今月のコンサート(2) 新日本フィル第400回定期演奏会

コンサート3連荘の最後は、新日本フィルの定期演奏会。直前のプログラム変更で、インターネット上でもいろんな“憶測”が流れています。

もともとのプログラムは、ツィンマーマン「1楽章の交響曲」、シューマン「ヴァイオリン協奏曲」、ヒンデミット「交響曲『画家マティス』」の3曲。それが、シューマンの曲を残して、ブラームス「悲劇的序曲」、同「交響曲第4番」に。個人的には、ヒンデミットは大好きな作曲家で、アルミンクが「画家マティス」をどうふるか期待していただけに、なかなか納得のいかない変更です。

当日のプレトークでも、アルミンク氏がちらとふれておられましたが、シューマンのヴァイオリン協奏曲は、作曲家の生前には演奏されることなく、初演は1937年、ゲッペルスの指示によって、ユダヤ人であるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲に代えて演奏されたという曰く付きの曲です。それに、ナチス時代に「退廃芸術」の烙印を押されたヒンデミットと、そんなナチス時代をのりこえたあと1950年代に登場したツィンマーマンの曲となれば、なるほど「信」というテーマにぴったりのプログラムだと思います。

プログラム・ノーツも、「新日本フィルの今シーズンのテーマたる『信』を語ろうとすると、最も微妙な言い回しにならざるをえない相手が、シューマンやブラームスだろう」(渡辺和氏)と、まことに微妙な書き方がされていました。(^_^;)

さて、当日の演奏ですが、そういう事情もあって、演奏そのものに集中できなかったというのが正直なところ。ブラームスの交響曲第4番も好きな曲だったし、ややスローなテンポで入っていって、最後見事に盛り上げてくれたアルミンク氏の指揮も良かったのですが、それでも「なんでブラームスなの?」というモヤモヤした気分のまま帰ってきてしまいました。

【演奏会情報】
ブラームス:悲劇的序曲 op.81
シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 op.98
指揮:クリスティアン・アルミンク/ヴァイオリン:ヴィヴィアン・ハグナー/コンサートマスター:豊嶋泰嗣/会場:すみだトリフォニーホール/4月14日19時15分開演

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