韓国の京畿道(キョンギド)平澤(ピョンテク)市では、米軍基地の拡張に反対する大規模な集会が開かれました。
平澤基地は、世界的な米軍再編の一環として、ソウル市内の竜山(ヨンサン)基地の返還、その他の基地の統廃合の代わりに、在韓米軍基地の拠点として拡張されるもの。土地売却を拒否した住民との対立が強まっています。
米軍移転反対4000人集会 韓国北西部、機動隊と衝突(西日本新聞)
米軍移転反対4000人集会 韓国北西部、機動隊と衝突
[2006/05/15付 西日本新聞朝刊 2006年05月15日00時08分]【平沢(韓国北西部)14日共同】韓国北西部の平沢にある米軍基地を拡張し、ソウルの竜山基地などを移転・集約する計画に反対する市民団体や学生ら約4000人が14日、警察当局の警告を無視して移転予定地付近で集会を強行した。
平沢の基地周辺には1万8000人以上の機動隊が配置され、基地に近づこうとする集会参加者ともみ合いになるなど衝突、5人が軽傷を負った。
移転計画は盧武鉉政権の進める「自主国防」路線と世界規模の米軍再編が合致したもので、米韓両政府は竜山基地の2008年末までの移転で合意している。
韓国政府は今月初旬に土地売却を拒む反対派住民との対話をいったん打ち切り、4日に予定地に立てこもる反対派を強制排除、対立が激化した。今月だけで反対派と警察側の双方で200人以上が負傷、反対派600人以上が連行された。
政府側が「不法な暴力集会は軍法を適用し厳しく取り締まる」とけん制しているのに対して、反対派は13日にもソウル中心部で6000人規模の集会を開くなど事態打開の兆しは見えていない。
竜山基地の移転で米軍の首都駐留が終わるが、反対派は、拡張後の基地が対北朝鮮攻撃や朝鮮半島外の有事の際の展開拠点になるとして徹底抗戦の構えをみせている。
米軍再編反対でデモ・集会 国防相辞任要求も 韓国
[asahi.com 2006年05月13日20時38分]在韓米軍の移転をめぐる反対運動に、韓国政府が手を焼いている。新たな米軍拠点となる京畿道(キョンギド)平沢(ピョンテク)で政府が4日、反対派を強制排除したが、警官隊にもけが人が続出。反対運動は鎮まる気配がなく、13日も各地でデモが相次いだ。14日には現地で大規模な集会が予定され、再衝突の可能性も出ている。
13日、ソウル市中心部で開かれた反対集会。数千人が移転反対と政府の強硬策を批判、最前線で対応に当たる尹光雄(ユン・グァンウン)国防相の辞任を叫び、警官隊とにらみ合った。
平沢基地の拡張は日本などに先駆けた世界的な在外米軍再編の一環。ソウル中心部を占拠してきた竜山(ヨンサン)基地を返還、中小基地を統廃合する代わりに、韓国政府が平沢に11.5平方キロを提供し新たな米軍拠点とする在韓米軍再編の核心だ。
しかし、土地の売却を迫られた一部住民が反発。そこに反米を訴える急進的な労組や学生団体が入り込み、抵抗を続けてきた。政府は「拡張は対米公約」と説得を続けたが、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権自体が元々反米の波に乗って誕生した事情もあり、反対派膨張に歯止めをかけられずじまいとなった。
焦る政府は4日、強制排除に出たが、応戦を禁じられた警官隊が逆に襲われ、反対派を上回る100人以上がけが。「対応が甘い」との批判を浴びることになった。
反対派のほとんどは住民以外の労働・学生団体関係者で「勢力拡大に利用している」と世論の批判も大きいが、強制排除後も「韓国の地を米国に渡すな」と反米感情をあおり、勢いは衰えない。
再編計画と米韓関係への影響を気にする政府は12日、韓明淑(ハン・ミョンスク)首相が暴力デモの自制と衝突回避を訴える談話を発表したが、反対派は14日に平沢基地周辺で数千人規模の集会を強行する姿勢を変えていない。政府は軍や警察を大量投入して阻止する構えだ。
テチュ里で4000人集会…衝突には発展せず
[東亜日報 MAY 15, 2006 03:10]「平澤米軍基地拡大阻止全国民対策委員会(全対委)」が14日、警察の源泉封鎖にもかかわらず、米軍基地移転予定地である京畿道平澤市彭城邑(キョンギト・ピョンテクシ・ペンソンウプ)テチュ里で大規模な集会を強行したが、憂慮された衝突は起きなかった。
平澤全大委とデモ隊は、テチュ里への集結がままならなくなると、米軍基地移転予定地の近くである彭城邑ポンジョン里とテチュ里平和芸術公園の2ヶ所で同時に集会を開催した。
テチュ里の住民と全大委の所属員など、100人あまりは同日午前テチュ里平和芸術公園で「平和農業実現に向けた全国民大会」を開催した。
段炳浩(タン・ビョンホ)、権永吉(クォン・ヨンギル)、千永世(チョン・ヨンセ)議員など、民主労働党議員6人と、ヨルリン・ウリ党の林鍾仁(イム・ジョンイン)議員が全国民大会に参加し、米軍基地移転を再検討すべきだと訴えた。
韓国大学総学生会連合(韓総連)と全国民主労働組合総連合の所属員などデモ隊4000人あまりは、同日の朝からテチュ里への進入を試みたが、警察の阻止で頓挫した。デモ隊は、彭城邑ポンジョン里の道路で警察とにらみ合ったまま、8時間ほどデモを繰り広げた後、午後4時半ごろ解散した。
警察はデモの過程で暴力を行使した容疑で36人を連行しており、警察2人とデモ隊3人が怪我をし、近くの病院で手当てを受けている。
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