「毎日新聞」の調査によれば、「愛国心」を通知票の評価項目にもりこんでいる公立小学校が、埼玉県で52校、他に、岩手、茨城、愛知にもあることが明らかに。
小泉首相は、前日、教育基本法の国会審議のなかで、共産党の志位委員長の質問に対し、「評価するのは難しい。あえてこういう項目を持たなくてもいいのではないか」と答弁していました。
愛国心:通知表評価項目に 埼玉で52小学校、愛知も(毎日新聞)
愛国心:通知表評価項目に 埼玉で52小学校、愛知も
[毎日新聞 2006年5月26日 3時00分]「国を大切にする」などの「愛国心」表記を通知表の評価項目に盛り込んでいる公立小学校が埼玉県で52校に上り、岩手、茨城、愛知県にもあることが毎日新聞の全国調査で分かった。教育基本法改正案を巡る国会審議で、小泉純一郎首相は「愛国心があるかどうか、そんな評価は必要ない」と答弁したが、学校現場は既に評価へ踏み出し、全国に広がる気配だ。【まとめ・井上英介、高山純二、高本耕太】
埼玉県内の52校の所在地は▽鴻巣市▽行田市▽熊谷市▽深谷市▽騎西町▽寄居町。茨城県内は常陸大宮市と牛久市、阿見町、愛知県は北名古屋市、岩手県では大船渡市と釜石市で「愛国心」を盛り込む事例があったが、各県での総数は不明だ。
「愛国心」表記の通知表が見られるようになったのは、学習指導要領が02年度に改定され、小学6年社会科に「我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにする」などの目標が設定されて以降といわれる。
埼玉県行田市では市立小全16校中14校が、現行学習指導要領の施行と同時に、通知表の6年生社会科の観点別評価項目の一つに盛り込んだ。実際の記載は「わが国の歴史と政治、および国際社会での日本の役割に関心を持って意欲的に調べ、自国を愛し、世界の平和を願う自覚を持とうとする」。担任が3段階で絶対評価する。
現行指導要領は、小6社会科の学習目標のひとつに「国を愛する心情を育てるようにする」とうたっている。通知表は校長の権限で作られ、学校ごとに異なるが、14校は事前に定めたひな型に沿って同一の表現にした。ある校長は「愛国心というより学習の意欲や態度を評価する項目だ。指導要領にも沿っており、問題はない」と説明する。
だが、52校の中には削除を検討している学校もあり、校長たちの足並みはそろっていない。
寄居町のある小学校の通知表の記載は「我が国の歴史に関心を持ち、それを意欲的に調べることを通して、歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を持とうとする」。
これについて、昨年7月赴任した現校長は「前校長が作ったので経緯は分からないが、どういうことを『国を愛する心情』というのか判断が難しい。あいまいな部分は分かりやすく変える」と語り、現在作成中の06年度の通知表で「愛国心」を削除する考えだ。
通知表の「愛国心」評価を巡っては、福岡市では02年度に市立小の約半数にあたる69校で実施したが、市民団体が反発し、03年度から削除された。
国会では24日に福岡市の事例が取り上げられ、小泉首相は評価の必要性を強く否定。小坂憲次文部科学相も、野党側の「内心の自由を侵害する」との追及に「子どもの内心に立ち入って(愛国心があるかどうか)評価するものではない」と慎重な答弁を繰り返した。
全国調査では、福岡市のほか、福井県内でも「愛国心」評価が一時期実施されていたことが分かった。他の都道府県は「把握していない」「調査していない」などと回答した。▽大田尭・東京大名誉教授(教育学) 一番の問題は、学習指導要領が「国を愛する心情を育てる」ことを目標に挙げている点だ。愛国の情は個々人で違っていてもよく、評価するのは不自然。心情を画一評価することは内心の自由を侵すことになり、内面の画一化につながる恐れもある。教育基本法が改正されると、愛国への心情評価が合理化されるのではないか。
教育基本法改正案:愛国心教育、小泉首相「評価必要ない」(毎日新聞)
教育基本法改正案:愛国心教育、小泉首相「評価必要ない」
[毎日新聞 2006年5月24日 21時22分]教育基本法改正案は24日の衆院教育基本法特別委員会で実質審議が始まり、「愛国心」をめぐる表現や、教育現場への影響を中心に議論が行われた。政府案に盛り込まれた「我が国と郷土を愛する態度」を養う教育が、内心の自由への侵害に当たるとの懸念を野党各党が示したのに対し、政府は「子どもの内心に立ち入って(愛国心があるかどうか)評価するものではない」(小坂憲次文部科学相)などと慎重な答弁に終始した。
02年度から小中学校で導入された現行学習指導要領に基づき、福岡市内の小学校のほぼ半数に当たる69校で、6年生の社会科の通知表に「愛国心」を3段階で評価する項目が設けられた。市民団体が反発し、03年度はいずれも削除された経緯がある。
志位和夫氏(共産)がこの通知表のコピーを示し、評価の是非をただすと、小泉純一郎首相は「評価するのは難しい。あえてこういう項目を持たなくてもいいのではないか」と答弁。保坂展人氏(社民)の質問にも、小泉首相は通知表の例を挙げ、「小学生に対して愛国心があるかどうか、そんな評価は必要ない」と述べ、評価は不要との認識を示した。
また、藤村修氏(民主)が「我が国を愛する態度」の具体的な指導方法を尋ねると、小坂文科相は、日本の歴史の中で貢献してきた偉人について学ぶことなどを挙げ、「基本的に現行の学習指導要領から大幅に変更するものではない」と述べた。
河村建夫氏(自民)の質問にも小坂氏は「(伝統や文化などへの)関心、意欲、態度を総合的に評価するもので、子どもたちの内心に立ち入って評価するものではない」と答弁。内心への介入や強制ではないとの見解を繰り返し強調した。【長尾真輔】
あの小泉総理ですら「必要ない」と言っている
「愛国心3段階評価」を、
小学生に対していまだに行なっているところがあると知り、
正直驚いてしまいました。
この件につきましてはうちのブログでも取り上げましたので、
よろしかったら読んでやってくださいませ↓。
http://imadegawa.exblog.jp/2300700/
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