村上ファンド・村上世彰代表逮捕

本人は「ミスだ」と言っていますが、自分の方からライブドアに話を持ちかけて、ライブドアがのってきたことを確かめるとニッポン放送株を買い進め、結局は、売り抜けた訳ですから、むしろ「確信犯」(←誤用)でしょう。

「プロ中のプロとしてミス」村上氏、悔しさにじむ会見(読売新聞)

「プロ中のプロとしてミス」村上氏、悔しさにじむ会見
[2006年6月5日14時1分 読売新聞]

 「聞いちゃったから、仕方がない」――。ニッポン放送株を巡るインサイダー取引疑惑で、東京地検特捜部の強制捜査が迫る中、「村上ファンド」を率いる村上世彰氏(46)が5日午前、東京証券取引所で異例の会見に臨んだ。
 「僕が作ってきたものを全部失うのか」と悔しさをにじませつつ、ニッポン放送株の買い占めという内部情報を聞いていたことを認め、謝罪した村上氏。「村上という名前は二度と出ない」と、投資活動の一線から“退場”することを明かした。
 村上氏は午前11時前、グレーのスーツに水色のネクタイ姿で、東京証券取引所3階の会見室に登場。
 「(ライブドア側から)『ニッポン放送株いいな』という話を聞いちゃったことが、私にとってのインサイダーじゃないか、ということだった。そんなバカなと思った」。村上氏は東京地検が証券取引法違反容疑で捜査していることを耳にした時の心境をこう表現した。
 しかし、その後、「構成要件を考えると、証券取引法にかかるかもしれないし、かからないかもしれない」「(検察と)争い続けることが僕に投資してくれた人のためになるのか」と思い悩んだことを吐露。
 最終的に「認識が甘かった点について、私自身が罪を認めることが私のやるべきこと」と判断し、昨日、同地検に「検事さんのおっしゃる通りかもしれない」と容疑を認めたことを明かした。
 「証券取引のプロ中のプロとしてミスがあった。本当に申し訳ありません」。村上氏はそう述べて立ち上がり、2度深く頭を下げた。
 引き続いて、村上氏は自身の進退について言及。「私はこの世界に役所を辞めて飛び込んで、株式市場をまっとうにしていく人間と思っていた」とこれまでの活動に自負をのぞかせながら、「証券取引法という、証券取引の憲法のような法律を犯してしまった以上、この世界に居続けるのはおかしい」「基本的に今日をもってこの世界から身を引く」と“引退宣言”した。
 ただ、「私の持っていた会社は、もし、従業員が引き続きやっていただけるなら、株も含め全部譲ろうと思います」と、自身の投資ファンドの存続にこだわりも見せた。

今日の記者会見の全体は↓から。動画で見ることができます。
村上世彰代表の会見 全部見せます!(日テレNEWS24)

LD幹部も承知 村上氏からのニッポン放送株取得の提案(朝日新聞)

LD幹部も承知 村上氏からのニッポン放送株取得の提案
[asahi.com 2006年06月05日06時08分]

 村上ファンドのニッポン放送株をめぐる不正取引疑惑にからみ、村上世彰氏(46)がライブドア(LD)前社長の堀江貴文被告(33)に同放送株の大量取得を提案したことについて、複数のLD幹部らも把握していたことがわかった。LD元幹部が朝日新聞の取材に対して事実関係を認めた。資金の調達などをごく一部の幹部が担うほかは、堀江前社長が直接、極秘に村上氏と交渉を進めていたという。
 これまでの関係者などの話で、村上ファンド側は04年12月ごろ、堀江前社長に同放送株の大量取得を提案したことがわかっている。一方、村上ファンドは同月中に同放送株を買い増し、05年1月5日時点では発行済み株式の18.57%を保有する筆頭株主だった。
 LDがそのころから同放送株の取得を進め、その後株価は上昇。その最中に村上ファンドは保有株式の大半を売却し、2月末までに少なくとも100億円近い利益を得たとみられている。
 LD元幹部らによると、ニッポン放送株については堀江前社長と限られた幹部だけで担当していた。2月8日の役員会合で、村上氏側から大量取得の提案を受けたことが正式に報告された。その直後、LDは東証の時間外取引で同放送株を買い集め、保有比率を約35%に上げた。
 村上ファンドはそれを受け、保有株式を売却したとされる。元幹部らによると、LD社内では当初は村上ファンドは株を保有して協力してくれるととらえていたといい、売却が明らかになると、村上ファンド側に対する不信感が広がったという。
 堀江前社長は、村上氏との関係について記者会見など公の場で「友達で、よく一緒にご飯を食べている」などと親密だったことを自ら認めている。

「違法なことはしていない」 村上氏、聴取で容疑否認(朝日新聞)

「違法なことはしていない」 村上氏、聴取で容疑否認
[asahi.com 2006年06月05日06時07分]

 村上世彰氏が、東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、「違法なことはしていない」とインサイダー取引の疑いを否定していることが4日、関係者の話で分かった。
 村上氏は聴取の際、04年秋ごろからニッポン放送株を買い始め、外資を含めて色々な会社に対し共同買い付けをしようと言った、と説明した。ライブドア(LD)にも株購入を持ちかけたが、村上ファンドが買い集めるための援軍を募るという話にすぎず、「LDが5%以上買い集める資力があるとは思っていなかった」と述べたという。
 LDが、5%以上の同放送株を買うことを認識したのは「05年1月末」だったことや、2月3日には村上氏本人が社内に同放送株を買わないよう文書で注意喚起したことなども検察側に説明したという。

御本人は弁明会見で強く否定していましたが、こうなってみれば、シンガポール移転は、やっぱり、事前に捜査情報を入手して、シンガポールに逃げたということだったのではないでしょうか。しかし、ライブドア事件で検察がライブドア社のメールを全部押さえているので、逃げられないと思って帰国、むしろ潔く罪を認め、「ミスでした」という筋書きを描くことで、できるだけ罪を軽くして、何とかやりすごそうと考えたのでしょう。本人は「引退」を云々しましたが、他方で、訴訟になれば2年かかり投資家に迷惑がかかるとか、4000億円のファンドのうち1000億円ぐらいは抜けるだろうと言っていて、やる気満々。とても「引退」の言をそのまま受け止めることはできそうにありません。

それにしても貧乏くじを引かされたのは、阪急HDです。村上ファンドが出てこなきゃ、買わなくても良かった阪神株を、930円などという高値で買わされるハメになったのですから。しかも、村上氏が今日の記者会見で言っていたように、今回の事件でファンドから1000億円ぐらい抜け出る分の支払いに、阪神株の売却益を当てるというのだから、結局、阪急HDは事件の尻ぬぐいをさせられた恰好です。

あと、村上氏が登場する度に、わが母校が引き合いに出されるのが情けないというか恥ずかしいというか…。進学校といっても、あの学校の出身者が誰も彼もあんな人間だと言うことではありませんから、くれぐれも誤解のないようにお願いします。m(_’_)m

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