雇用策を法案化するとした。
この後、与党の国民議会(下院)議員団長のアクワイエ氏らが会見で昨秋の移民系若者らの暴動で問題となり、CPE発案のきっかけにもなった都市郊外の高失業率を改善するため、問題のある地域に住む若者を雇用した企業に対する補助金を増額するなどの代替措置を取ると表明。与党は十日に関連法案を提出した。財源はたばこ税の増税によって賄われる予定という。一貫して撤廃を求めていた労働団体は「歴史的な勝利」などと述べた。<メモ>初回雇用契約(CPE)
フランスの若者の高失業率への対策としてドビルパン内閣が法制化した。社員20人以上の企業による26歳未満の雇用に2年間の試用期間を設け、この間は企業が理由なく解雇できる。解雇の場合、他の契約より割高な、支給された給与総額の8%にあたる失業手当を受け取る。今月2日にCPEを含む雇用法が公布されたが、シラク大統領は2年を1年に短縮、解雇理由の告知を義務づける新法制定を首相に指示。労働、学生団体は17日までに廃止法の可決を要求していた。
ピンバック: FRENCH BLOOM DATA BASE
ピンバック: FRENCH BLOOM DATA BASE
半年くらい前にTBさせていただいたことがあります。ブログの名前も変わってますが。これからもよろしくお願いいたします。