今週の「九条の会」(5月20日まで)

各地の「九条の会」の活動を、インターネットを流れるニュースから拾っています。今週は、憲法記念日の取り組みがいろいろあった直後なので、ニュースは少なめだろうと思ったのですが、けっこうたくさんあって、びっくりしました。(^_^;)

平和主義の大切さ訴え 大津で平和フェスタ 鶴見俊輔さんが講演
[京都新聞 2006年5月20日(土)]

 高島、堅田、志賀の九条の会メンバーらは20日、改憲への動きに反対する「平和フェスタ」(同フェスタ実行委員会主催)を大津市和迩高城の和迩文化センターで開いた。九条の会の呼び掛け人の1人で、哲学者の鶴見俊輔さん(83)=京都市在住=が講演した。
 「私の根」と題して話した鶴見さんは「敵国でもないポルトガル領に住む男性を、兵隊以外の人に薬を渡す余裕がないから、と殺す命令をした軍人がいた。日本の戦争は正しくない、と思った」と、旧海軍に徴兵された太平洋戦争時代の思い出を振り返った。その上で、「なぜ戦争という判断を(政治家が)したのか、その疑問が(九条の会への)出発点」と話し、平和主義の大切さを訴えた。
 会場には約350人(主催者発表)が訪れ、メモを取るなどしながら、鶴見さんの話を熱心に聞き入っていた。この日はビデオ上映会やコンサートもあった。

三重大、三重短大生の8割超 憲法九条改正に「反対」
[中日新聞 2006/05/19]

 平和憲法を考える学生サークル「みえヤング九条の会」が16、18の両日、津市の三重大と三重短大で憲法九条改正に賛成か反対かを問う街頭調査を行った。8割超の学生が「反対」とした。
 会は昨年11月、若者の立場から憲法を考えようと三重大、三重短大の学生を中心に発足。11人がスタッフを務める。
 調査は、学生に憲法改正問題に目を向けてもらおうと企画。賛成、反対と区分けした大きなボードにシールをはってもらい、意識を調べた。
 16日に三重大、18日に三重短大の生協前で約1時間、学生たちに投票を呼び掛けた。三重短大では、学生が次々と足を止めてボードの前で思案。「戦争は嫌い」「平和が一番」などの理由で反対する学生が多く、「憲法が変わればいまの日本が変わるかも」と賛成する学生もいた。
 結果は605人中、537人が反対、65人が賛成、どちらとも言えないが3人。代表の鈴木結子さん(三重短大2年)は「反対が多く、平和への意識を感じられた。ただ、九条が何か知らない学生もおり、今後の活動の参考になった」と話していた。 (矢野修平)

改憲反対署名 大月町(高知)で過半数
[2006年5月19日(金)「しんぶん赤旗」]

 高知県大月町の「おおつき九条の会」(横井渉代表世話人)は十八日までに、憲法改悪反対・九条守れの署名を三千百三十五人分集め、有権者の53・9%となりました。同会は結成から約半年、有権者過半数を全国で初めて(今年三月)達成した隣の土佐清水市に次いでの過半数達成となりました。
 同会は、横井代表を先頭に世話人など役員が地域に入り署名を訴えたり、集落の知人に取りまとめを依頼するなどしてきました。五回のいっせい統一行動もおこないました。
 一軒一軒を訪問し、一人で千人を超える署名を集めた役員、積極的に署名を集めた元町幹部職員について、無所属の町議から「私のところにも署名に来ていた。あんなことやる人とは知らなかった」と驚きが語られたりしています。
 同会の安田勝事務局長代理は、過半数達成について「きびしいけどやってみようというのが最初の思いでした。ひと区切りついたということでこれで終わりではありません。たとえ国民投票があっても住民が誤りない判断をしてくれるよう、さらに宣伝、学習などでがんばる決意です」と話しています。

