より高く買わせたいからでしょ?

阪神電気鉄道の株式を買い占めている村上ファンドが、村上氏を含む9人を取締役に選任するよう要求していたことが明らかに。もし、9人が選出されれば、村上ファンドが経営陣を握ることになります。

といっても、投資ファンドが赤字私鉄の経営を本気で狙っているとは考えにくい。阪急に、より高い価格で株を引き取らせたい、そのための駆け引きというのが本当のところでしょう。

村上ファンド、阪神に株主提案 村上氏自ら乗り込む構え(朝日新聞)

村上ファンド、阪神に株主提案 村上氏自ら乗り込む構え
[朝日新聞 2006年05月02日]

 阪神電気鉄道の株式を買い占めて筆頭株主となった村上世彰氏率いる投資ファンド(村上ファンド)は2日、取締役の過半数を村上氏本人をはじめ村上ファンドが推薦する人物に替えるよう求める株主提案を阪神経営陣に提出したことを明らかにした。6月29日に予定される阪神の株主総会で認められれば、村上ファンドは名実ともに経営権を握ることになる。一方、阪神と阪急ホールディングス(旧阪急電鉄)は2日、阪急が村上ファンド保有の阪神株を取得して経営統合を目指す計画を改めて確認。阪急は阪神と連携しながら村上ファンドとの交渉を続ける方針を表明した。
 株主提案で村上ファンドは、村上氏をはじめ同ファンドの中核であるM&Aコンサルティングの役員や社員8人に、阪神の現社外取締役で住友銀行(現三井住友銀行)元副頭取の玉井英二氏を加えた計9人を取締役候補とするよう要求。阪神の取締役は現在16人で、株主総会で可決されれば村上ファンドが推薦する取締役が過半を占めることになる。
 また、阪神経営陣が自ら株主総会で取締役の人数を8人に減らし、村上氏と玉井氏を含めて取締役候補の過半となる計5人を村上ファンドの推薦人物にする選択肢も示した。
 村上ファンドは「社外取締役という立場から阪神の経営を監視し、企業価値・株主価値向上の最大化を目指す」としている。
 阪神も同日夜、縄田和良専務が記者会見して提案内容を明らかにした。縄田氏は村上ファンドの推薦人物に玉井氏が含まれていたことに「驚天動地の思い」と不快感を示し、株主提案に対しては「(村上ファンドは)純投資といっていたが、目的が経営支配になったということで大変重く受け止めている」と話した。今後は、村上ファンドに詳細な説明を求めたうえで、対応を正式決定する考えだ。
 阪神は、村上ファンドが阪神に求めてきたプロ野球球団・阪神タイガースの株式上場や不動産の価値向上策に対して「当社の経営方針と相いれないもので、現実的とはいえない」と反論。鉄道・不動産・百貨店などの各事業を一体的に経営することが企業価値を向上させるとの考えを示し、阪急との経営統合を進める考えを強調した。
 阪急は、同日発表したコメントで「株主総会で可決されれば、阪神は村上ファンドに経営権を奪われる」との懸念を表明。会見した野崎光男・人事総務部長は、村上ファンド保有の阪神株を取得する交渉を継続する方針を再確認し、「ねばり強く(阪急・阪神の統合で)企業価値が向上することを説明したい」と話した。阪急は当初、5月19日の予定だった06年3月期決算の発表を阪神と同じ17日に変更しており、この日を当面の目標に早期決着を目指す模様だ。

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