アメリカが対中政策を軌道修正するということなのだろうか…?
対中政策変化を象徴、ゼーリック米国務副長官が辞任(読売新聞)
対中政策変化を象徴、ゼーリック米国務副長官が辞任
[2006年6月21日1時40分 読売新聞]【ワシントン=貞広貴志】米政府で対中政策の立案・調整を担ってきたロバート・ゼーリック国務副長官が19日、辞任を表明した。
中国を「責任あるステークホルダー(利害関係者)」とすることにエネルギーを傾注した副長官の退場は、中国に対し再び距離を置きつつあるブッシュ政権の対中政策を象徴するものとなりそうだ。
「(2期目のブッシュ政権で)われわれが必要とした副長官は、ワシントンでは私の代わりを務めることができ、時にはパンダをも抱ける(対中関係を構築できる)人物だった。大統領と私は、ゼーリックしかいないことで合意した」。ライス国務長官は19日の辞任発表で、副長官が今年1月の訪中で生後5か月のパンダを抱き、相好を崩した写真が広く報じられたエピソードを踏まえ、ゼーリック氏が特に対中関係で果たした役割をたたえた。
ゼーリック副長官が昨年9月の講演で提唱した「ステークホルダー」論は、米国と共通の利益を持つ責任大国としての役割を求めたものだ。
元国家安全保障会議アジア部長のジェフリー・ベーダー氏は、「ステークホルダー論を、今や国防総省が戦略文書で採用し、大統領も繰り返し言及している。大統領の新政策はトップダウンが普通で、異例の展開だった」と述べ、政権内で足並みの乱れも目立った対中政策をひとつの概念でまとめ上げた手腕を評価した。
だが、4月の米中首脳会談では、イランや北朝鮮問題で共通の「利害」を打ち出せず、国防総省は5月に公表した中国の軍事力に関する年次報告書で、中国の軍拡が「地域の軍事バランスを変える」危険を指摘するなど、ブッシュ政権は最悪の事態に備えた対策をあらかじめとる戦略へと傾斜している。
カーネギー研究所の中国専門家マイケル・スウェイン氏は、「ゼーリック副長官と側近が国務省を去ることで、ステークホルダー路線が中断する」と懸念する。