自民党・小泉チルドレンの杉村太蔵議員が、5月10日付のブログで、他人の自伝をパクっていたことが発覚。
現在は盗用部分はすでに削除されていて、ただ「本気で死にたくなるほど悩んでいた」とだけ書かれていますが、「本気で死にたくなるほど悩んでいた」人間がそのことについて他人の自伝を盗用しますかねぇ…。
太蔵ブログ、代々木ゼミ講師の自伝と酷似
[日刊スポーツ 2006年5月23日10時42分 紙面から]自民党の杉村太蔵議員(26)のブログ(日記風サイト)の一部が、代々木ゼミナール人気講師・吉野敬介氏(39)の自伝に酷似していることが22日、明らかになった。杉村氏は結婚前日の5月10日のブログに、19歳のころ真冬の大雪山で自殺を試みて失敗したという体験を書いた。15年前に出版された吉野氏の自伝にも雪山で自殺を図る体験が書かれ、「風邪を引くから」と断念する結末はそっくり。元暴走族の吉野氏は「オチまでパクるとは。ふざけるな」と怒っている。
杉村氏に、また騒動が持ち上がった。杉村氏が結婚前日の5月10日に書いたブログに、元暴走族特攻隊長の予備校講師・吉野氏が激怒している。
問題のブログは、10日午後11時32分にアップされた。「独身最後の夜です。」で始まり、冒頭部分で19歳の時の自殺未遂について触れた。それによると、「本気で自分が嫌いだった」杉村氏が真冬の大雪山に行き、凍死を図った。雪の上に寝て「静かに死を待った」が、あまりに寒くて、1度車に戻った。再び外に出たが、やっぱり寒くて「これじゃー風邪引いちゃうよ」と文句を言いながら帰ったという内容だ。
このブログが、吉野氏の自伝「やっぱりおまえはバカじゃない」(小学館文庫)のエピソードに酷似している。自伝によると、吉野氏は19歳の時、長野・志賀高原で凍死しようとした。雪の中で眠ろうとしたが「あまりに寒いから、いったんクルマのなかに戻って暖をとる」。何度か試みるうちに「風邪ひいちゃう。死んじゃうと思って『やっぱりやめた』とアパートに帰った」という内容だ。雪の上で寝て凍死しようとする部分や、寒くて車に戻った部分、結局「風邪を引くから」と帰った部分などがそっくりだ。
日刊スポーツの取材に応じた吉野氏は「これさ、志賀高原が大雪山に代わっただけだよね。まったく同じ。曲がりなりにも国会議員でしょ、公人でしょ。使うな、とは言わない。ちゃんと筋道通してあいさつに来い」と話した。吉野氏の自伝は91年に最初に出版され、98年に文庫になった。吉野氏によると、代々木ゼミナールの生徒が昨年11月、杉村氏が開催したニートらとの対話集会に参加。そこでも、この自殺未遂エピソードを話していたという。
吉野氏は「オレは自分のつらい体験談から、死ぬ気になれば何でもできる、笑い話にして生徒たちに伝えたかった。それがオチの『風邪ひいちゃう』までパクるとはね。民主党の永田さんは例のメールを本物と信じて問題起こしたけど、杉村さんは確信犯じゃないか。とことん話したい。顔出せ」と怒りは収まらなかった。
杉村氏の事務所では22日、「(本人は)地方に公務に出ており、連絡がつきません」と話した。
で、結局、本人が盗作を認め、ブログから削除したそうな。
杉村太蔵議員、ブログで他人の自伝を盗用
[NIKKEI NET 2006/05/23 14:14]昨年の衆院選で初当選した自民党の杉村太蔵衆院議員(26)は23日、自身のブログ(日記風簡易型ホームページ)の書き込みで、大手予備校講師が出版した自伝の一部を盗用していたとして該当部分を削除した。同議員は10日のブログに、19歳のころ真冬の雪山で自殺を図ろうとしたという内容を書いたが、この部分が予備校講師の自伝と酷似していた。事務所によると、杉村議員は盗用の事実を認め、「(作者に)不快な思いをさせて申し訳ない」と釈明しているという。
で、これが問題の5月10日の記事。現在はすでに盗用部分は削除されています。
で、こっちがGoogleのキャッシュに残っていた元々の記事。赤文字にした部分が問題の盗作部分です。
2006年05月10日 23:32
独身最後の夜です。
静かです。
テレビも消し、ラジオも消し、電気も全て消して。
本当に静かです。今日を人生の大晦日といっては大袈裟でしょうか。
そして明ける5月11日を新たな人生の元旦としてはやっぱり大袈裟でしょうか。26年と数ヶ月に及ぶ平均的な独身時代の幕が静かにおりようとしています。
今日まで育ててくれた父と母。
思い出しますね。
19歳の頃。
本当にこの男は腐ってました。本気で自分が嫌いだったし、何度も死のうと思った。死のうと思って真冬の大雪山に車で行って、それで凍死を試みましてね。それで車から降りて雪の上に寝て、じっと静かに死を待ったわけですよ。それでもあまりに寒くてね、死ねなかった。しょうがないから車に戻って、少しあったまってからもう一度死のうと思って外に出たんですがね、やっぱり寒くて、「これじゃー風邪引いちゃうよ」とか文句を言いながら帰ったのを昨日のことのように覚えています。今考えたらおかしな話ですよね。死のうと思って来ているのに、風邪を引くも何もないだろうという感じですわね。時間が経って振り返って、何であの時、あんなことで悩んでいたんだろう?ということは枚挙に暇がないわけですが、それが青春というものでしょうか。
青春は得てして暗いものです。
やりたいことは山ほどある。しかし金がない。貯めようと思ってバイトをしてもなかなか貯まらない。貯まらないどころか、なぜか親からの借金だけが膨らむ。まさに不良債権であります。
(ちなみに杉村太蔵の不良債権、いったんは焦げついたのですが、ここにきて返済可能と判断されたらしく、法定金利を上回るペースで返済しております)
一方、無い金に反して売るほどあるのは時間であります。
青春は得てして暇なものであります。暇だから余計なことを考え、余計なことで頭を抱え、常識や過ぎ去った大人たちには到底理解できない行動をとる。まさに僕の青春時代は父と母の理解を越えるものでした。
本当にご心配をおかけしました。
そんな僕もいよいよ明日、家庭を持ちます。
二人で力を合わせて、世の中の荒波大波にもまれながらも、とにかく笑顔、いつも前向きに、辛いことがあっても、悲しいことがあっても、言われなき誹謗中傷にあっても、とにかく二人で力を合わせて、元気で精一杯、明日に向かって生きていきたいと思います。そしていつか授かった子どもが、僕たち二人の子どもでよかった、そう言ってもらえるような、そんな家族を築いていきたいと思います。
僕も本当に良かったと思う。
自分の父と母があの二人で。
他の変な大人じゃなくて本当によかった。
まじめで誠実で、ただただひたすらに僕たちを育てるためだけに時間とお金を費やしてくれた二人、僕がどんな落ちこぼれ、腐り、引きこもり、反抗し、壁に穴を開けたときも、殴り合ったときも、車をぶつけたときも、それでも見捨てずによく育ててくれたと思う。僕が国会議員になったとき、その感想を母に聞くと、
「フリーターだろうが、国会議員だろうが、私の息子に変わりはないわ」
そう言ってくれたのが、本当に、何ていうか、嬉しくて、嬉しくて。寝ます。
独身最後の夜です。
どんな夢を見て寝ましょうか。では。
杉村太蔵