今月のコンサート(1) 都響&日フィル

出張とその後のバタバタ仕事が一段落して、昨日、今日と(じつは明日も)コンサート三昧な状況となっています。(^_^;)

月刊都響4月号

昨日は、都響の定期演奏会。デプリースト指揮でモーツァルト交響曲第29番とブルックナー交響曲第2番のプログラム。

デプリーストのブルックナーは、今回が初めて。ショスタコーヴィチがよかっただけに、ブルックナーはどんなものかと期待をふくらませて聞きに行ってきました。しかしながら、第2番は、そこかしこにそれらしい展開がでてくるのですが、それがことごとくあっさり途中で次に行ってしまうので、ブルックナーらしい荘厳さが感じられません。ということで、デプリーストの指揮が悪いわけでも、都響の演奏が悪いわけでもありませんが、何となく中途半端な感じのまま終わってしまいました。(^_^;)

デプリーストのブルックナーがどうなるかは、来週月曜日の上野での第9番に期待することにしたいと思います。

で、今日は、日フィルの定期で、ベルリオーズの幻想交響曲と「レリオ」の2本立てという意欲的なプログラム。「レリオ」は、主人公レリオのモノローグ+音楽ですすむ作品です。そのため、滅多に演奏される機会がなく、僕も、生はもちろん、CDなどでも聞いたことがありませんでした。

日フィル4月定期演奏会チラシ

まず前半の幻想交響曲は、第1楽章、第2楽章は抑え気味に始まりましたが、第3楽章からは、いわゆる“コバケン節”炸裂の大熱演。ここまで激しくやっても破綻しないのは、やっぱり日フィルのすみずみまで知っている小林研一郎氏ならでは。ふつうなら、これが休憩後のメインプログラムという曲ですし、実際にも、エネルギッシュで、ぐいぐいひきこまれる演奏でした。

でも今日は、これが休憩前の小手調べ。休憩が終わると、舞台の手前にソファーと乱雑に楽譜などが散らかった机が置かれたところで、演奏開始。「レリオ」は、幻想交響曲の続編として構想された作品で、まずは幻想交響曲の旋律がくり返されたところへ、会場の中から、作曲家レリオに扮したところの辰巳琢郎氏が登場。アヘンをあおって幻想に襲われるレリオの独白に、音楽と歌が重ね合わされるかたちで、すすんでゆきます。照明を使った効果的な演出もあって、芝居を中心に見た方がよいのか、音楽を中心に楽しんだ方がよいのか、ちょっと惑わされるような不思議な作品でした。

しかし、前半の幻想交響曲の印象が強烈だっただけに、レリオの方は芝居か音楽かどっちつかずという感じになってしまい、途中からは、辰巳琢郎氏の芝居が始まると、咳払いが聞こえるなど、いわゆる楽章と楽章の間の小休止状態に。(^_^;)

また、オケ、テノール、バリトンのソロ、合唱がナマの音なのに対して、辰巳氏はマイクでの芝居というのが、ちょっとチグハグな感じがしました(もちろん2000人のホールで、地声であれだけの台詞をしゃべり続けるというのは不可能ですが)。今回は、レリオの台詞も合唱の歌詞も全部日本語でしたが、レリオの台詞の「言葉」がちょっと生硬い印象で、いま一つ、本当に芝居になりきっていないという感じがしました。残響が多いので、台詞が早くなると聞き取れないという問題もありました。

それから、「山賊の歌」の場面で、レリオにマシンガンを持たせた演出は大疑問。あれじゃあ、禁酒法時代のギャングです。そう思って見始めると、衣装も、何となくそれらしく見せてはいるものの、1840年代とは言い難いもの。そういうあたりも、もう少しきちっと詰めた演出を望みたかったです。

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