自衛隊のスクランブルが急増。とくに中国軍機の接近が増えていると発表。
しかし、スクランブル発進する基準となる「防空識別圏」というのは、領海・領空よりはるか遠方の公海上に日本が一方的に宣言しただけのもの。そこを超えてきたからといって、違法に侵攻している訳ではありません。
また、中国軍機が東シナ海の中国ガス田周辺で活動を活発化させているというけれど、じつは、日本側だって、中国側のガス田開発がどうなっているか、自衛隊機で偵察しているのです。それに触れないまま、中国側だけが偵察活動を活発化させているかのような発表の仕方(と、それをそのまま流すメディアの報道ぶり)は、情報操作だと言われても仕方ないのでは?
中国軍機の情報収集活発化、空自機スクランブル急増(産経新聞)
中国軍機の情報収集活発化、空自機スクランブル急増
[Sankei Web 04/20 22:12]自衛隊の統合幕僚監部は20日、平成17年度に日本領空に接近した国籍不明機に対し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した結果、中国軍の所属と確認された軍機の数が激増したと発表した。中国軍による活発な情報収集活動の実態を裏付けている。統幕が同日公表した「平成17年度スクランブル実施状況」によると、同年度のスクランブル実施総数は229回で、9年度以降最高となった。対象機の国別内訳は、ロシア機が例年並みの116回(前年度118回)だったが、中国軍機は107回で前年度の13回を大きく上回り、集計を始めて以来過去最高となった。
統幕の発表や空自などによると、活動を活発化させている中国軍機は主に海上哨戒機Y8Xや電子戦機Y8EWなどで、中国がガス田開発を進めている日中中間線付近から尖閣諸島北東方面の東シナ海空域で活動しており、「周回パターン」や「東西・南北の平行パターン」で飛行、情報収集を強化しているという。
こうした中国軍機に対するスクランブルは、17年度上半期(4?9月)が30回だったのに対し、下半期(10?3月)は77回と激増している。
さらに、領空に接近する動きを見せた中国軍機が、沖縄県那覇基地や宮崎県新田原基地からスクランブルした空自戦闘機が当該空域に達してパイロットが中国軍機を視認、識別してビデオ撮影などをする前に転進してしまうケースも増えているという。こうした傾向に空自幹部は「中国側が、これまでの空自機のスクランブルパターンや現場空域到達時間などのデータを収集、分析した結果かもしれない」と警戒を強めている。
統幕は20日の「スクランブル実施状況」の公表で、スクランブル機が撮影した中国軍機の写真やビデオ、スクランブル対象機の機種、航跡(飛行ルート)などについては「自衛隊の対処能力を明かすことになる」として公表を拒否した。
先崎一統合幕僚長は「なんらかの情報収集に関連した動きとみている」として今後も中国軍機の動向を注視する姿勢を示した。