自民・公明与党が、民主党案を丸呑みするということで、一転、今日委員会採択かと言われた共謀罪ですが、民主党が採決に応じず、結局、今国会成立は見送りへ。
与党「共謀罪」の今国会成立を断念(読売新聞)
共謀罪、民主党は採決応じぬ方針(朝日新聞)
与党「共謀罪」の今国会成立を断念
[2006年6月2日13時49分 読売新聞]自民、公明両党は2日午前、国会内で国会対策委員長会談を行い、「共謀罪」を創設する組織犯罪処罰法改正案の今国会成立を断念し、継続審議とする方針を決めた。
与党は前日、民主党の要求を全面的に受け入れる方針を伝えていたが、民主党は2日午前の国会対策役員会で「与党の中で民主党修正案を成立させたうえで、次期国会で再改正を検討する案が出ているのはおかしい」として、衆院法務委員会での審議、採決に応じないことを決定。このため、与党は今国会成立は難しいと判断した。
与党の国対委員長会談では、公明党が「民主党案の丸のみ方針で党内で摩擦が起きている。採決は見送るべきだ」と提案し、自民党の細田博之国対委員長も基本的に了承した。公明党幹部は「法案は継続審議になる」と記者団に語った。
麻生外相は2日の閣議後の記者会見で、「(民主党案は)国際条約を批准するにあたって、その条件を満たしていない。批准はできない」と強調。同日の自民党総務会でも、民主党案受け入れに異論が相次いだ。
民主党の鳩山幹事長は同日午前、記者団に「(与党が)民主党案を丸のみするといっても、信じられない」と語った。民主党は4月に、対象を懲役5年超の国際的な犯罪などに限定する修正案を提出している。
共謀罪、民主党は採決応じぬ方針
[asahi.com 2006年06月02日13時24分]「共謀罪」創設を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案をめぐって与党が民主党の修正案をそのまま受け入れる方針を示したことに対して、民主党は2日午前の国対役員会で、衆院法務委員会での採決には応じられないとの方針を確認した。同委員会への民主党案提出も見送る。これに対し自民党の細田博之、公明党の東順治の両国対委員長は、民主党が対応を変えない限りは、継続審議もやむを得ないとの認識で一致した。
細田氏は「継続審議もあるか」との記者団の質問に「まあ、そうでしょう」と述べた。「民主党が出席しないのに民主党案を採決することはありえない」とも語った。
与党は今国会での成立をめざし、民主党案を受け入れることを決め、2日にも採決する考えだった。一方、民主党は、政府が「民主党案では国際組織犯罪防止条約を批准できない」としてきた国会答弁を修正することを採決の条件としていた。
この点について麻生外相は2日午前の記者会見で「民主党案では条約の批准はできない」との考えを改めて示し、「国際条約を批准することにあたっては(条件は)満たしていない」と語った。
小泉首相は2日、首相官邸で記者団に「執行部に任せている」と述べるにとどめた。自民党内では改正法成立後も批准に向けて、民主党との協議を続けるべきだとの声が出ている。自民党が再修正を前提としていることに、民主党内から「偽装丸のみだ」(国対幹部)との反発が出ている。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日午前、今国会での採決について「基本的には無理だ」と記者団に語った。渡部恒三国会対策委員長も同日午前の国対役員会で「話し合いに応じることは出来ない」として、2日の委員会審議には慎重に対応するよう、衆院法務委員会の平岡秀夫・民主党筆頭理事に指示した。
平岡氏は「批准はダメだと言われたら、採決の前提を欠く状況だ。『政府として努力する』というのが(採決の)前提だ」と話した。荒井聰国対委員長代理も同日の記者会見で今国会中の見通しを問われ、「今後の話し合いだけど、私の気持ちではぷっつり切れた」と不快感を示した。
なんにせよ、秋に予想される臨時国会まで期限が延びた訳だから、あらためて共謀罪の問題点をしっかり勉強し直そう。とくに、政府与党は「条約批准」を錦の御旗にしているから、国際組織犯罪防止条約が各国に何を求めているか、しっかり調べることにしたいと思います。
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