先週の読売日響&バルシャイ指揮:ショスタコーヴィチ第5番に続いて、今日は、同じくバルシャイ指揮で、バルシャイ版のマーラー交響曲第10番を聴いてきました。
マーラー:交響曲第10番(ルドルフ・バルシャイによる2000年作・補筆完成版)
もともとマーラーの交響曲第10番は、全5楽章のうち、生前にほぼ完成していたのは第1楽章のみ。第2楽章以下は、マーラーの残した自筆譜に、いろいろ補筆して「完成」させたもので、ちまたで一番流布しているのは、イギリスの音楽学者デリック・クックによるもの(クック版)。プログラムノーツによれば、バルシャイ版も、クック版をベースとして大幅に手を加えたものであるとのこと。
そういうこともあって、もともと10番は、なんとなく“まとまり感”に欠けるところがあって、手許にあるインバル指揮、フランクフルト放送交響楽団による演奏(マーラー交響曲全集のなかの1枚。これはクック1976年版による演奏)も、どうもよく分からない。マーラーらしくないというか、統一的なイメージがわかないというか、全体構造が見えないというか、ともかく居心地が悪いのです。