日銀の福井総裁が村上ファンドに1000万円拠出していた問題で、多い年には年間で数百万円の運用益を得ていたことが明らかに。
庶民は、0.001%の普通預金金利、つまり1000万円を1年間預けて、ようやく100円の利息しか付かないというご時世に、金融の元締めたる日銀総裁が私募ファンドで数百万円も儲けていたとは…。
多い年で利益は数百万…村上ファンド拠出で福井総裁(読売新聞)
多い年で利益は数百万…村上ファンド拠出で福井総裁
[2006年6月16日12時26分 読売新聞]日本銀行の福井俊彦総裁は16日午前の衆院財務金融委員会に参考人として出席し、「村上ファンド」に自らが1000万円の資金を拠出していた問題で、99年に運用委託契約を結んで以降、多い年で年間数百万円の運用益が出ていたことを明らかにした。
1000万円の元本が2005年末でどこまで膨らみ、それまでの運用益がいくらだったかについては、20日までに国会に資料を提出する考えを表明した。
日銀のゼロ金利政策によって、預金者が1000万円を普通預金に預けても年間で多くても数千円の利息しか受け取れないような状態が続いている。野党側は「超低金利下で預金者はわずかな利息しか得られていなかった」などと福井氏への批判を強めているだけに、今後、波紋を呼ぶ可能性がある。
福井総裁は答弁で、1000万円の運用委託で得た年間利益について、「非常に幅があるが、少ない時には数十万円単位、多い時で数百万円単位だった」と説明した。福井総裁は、毎年の納税額についてはこれまでに、「数十万円」としていたが、運用益に関しては具体的な言及をしてこなかった。
福井総裁は今年2月に村上ファンド側に解約を申し出て、6月中に清算されると説明している。
また、福井総裁は、野党などから出ている辞任論について、「各方面からの批判をしっかりと受け止め、日銀総裁としての職責を全うして国民の信頼を得て参りたい」として、辞任する考えがないことを改めて示した。
この日の委員会では、野党だけでなく、与党側からも、日銀幹部の資産公開や資産運用ルールの見直しを求める意見も相次いだ。
このため、福井総裁は「時代の要請に即した正しいルールを探して打ち立て、きちんと示していきたい。規律を自ら強める方向で努力したい」と述べ、日銀の内規の見直しを早急に検討する考えを表明した。ただ、具体策については言及を避けた。