りそな銀行が、サッカーくじを運営する独立行政法人「日本スポーツ振興センター」に、訴訟も辞さない構えで、未払いの委託料144億円を督促。
もともとサッカーくじは、余剰金からスポーツ振興費をひねり出すことを考えたものでしたが、売り上げの低迷で、スポーツ振興費の捻出どころか、委託料さえ支払えない状況に。このさい、サッカーくじは止めるしかないのでは?
りそな銀怒った、委託料144億円支払え
[日刊スポーツ 2006年4月20日8時17分]サッカーくじ「toto」を運営する独立行政法人「日本スポーツ振興センター」に対し、業務を請け負ってきたりそな銀行が、03年?04年度の未払いの委託料約144億円を求める最終督促状を送付していたことが19日、分かった。期限の5月中旬までに支払い計画が示されない場合、提訴も辞さない意向だ。同センターは06年度から直営方式に変更し売り上げアップを見込んでいるが、収支見通しはかなり甘い。保有する国立競技場売却まで迫られる恐れさえあるという。
りそなによると、督促状は5月中旬までに支払い計画が示されない場合、提訴も辞さないとする内容。144億円は03年度と04年度の未払い分で、05年度も含めると、最終請求額は約230億円に上る見込みだ。05年度の売り上げは過去最低の149億円。センターは年間売上高の1・5倍の債務を抱えた計算になる。
りそなは、旧大和銀行時代の01年度から昨年度まで、くじのコンピューターシステムの整備や宣伝などの業務を請け負っていた。しかし、販売低迷が続き02年度から04年度にかけて、総額約224億円の未払いが発生した。
りそなは、このうち一部返済を免除した上で144億円の支払いを求めて交渉を続けてきたが、解決の見通しが立たないため、最終通告に踏み切ったとしている。りそなは「(今年度からの)業務委託の解消と請求は関係ない。未払いのお金を払っていただきたい」。一方、センターは「今後の事業計画の中で返済できるよう、りそなと相談中。交渉決裂ではなく継続だと考えている」としている。
巨額負債は、センターの読みの甘さが生み出した。市場調査を基に年間2000億円の売り上げを見込みシステム設計。さらに販売、支払い、宣伝などをりそななどの下請けに出したため、420億円の売り上げがないと黒字にはならない体質だった。01年度こそ604億円を売り上げたが、以後は低迷の一途。未払い発生も当然の結果だった。
センターは今年度から販売業務などを直営に切り替え、経費削減を狙ったが、直営のための運営費として120億円を計上。売り上げの半分は払戻金のため、黒字のためには250億円が必要となっている。
センターは国立競技場なども運営するが、totoの損失を他事業で穴埋めすることは法律で認められていない。センターを所管する文部科学省は「サッカーくじ事業の経費はくじの売り上げで払うのが原則。(未払い金への)国費投入は考えていない」としている。関係者によると、最終的には国立競技場など保有資産の売却まで考えねばならないという。