前後の文脈がよく分かりませんが、1972年夏に、日中国交正常化のために田中角栄元首相が訪中を決めたことを知ったとき、キッシンジャー大統領補佐官(当時)が「あらゆる裏切り者の中でも、ジャップが最悪だ」と発言していたことが、米公開文書で明らかになったというニュース。
田中角栄氏にしてみれば、米国が日本の頭越しに中国との国交回復をしたから、それに従ったまでのことだったんでしょうが…。
キッシンジャー氏、田中元首相をジャップ
[日刊スポーツ 2006年5月26日18時35分]ニクソン米大統領の中国訪問など70年代の米外交政策を主導したキッシンジャー大統領補佐官(後に国務長官)が72年夏、田中角栄首相が訪中して日中国交正常化を図る計画を知り「ジャップ(日本人への蔑称(べっしょう))」との表現を使って日本を「最悪の裏切り者」と非難していたことが、26日までに解禁された米公文書で分かった。
キッシンジャー氏の懐疑的な対日観は解禁済みの公文書から既に明らかになっているが、戦略性の高い外交案件をめぐり、同氏が日本に露骨な敵がい心を抱いていたことを明確に伝えている。日米繊維交渉などで険悪化した当時の両国関係を反映しており、70年代の日米関係史をひもとく重要資料といえる。
文書はシンクタンク「国家安全保障公文書館」が国立公文書館から入手。26日の公表前に共同通信に閲覧を認めた。
ハワイで日米首脳会談が行われた72年8月31日付の部内協議メモ(極秘)によると、キッシンジャー氏は部内協議の冒頭で「あらゆる裏切り者の中でも、ジャップが最悪だ」と発言した。
続けて、中国との国交正常化を伝えてきた日本の外交方針を「品のない拙速さ」と批判し、日中共同声明調印のために田中首相が中国の建国記念日に合わせ訪中する計画を非難。首相訪中に関する日本からの高官協議の申し入れを拒否したという。
またフォード大統領訪日を直前に控えた74年11月12日付の国務省会議録(秘密)によると、国務長官も兼務していた同氏は省内会議で田中首相について「日本の標準に照らしてみてもうそつきだ」と言明した。
今回判明した発言内容に関し、キッシンジャー氏は共同通信の取材に応じていない。