昨年1年間に自殺した人が3万2552人で、8年連続で3万人を超えたことが明らかに。
まず、交通事故死の何倍もの人が毎年自殺しているという事柄自体が異常。しかも、高齢者の自殺が多いのは相変わらずですが、それでも若干減ったのに対し、30歳代6.3%増、40歳代5.0%増など、働き盛りの自殺者が増えており、しかもこの世代では自殺理由として「経済・生活問題」が突出して多いというところに、いまの日本社会の歪みが表われていると思います。
自殺者、8年連続3万人超…30代は過去最多(読売新聞)
自殺、8年連続3万人超 経済が動機7756人(朝日新聞)
自殺者、8年連続3万人超…30代は過去最多
[2006年6月1日11時20分 読売新聞]昨年1年間の全国の自殺者は3万2552人で、8年連続で3万人を超えたことが1日、警察庁のまとめでわかった。
前年より227人(0.7%)増え、統計を取り始めた1978年以降、4番目に多かった。
このうち、全体の57%を占める50歳以上は前年より減ったが、30歳代は過去最多となるなど、働き盛り世代の増加が目立った。
性別では男性が72.3%を占めた。
動機は、景気が回復に向かっていることを反映し、借金苦などの経済問題は減った一方、健康や家庭問題は増加した。
年齢別では、50歳代が7586人(前年比2.4%減)、60歳以上が1万894人(同0.9%減)で、いずれも2年連続で減っている。
その一方で、30歳代は4606人(同6.3%増)、20歳代は3409人(同5.0%増)と増えたほか、19歳以下や40歳代も前年を上回った。
遺書があった1万360人の動機を見ると、1番目の「健康問題」が4145人、3番目の「家庭問題」が1011人で、統計のある98年以降最多となったほか、仕事の失敗など「勤務問題」も増加している。
これに対し、2番目だった「経済・生活問題」は3255人で、2年連続で減少した。
ただ40、50歳代は引き続き「経済・生活問題」が突出して多く、景気に明るさが見える一方で、所得格差も広がり、経済的に追いつめられる中高年の苦しみが数字に反映している。
一方、小中学生は73人で前年より8.8%減ったが、高校生は215人で5.4%増えた。
インターネットを通じて知り合った人同士の集団自殺は91人で、前年に比べて36人増えた。
自殺、8年連続3万人超 経済が動機7756人
[asahi.com 2006年06月01日11時40分]昨年1年間に全国で自殺した人は3万2552人で、前年よりも227人増え、8年連続で3万人を超えたことが1日、警察庁のまとめでわかった。統計を取り始めた78年以降で4番目に多い。動機では「経済・生活問題」が7756人で全体の約4分の1を占め、高い水準を維持している。
動機は遺書や生前の様子など家族らの証言をもとに分類したという。
負債や生活苦など「経済・生活問題」の自殺は90年代前半まで1000?3000人で推移していたが、経済成長率がマイナスに転じた98年に倍増し、以降は倒産や失業に絡む自殺が相次ぎ6000人を超え続けている。昨年は前年よりも191人減ったものの、4年連続で7000人を超え、景気回復が国民全体に浸透していないことがうかがえる。
動機別の最多は「健康問題」で、前年比228人増の1万5014人で全体の半数近い。「家庭問題」は3019人、「勤務問題」は1807人、「男女問題」は809人、「学校問題」は233人と続いた。
性別では男性2万3540人、女性9012人と男性が全体の7割を占めた。年代別では60歳代以上が最も多く3割を超える1万894人。次いで、50歳代が7586人、40歳代が5208人と、中高年が目立つ。19歳以下は608人で、小学生は7人、中学生は66人、高校生は215人だった。
遺書が残っている人の動機・原因を年代別でみると、19歳以下と30歳代、60歳代は「健康問題」、20歳代と40歳代、50歳代は「経済・生活問題」がそれぞれ一番多かった。