東響第536回定演 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番1&交響曲第7番“レニングラード”

東京交響楽団第536回定期演奏会

一日じとじと雨が降る中、夕方からサントリーホールで東京交響楽団の定期演奏会に行ってきました。プログラムは以下の通り。

 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77
 ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ハ長調 op.60 “レニングラード”

もちろんオール・ショスタコーヴィチのプログラムも期待ですが、お目当ては何よりヴァイオリン・ソリストの川久保賜紀さんを愛でること。(^_^;)

で、東響は、やっぱり一番安心して聴いてられますね。大化けしないかわりに、ずっこける心配もなくて、演奏が始まるときにハラハラする必要がありません。でもその分、今日みたいなプログラムだと、ちょっと物足りないかも…。川久保さんのヴァイオリンも、もう少しがめつくやってもよかったんじゃないかというと、望みすぎでしょうか。

後半の第7番では、第1楽章の“侵略の主題”で、始まりのピアニシモのところは、さすが東響!という感じでしたが、その後、だんだんと音量を増して、迫ってくるところになると、もっとグロテスクにやってほしかったという感じです。

それと、プログラムノーツについて。たとえば第7番の第2楽章では、「楽しい出来事や過去の喜びを想起させる」というショスタコーヴィチの言葉を引いた後、「クライマックスをなす中間部は騒がしい喜びにみちている」と書かれていますが、その喜びの裏に不気味さや不安が聞こえてくるところが、ショスタコーヴィチらしいところではないかと思うのです。そのあたり、もう少し丁寧な紹介がほしかったなという気がします。

あと、一番の問題はお客さん。オール・ショスタコーヴィチ、そして前半40分、後半70分という“重厚長大”なプログラムに、明らかに途中で耐えきれなくなってました。後半第1楽章が、強烈な破壊的なイメージで終わった直後、キタエンコが指揮棒をおろした瞬間に、音楽のイメージを味わう余裕もなしにホール中がゴホンゴホンという咳払いがあふれかえったのに、まず唖然…。その後は、曲の途中でもざわざわ、がさがさ…。傘を転かしたり、チラシを落としたり、なんでこんなに騒がしいんだ、と呆れるほど。

終わってみたら「長かったわねぇ?」とか「疲れたわねぇ」という会話が聞こえてきました。確かに、6時開演で終わってみれば8時半を回っていて、長かったのは長かったですが、でもそんなの、演奏前から分かってることだろ!ってツッコミたくなりました。

ま、お美しい賜紀さまのご尊顔を拝しただけで、十分満足すべきなんでしょうけどね…。(^_^;)

【演奏会情報】
指揮:ドミトリー・キタエンコ/ヴァイオリン:川久保賜紀/コンサートマスター:大谷康子/ゲスト主席チェロ奏者:ピーター・バラン/会場:サントリーホール/開演:18時

追記:
一昨日、新日本フィルのコンサート会場で、6月21日のサントリー・シリーズのチケットを買ったのですが、よく考えてみれば、プログラムが今日とまったく同じ。ヴァイオリンは渡辺玲子さんですが、期せずして聞き比べになってしまいそうです。(しかし、こっちは19時15分開演。終わりは何時になるんだろう…)

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