 おおつき九条の会 人口、六千八百十七人、町内三十八地区の大月町で、昨年十二月四日に結成、県内で三十三番目の発足。結成総会では柴岡邦男町長が来賓あいさつし、所谷孝夫・元県農協中央会長が「私の戦争体験」を報告。世話人に町連合婦人会長、元町長、元町幹部職員、地区長四人など、幅広い人が選ばれました。

講演:「禅宗の反戦について」 総持寺・老師と宗師が27日/神奈川
◇鶴見の喫茶店で
[毎日新聞 5月18日朝刊 5月18日13時1分更新]

 曹洞宗大本山「総持寺」(横浜市鶴見区)の中井省悟老師(57)と丹下覚元宗師(29)が27日、同区内で「禅宗の反戦について」と題し講演する。主催する「東台・中台地区憲法9条の会」の高木七郎さん(63)は「2月に中井老師らに講演してもらい、好評だったので続編の形で企画した。禅宗がどのように修行し、平和を考えているか、分かりやすく話してもらえる。憲法9条に関するフリートークも行う」と話している。
 総持寺は全国から集まった200人余の修行僧がいる。「副寺(ふうす)」と呼ばれる指導者でもある中井老師は「以前から曹洞宗は人権問題と取り組んでいる。『地元に開かれた禅宗』の意味からも、枠にとらわれない活動の一環として参加する」と説明する。
 さらに自らの戦争観について「殺生をしない、というのは宗教の基本的な考え方。戦争は殺し合いであり、先の戦争でも若い僧侶らが出征し犠牲になった歴史がある」と話す。
 中井老師らによる“反戦法話”は喫茶店キオラ(鶴見区東寺尾中台)で午後2?4時。会費は500円(コーヒー代込み)。問い合わせは高木さん。【網谷利一郎】

福井空襲を知っていますか 20、21日に越前市でパネル展と食体験
[中日新聞 2006/05/16]

 憲法九条を守る活動を展開している越前市の市民団体「武生『九条の会』」は20、21の両日、同市新町のショッピングセンター「シピィ」で「福井空襲を知っていますか?空襲展と戦時中の食体験」を開く。入場、試食とも無料で申し込み不要。
 憲法改正の動きが高まる中、戦争の恐ろしさを知ってもらい命や暮らしの原点を見つめ直してもらおうと、福井市の「平和文化史料館ゆきのした」などと協力して企画した。
 ゆきのしたのメンバーが史料を調べ、取材して描いた1945(昭和20)年7月19日の福井空襲時の再現図など約20枚を展示。憲法に関するビデオを上映して関心を高めてもらう。
 20日午後3時からと、21日午後2時から戦時中の食生活体験として、大根めし、すいとんの試食会を開く。20日午後2時から人形劇、同日午後3時30分からは「武生センター合唱団WITH」による「うたおう会」もある。(村瀬力)

輝け!憲法9条平和のつどい:澤地さん講演や合唱――和歌山
◇「改憲反対」2000人のつどい
[毎日新聞 5月14日18時1分更新]

 改憲の動きに反対しようと、「輝け!憲法9条平和のつどい」が13日、和歌山市小松原通1の県民文化会館で開かれ、「九条の会」のメンバーで、ノンフィクション作家の澤地久枝さんが講演した。集まった市民ら約2000人が耳を傾けた。
 「憲法九条を守るわかやま県民の会」など45団体が共催。澤地さんは旧満州(中国東北部)で終戦を体験し、著書に「妻たちの二・二六事件」などがある。「九条の会」は、改憲に反対する大江健三郎さんや加藤周一さんら識者が呼びかけ、04年に結成。澤地さんはメンバーとして、執筆活動の合間を縫い、全国各地で精力的に講演活動を続けている。
 「憲法九条は未来への人と人の絆(きずな)」と題して講演。澤地さんは、小泉純一郎首相をはじめとした政府の米国への追従姿勢を批判。「教育基本法の改定や共謀罪成立の動きなど、私たちの大事な憲法が周辺からむしばまれている。狙われているのは憲法9条。一人一人の力はささやかだけど、力を合わせて9条を支えていかなければならない」と団結を呼びかけた。
 講演の前には、和歌山ぞうれっしゃ合唱団のメンバー約200人が、戦時中に軍部が進めた動物処分政策から生き残ったゾウをテーマにした合唱曲「ぞうれっしゃがやってきた」を披露。歌声を通して平和の尊さを訴えた。【岸川弘明】

