今週の各地の「九条の会」の活動をインターネットのニュースから拾いました。
- 宗教者9条の会・大分:憲法9条、宗派を超えて守ろう 県内の宗教者が会結成/大分(毎日新聞 5/27)
- 「豆腐」通じて憲法考えよう 神戸の父親らが「9条の会」結成(神戸新聞 5/26)
- 愛敬浩二氏講演会「いま、憲法が危ない!」(朝日新聞 5/25)
- 加藤周一さん、九条改憲をけん制(中国新聞 5/23)
- 戦争のない平和な世界を 越前市、福井市で悲惨さ伝える(中日新聞 5/21)
宗教者9条の会・大分:憲法9条、宗派を超えて守ろう 県内の宗教者が会結成/大分
[毎日新聞 5月27日15時1分更新]◇無着成恭さん記念講演
宗派を超えて憲法9条を守ろうと、「宗教者9条の会・大分」(世話人会代表=日野詢城・見成寺住職)の結成式が26日、大分市のコンパルホールであった。
仏教、キリスト教の住職、牧師ら計約120人で発足。式に先立ち、生活文集「山びこ学校」で知られる国東市の泉福寺住職、無着成恭さんが「憲法って何(な)ん!?」と題して記念講演した。無着さんは長年の教員生活を振り返り「憲法がすごいということを生徒に教えてきた。憲法改正に賛成すれば、おれは生徒に全部うそを教えてきたことになる」と語った。
戦争は罪悪だと伝えるのが宗教者の責務とした上で、9条を守る一点で連帯を求める、とのアピールを採択した。【藤原弘】
「豆腐」通じて憲法考えよう 神戸の父親らが「9条の会」結成
[神戸新聞 2006/05/26]「ほろよい気分で憲法を語ろう」と呼びかける畦布さん(中央)=神戸市中央区東雲通3 晩酌にビールと冷ややっこを味わうささやかな楽しみを、再び戦争の惨禍によって奪われることを拒否します-。豆腐を通じて、暮らしと憲法の関係を考えようと、町の父親たちが「とうふ連9条の会」を立ち上げた。神戸市中央区の市勤労会館で二十七日、結成集会がある。「お気に入りのつまみを片手に、お気軽に」と呼びかけている。(木村信行)
発起人は、日本機関紙協会兵庫県本部の畦布(あぜふ)哲志さん(58)。
組合活動で長年、護憲運動に取り組んできたが、自衛隊のイラク派遣の際、小泉首相が理由として憲法前文を読み上げるのを聞き、「あ然とした。全身の力が抜けました」。理屈ではなく、身近な問題として憲法を考えようと仲間と議論。「要するに、冷たいビールに冷ややっこ、ネギのみじん切りと新鮮なかつおパックがあるのが、平和な社会ではないのか」。一気に盛り上がった。
会員資格は「9条を守り、平和な社会を目指すすべての人」。集会を兼ねた不定期の飲み会を開く予定で、会員には、豆腐のキャラクターを描いた「トウちゃんシール」を郵送。神戸市中央区の三宮料飲組合(約百店)も「トウちゃんの店」として参加、会員証を見せると一部の店でおつまみのサービスがある。
結成集会は午後五時。入会金は千円。日本機関紙協会兵庫県本部TEL078・232・3715
加藤周一さん、九条改憲をけん制
[中国新聞 ’06/5/23]平和憲法を守ろうと、「九条の会」の呼び掛け人の一人で、医学博士で評論家の加藤周一さん(86)の講演会が二十一日、下関市大学町の市立大学であり、学生や市民約七百人が聞き入った。
「私たちの希望」をテーマに、加藤さんは二度の世界大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争の現実から「平和を望めば戦争を準備せよ、という格言は誤り」と強調。「平和を望めば、平和を準備しなさい。それが九条だ。戦争をしないために憲法九条は大切」と改憲の動きをけん制した。と同時に「今が分かれ道。改憲を止めない限り、私たちの希望はない」と訴えた。
九十分の講演の後、加藤さんは学生に向け「若い人は想像力を働かせ、意見を伝えるために積極的に発表してほしい」と呼び掛けていた。(岡村吉祐)
戦争のない平和な世界を 越前市、福井市で悲惨さ伝える
[中日新聞 2006/05/21]◇福井空襲を絵で表現 越前市
戦争の悲惨さを認識してもらう企画展「福井空襲を知っていますか?空襲展と戦時中の食事」が20日、越前市のショッピングセンター「シピィ」で始まった。21日まで。入場無料。
憲法九条を守る活動をする同市の「武生九条の会」が、福井市の「平和文化史料館ゆきのした」などと協力して企画した。福井空襲は第2次大戦末期の1945(昭和20)年7月19日深夜にあり、約1600人の命が失われた。
会場は、ゆきのしたの会員が空襲の様子を計30メートルのベニヤ板に表現した絵画がぐるりと囲んでいる。戦火から逃げる人や川でおぼれる人、遺体を前に立ちつくす人など、生々しい戦禍の状況を伝えている。実際に落とされた焼夷(しょうい)弾、戦時中の服や本、写真なども並ぶ。
初日から多くの人が訪れ、厳しい食料事情を感じてもらう大根飯やすいとんの試食、憲法のビデオ上映もあり、戦争の悲惨さを実感していた。
当時8歳だった武生九条の会の久津木俊樹座長は「武生からも福井の街が真っ赤に染まり、焼夷弾の光が散らばっていく様子が見えたのを今も覚えている。悲惨な体験があって、今の平和憲法が生まれた点を思い出してほしい」と訴えている。
21日は午後4時まで。すいとんなどの試食は午後2時からある。(村瀬力)◇ベトナム戦体験の米兵、悲惨さ訴える 福井市
ベトナム戦争時に米国海兵隊員として現地派兵されたアレン・ネルソンさん(58)=米国在住=が20日、福井市の県民会館で「子どもたちを戦場に送りたくない」と題した講演会を開き、自身の体験を基に戦争の悲惨さを訴えた。
福井たんぽぽの会と福井弁護士9条の会が、市民に憲法九条について考えてもらおうと企画。ネルソンさんは約400人を前に、出撃前に沖縄県内の米軍基地で人を殺すための訓練を積み重ねたと説明。現地での北ベトナム兵との戦闘や逃げまどう住民らの様子を切々と語った。
「腐乱した死体のにおいだけは絶対に忘れることができない」と強調したネルソンさんは、「日本は美しく力強い憲法九条があることで、どんな国や軍隊、兵器にも勝っている」と述べ、憲法改正に向けた動きに異議を唱えた。 (我那覇圭)