25日、日曜日、サントリーホールで、大友直人指揮によるシェーンベルク「グレの歌」を聴いてきました。「グレの歌」を生で聴くのは初めてだったので、期待して出かけてきました。
ホールに入ってまず驚いたのは、オケの人数の多さ。サントリーホールの舞台は、確かにそんなに広くはありませんが、その舞台からこぼれ落ちそうなぐらいにぎっしり椅子と譜面台が並べてあって、マーラー以上と言われているのはなるほどだなぁと思いました。
で、演奏の方ですが、生で聴くのは初めてなので、ただただそのスケールのでかさに圧倒されるばかりでした。フルート8なんていう演奏は初めてだし、ヴァイオリンは第1、第2あわせて40人? それを2つどころか3つにも、4つにも分けて演奏するし、バス・トランペットとか、コントラバス・トロンボーンなんていうのの音を初めて聴きました。(^_^;)
音楽的には、第1部は、ワーグナー風に始まり、第3部にはいると、マーラー風かなと思っているうちに、無調的な部分が出てきたりして、けっこう楽しめました。シェーンベルクも、こんなだと大丈夫なんですけどねぇ… (^_^;)
ソリストも、トーヴェ役のグィネス?アン・ジェファーズさんは圧巻。それに、第1部の山鳩役の坂本朱さんと、第3部の農夫役の長谷川顕さんがよかったと思いました。それに比べると、主役のヴァルデマール(トーマス・ステュードベイカー)の声がしばしばオケに埋もれてしまったのがちょっと残念。もちろん、肉声で、100人以上のオケに負けるなというのは無茶な話だとは思うのですが…。
それにしても、よく分からなかったのは、結局、「グレの歌」ってどういう話だったんでしょう?
ヴァルデマール王は、もちろん妃がいた訳で、にもかかわらずトーヴェと相思相愛になって。で、妃が嫉妬からトーヴェを殺したというは分かるにしても、そのあとトーヴェが怨霊にでもなったんでしょうか? で、王の従者たちは悪霊と戦い、結局、朝の日射しとともに悪霊は消え去り、めでたしめでたし、ということだったんでしょうか? 妃は一方的に悪者にされてますが、考えてみたら、一番悪いのはヴァルデマール王なのでは? う〜ん、いまいちよう分からん…。(^_^;)
合唱団も大熱演でした。でも聴いている最中に、tやsの息のタイミングがバラバラなのが気になってしまいました。これは、別に東響コーラスが悪かったとかいう意味じゃなくて、クラシックの歌い方では、tやsの音のときに、かなり強く息を吐き出して発声しますよね。それだけに、タイミングがそろわないのが気になって仕方なかったということです。←これは、あくまで一般論ですので。
演奏会では、「グレの歌」に先立ち、最近亡くなられた岩城宏之さんと佐藤功太郎さんへの追悼のために、バッハのエアが捧げられました。「グレの歌」は、東響と京都市響の合同演奏だったのですが、岩城さんは京響の首席客演指揮者をつとめられているさなかの、また佐藤さんはかつて京響の常任指揮者だったそうです。あらためて、お二人に合掌。
【演奏会情報】
東京交響楽団第537回定期演奏会/シェーンベルク:グレの歌/指揮:大友直人/共演:京都市交響楽団/ヴァルデマール王:トーマス・ステュードベイカー(テノール)/トーヴェ:グィネス?アン・ジェファーズ(ソプラノ)/山鳩:坂本朱(メゾ・ソプラノ)/農夫:長谷川顕(バス)/道化師クラウス:吉田浩之/語り手:ヨズア・バーチュ/合唱:東響コーラス/合唱指揮:三澤洋史/コンサートマスター:大谷康子/開演:2006年6月25日(日)午後6時/会場:サントリーホール・大ホール
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初めまして、TBどうも有難うございます。
やはり歌は聴き取りにくかったのですね。
二日連続&移動には無理があったのでしょうかね?
そして私も「どう考えても王が悪い!」と、突っ込んでしまいました。
初めまして、トラックバックありがとうございます。
私が聴いたのは、初日の京都でしたが、ブログを読ませていただいた限りでは、2日とも同じようなできだったようですね。
どこかで『息切れ』と書かれているのも読みましたが(^_^;)。
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