「日経新聞」5月2日付の国際欄に、ハーバード大学名誉教授エズラ・ボーゲル氏のインタビューが載っています。(聞き手は、ワシントン実哲也記者)
「心配しているのは、韓国や中国で反日の気持ちが強くなっていることと、これに反発することが日本でも強くなっていること」「それぞれの世論が強硬になっていることが、一つ一つの問題の解決を難しくしている」というボーゲル氏は、問題解決には何が必要か、との質問にこう答えています。
互いの国の世論のことをもっと考えることだ。そこから始めないと、東シナ海のガス田開発などの個別の紛争も解決しない。カギを握るのは、やはり靖国神社の参拝問題だ。
……参拝をやめることで、日本は隣国の人の気持ちを考えていることが伝えられる。
また、「日米関係が良いほど中間とも良好な関係を築ける」という意見に対しては
日米協力のみで、日本と中韓との関係が良くなるとは思わない。日中の首脳が会わないのは極めて危険なことだ。先月の米中首脳会談は、新しいことが決まったわけではないが、丁寧に政策や課題を話し合ったことは意味があった。中国が会談を拒否しているというが、靖国問題での言動を見ると、日本側も本当に会うことを重視しているのか疑問だ。
※引用は、「日本経済新聞」2006年5月2日付第6面「東アジア情勢 ハーバード大名誉教授ボーゲル氏に聞く」から。