今日は都響の定期演奏会ということで、昨日に続けて、またまたサントリーホールへ。
プログラムは、モーツァルト生誕250年にちなんだもの。普段はマーラーやブルックナー、ショスタコーヴィチばかりを聴いている僕からすると、モーツァルト・プログラムだとまずチケットは買わないのですが、こういうのをたまに聴くというのも、定期会員ならではの楽しみかも知れません。
モーツァルト:ノットゥルノ(セレナーデ第8番) K.286(269a)
チャイコフスキー:組曲第4番 ト長調 「モーツァルティアーナ」 op.61
≪休憩≫
イベール:オマージュ・ア・モーツァルト 「ロンド」
モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K.543
1曲目の「ノットゥルノ」は、旧全集ではセレナーデ第8番と呼ばれていたもの。舞台には、弦楽5部+ホルン2でワンセットの小オーケストラが4つのっかっていて、それらが輪唱のようにメロディーを引き継ぎながら演奏するという、ちょっと変わった曲です。
2曲目は、チャイコフスキーが、モーツァルトの優れた小品をもっと紹介したいということで作った編曲作品。第1曲「ジーグ」は、ピアノのための「小さなジーグ」K.574(1789年作曲)の編曲。第2曲「メヌエット」は、後期のピアノ作品K.355(576b)を管弦楽化したもの。第3曲「祈り」は、モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の編曲。第4曲「主題と変奏」の原曲は変奏曲K.455で、この原曲自体が、18世紀の作曲家クリストフ・グルックのオペラ「メッカの巡礼」の中の「愚かな民が思うに」を主題としてモーツァルトがつくた変奏曲です。
後半の1曲目は、フランス人のイベールが、1956年に、モーツァルト生誕200年にちなんで委嘱された作品。わずか5分程度の短い、テンポの速い曲ですが、現代曲ふうなところとモーツァルトふうなところが入り交じった不思議な作品でした。
しかし、正直言って、小オーケストラ4群の輪唱ふうの演奏というのは、確かに変わってはいますが、しかし、それぞれの編成が小さいので、音楽的な変化が限定されるので、輪唱が2巡か3巡もすれば、飽きてきます。(^_^;) チャイコフスキーの作品も、“誰でもできるモーツァルト風”という感じで、やっぱりワンパターン。それに比べると、3曲目のイベールの作品の方が、よっぽど楽しめます。
で、最後の交響曲第39番ですが、いかにも“モーツァルト風”というものとは、やっぱりスケールが違います。都響の演奏は、第1楽章の出だして、ちょっとばらけた感じがしましたが、途中からしっかり立て直してきて、最後の3大交響曲の構成力、充実感をしっかり堪能させていただきました。
明日は、読響&アルブレヒトのブルックナー交響曲第8番ということで、今日は、ショスタコーヴィチとブルックナーに挟まれて、まあちょっと“忙中閑あり”という感じ。お気楽に楽しませていただきました。(^_^;)
【演奏会情報】指揮:ジョアン・ファレッタ/ソロ・コンサートマスター:矢部達哉/演奏会:2006年6月22日 サントリーホール 19:00開演