9条対決討論会:白熱 護憲派、世界に誇れる/改憲派、現実とは矛盾――芦屋/兵庫
◇4テーマ、500人が聴き入る
[毎日新聞 5月14日16時2分更新]

 憲法改正問題で、護憲派、改憲派の立場で意見を交わす「9条対決討論会」が13日、芦屋市業平町の芦屋市民センターで開かれた。市民ら約500人は、護憲派の「9条は世界に誇れるもの」、改憲派の「9条と現実は矛盾している」などといった活発な意見交換に聴き入った。【服部陽】
 市民団体「芦屋『九条の会』」が主催した。昨年5月、同市在住の大学教授や作家らで結成され、学習会や講演会を開催してきた。今回は、1年間の活動の集大成として企画した。
 この日は、護憲派として、▽ジャーナリストの大谷昭宏さん▽元社民党党首の土井たか子さんの2人が参加。これに対し、改憲派は、▽京都大大学院教授の中西輝政さん▽弁護士の徳永信一さんの2人が意見を述べた。
 4つのテーマで討論を繰り広げ、「戦後60年間の平和と9条の評価」では、土井さんが「もし9条がなかったらベトナムやイラクに戦争に行って犠牲者が出ただろう。国際交流の土台に9条があったから他国との信頼が築けた」と主張した。一方、中西さんは「日本が戦後、平和を維持できたのは日米安保で米軍の強大な抑止力があったから。9条は現実と異なり、戦後日本人の負の遺産。改憲こそが、中国などの脅威に対する抑止力になる」と訴えた。
 また「アジアの平和と憲法9条」では、大谷さんが「北朝鮮や中国は安全装置を外したピストルをいつでも日本に向けているような状態。9条で安全装置を付けている日本の方が平和を訴えるのに説得力がある」。これに対し、徳永さんは「丸腰と最初から見られたら何も説得できない。現実に目を向け、有事の際の切り札を持つべき。守るのは日本の平和で平和憲法ではない」と話した。〔5月14日朝刊阪神版〕

山中・比叡平九条の会:あす、音楽とお話のつどい――大津/滋賀
[毎日新聞 2006年5月12日]

 大津市の「山中・比叡平九条の会」は13日午後7時から、憲法9条について考える「音楽とお話のつどい」を同市比叡平3の市民センターで開く。同会は、思想、信条や立場などの違いを超えて憲法9条を守ろうと、同地区の住民らで昨年11月、結成された。
 つどいでは、「滋賀九条の会」の呼びかけ人の1人で、元日本キリスト教団堅田教会牧師の川端諭さんが「平和を創(つく)る」をテーマに講演するほか、元京都市交響楽団ビオラ奏者の有馬佳寿子さんが演奏を披露する。
 問い合わせは、同会の南出さん。【高田房二郎】

奈良宗教者九条の会:宗派超え「改憲反対」――20日設立/奈良
[毎日新聞 2006年5月10日]

 憲法9条の改憲に反対する県内の宗派・教団の宗教者80人が呼びかけ、「奈良宗教者九条の会」を結成する。20日午後1時半から、奈良市登大路町の県中小企業会館で、設立総会を開く。
 04年に作家の井上ひさしさんら著名人9人が出した「九条の会」アピールをきっかけに、県内の宗教者で準備会を作り、賛同を求めてきた。仏教、キリスト教、天理教など、それぞれの教義・精神に従って、憲法9条を守る世論を広げるのが目的。大野玄妙・法隆寺管長や佐伯快勝・西大寺宗務長らが呼びかけ人となり、代表世話人には工藤良任・般若寺住職▽桑山大祐・浄土真宗本願寺派僧侶、社福法人こぶしの会理事長▽高見敏雄・日本基督教団西大和教会牧師▽清水貢・元天理高野球部監督が就任予定。
 設立総会に続いて、宗教者の全国組織「宗教者九条の和」呼びかけ人の宮城泰年・本山修験宗宗務総長(京都市、聖護院門跡)が、「憲法九条と周辺問題」と題し記念講演する。参加自由、無料。【松本博子】

