先週の都響&デプリーストのブルックナー交響曲第2番にいまいち満足できなかった分、期待を込めて上野の文化会館へ。4階正面の2列目、ほぼど真ん中のシートで、舞台のオケは遙か下に見えますが、音はきれいに上がってきます。
プログラムは以下の通り。
- アルバン・ベルク:管弦楽のための3つの小品 op.6
- ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調
さてメインのブル9ですが、第1楽章の出だしがあっさりしていたので、一瞬、どうなるのか不安になったのですが、その後はたっぷりとブルックナー節を聴かせていただきました。といっても、テンポは速め?で、全体としては、あまり深みにはまらず、要所要所でしっかり“らしさ”を聴かせるという感じでした。
途中、ホルンやクラリネットが、ちょっと音がひっくり返りそうになったところはご愛敬。(^_^;) それより気になったのは、弦の音。きれいに響かせる曲じゃないというのは分かりますが、それにしても、ちょっとぎゃっぎゃっと弾きすぎるように思われたのですが、どうでしょう?
前半のベルクの作品は、初めて聴く曲です。プログラムノーツによれば、“新ウィーン楽派”のシェーンベルクやウェーベルンのなかでは、「ロマン的あるいは叙情的な性格」を持ち続け、「表現主義的な書法のうちに、どこかマーラーにつうじる官能性も感じさせる」とのことですが、やっぱり僕には…… (^_^;)
それにしても、木管でもフルート4、オーボエ4、クラリネット4、金管はホルン6、トランペット4、トロンボーン4、テューバ1、ほかにティンパニ2、大太鼓、小太鼓、シンバル、タムタム、中太鼓、ハンマー…という人数の多さ。弦と合わせて、総勢110人を超え、広い文化会館のステージいっぱいいっぱいです。都響は、確か、現在85人のはず。載ってない人もいたから、ざっと考えても30人以上がトラってこと? う〜む、こんなことで都響の演奏会って言えるんでしょうか? (^_^;)
石原<バーバリアン>都知事のおかげで、すっかりスリムになってしまった都響ですが、その割に、デプリーストは、マーラー、ブルックナー、ショスタコーヴィッチとやってくれますね。やっぱりマーラーぐらいは自力でやれるだけのメンバーがほしいものです。
【音楽会情報】
指揮:ジェイムズ・デプリースト/ソロ・コンサートマスター:矢部達哉/演奏:東京都交響楽団/会場:東京文化会館大ホール/開演:4月17日 午後7時?
【関連ブログ】
はろるど・わーど:東京都交響楽団 「ブルックナー:交響曲第9番」他 4/17
谷中オペラ日記:デプのブルックナー9@都響定期 東京文化
あれぐろ・こん・ぶりお – ジェイムズ・デプリースト、ついに始動?都響第625回定期演奏会
ブルックナー最後の交響曲 ?指揮者の色? エレガントにいこう
Where Sweetness and Light Failed – James DePriest
瞬間の音楽: デプリースト=都響のブルックナー/交響曲第9番
先週のブル2を含め、インターネットではいろんな評価が出ています。いつもブログを拝読させていただいているはろるどさんは、逆に、弦は厚みがあったが、金管が無機質で弦と調和していなかったと、まったく逆の印象を書かれていて、僕はちょっと自分の感想に自信が持てなくなりましたが…。(^_^;)
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GAKUさんこんばんは。
いつも以上の辛口?感想文になってしまいましたが、
拙ブログへのTBをどうもありがとうございました。
>都響は、確か、現在85人のはず。載ってない人もいたから、ざっと考えても30人以上
そんなにいらしたのですか!
これではアンサンブルを揃えるのが大変でしょうねえ。
都響は元々大編成ものに強い、地力のあるオーケストラだけに、
このスリム化は残念です…。
はろるどさん、こんばんは。
わざわざコメントありがとうございます。
デプリースト氏は、ベルティーニ氏のような“名人芸”というより、お客さんへのサービス精神にあふれたエンタテイナーという感じではないでしょうか。だから、ブルックナーのようなマニアックな曲になると、いろいろと好みが分かれてくるのかも知れません。
だけれども、そつなく、上手くまとめてくるあたりは、熟練の“職人技”というところかも知れません。
>これではアンサンブルを揃えるのが大変でしょうねえ。
そう、そうなんですよ。そこが心配で……。
しかし、楽団員が減らされた割には、デプリースト氏は次々と大曲をやらかしてくれます。ひょっとして、これはデプリースト氏なりの“意趣返し”なんでしょうか? (^_^;)