それから、これは報道記事ではありませんが、「毎日新聞」大分支局長の藤井和人さんが、各地の「九条の会」の動きについて、「弊紙も含め中央メディアは、この動きをほとんど黙殺してきた」と反省の弁を述べられているもの。「永田町の動きに目を奪われ『改憲』を既成事実化していないか」「護憲を訴える人々を『守旧派』だと冷笑する向きも」あるが、それらは「目線が高い」。もっと「目線を低く」したいということです。メディアの現場にいる人の率直な発言として、とても大事だと思いました。

目線を低く/大分(毎日新聞 地域ニュース 5/3)

目線を低く/大分
[毎日新聞 2006年5月3日]

 交通事故、災害、病気、生活苦による自殺??さまざまな原因で父親を失った中学生や高校生たちが先週の日曜日、大分市の街頭で「あしなが募金」への協力を求めていた。春の一日、本当なら家族や友達と楽しい時間を過ごしたいだろうに、声を振り絞って「進学の夢」を訴えていた。
 心ばかりの小銭を託して考えた。子供たちにこんな苦労を強いる理不尽、社会悪と闘うことが新聞の仕事。その最たる敵は「戦争」ではないか。国が勝とうが負けようが、敵味方を超えて無数の遺児を生む。今の憲法の下で60年、一人の戦死者も遺児も生まなかったことは日本の誇りだ。
 その平和憲法を変えようという動きが急。「社共」の凋落で国会は改憲派が大多数を占めるに至った。しかし昨年5月の毎日新聞の世論調査では9条「改正」に62%が「反対」と答えた。「積極的な国際貢献を」「北朝鮮や中国をどうする」。改憲を叫ぶ政治家は勇ましいが、いざという時に血を流すのは誰なのか、見抜いている人は多いようだ。
 憲法の理念を守ろうと「九条の会」が2年前に生まれた。呼びかけ人は井上ひさし▽梅原猛▽大江健三郎▽奥平康弘▽小田実▽加藤周一▽澤地久枝▽鶴見俊輔▽三木睦子??の9氏、いずれも日本を代表する知性だ。ミニ「九条の会」も全国に5000近く誕生、大分も25団体に及ぶ。
 でも弊紙も含め中央メディアは、この動きをほとんど黙殺してきた。9氏には取材や寄稿依頼でさんざんお世話になってきたのに。永田町の動きに目を奪われ「改憲」を既成事実化していないか。護憲を訴える人々を「守旧派」だと冷笑する向きも。目線が高い。
 憲法記念日のきょう大分市でも午前10時から県教育会館で「平和憲法を守る会」がある。元首相の村山富市さんらに加えて湯布院「亀の井別荘」当主の中谷健太郎さんや、薬害エイズ問題などに取り組む弁護士の徳田靖之さん、国東の住職の無着成恭さんも呼びかけ人に名を連ねる。市民グループ「名もなきひとむれ」の集いも午後1時半から大分駅前で。「護憲」は特定政党の専売特許ではない。
 私も行きたいがきょうは弊社主催「全国大学選抜相撲宇佐大会」。いや相撲も今や国際色豊か、立派な平和運動だ。五輪憲章がいう通り平和でなければスポーツは成り立たない。世界の力自慢が、角界に集うこともない。<大分支局長・藤井和人>

今週の「九条の会」(5月20日まで)」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 日本国憲法2.0開発部 − 改憲か護憲か?

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