今週の「九条の会」(7月15日まで)

各地の「九条の会」の活動を、インターネットを流れるニュースから拾い集めています。

白浜9条の会:戦争出前噺に聴き入る 設立総会に50人/和歌山
[毎日新聞 2006年7月15日]

 戦争の永久放棄をうたった憲法9条を守ろうと13日夜、白浜町十九渕、町立児童館で「白浜9条の会」の設立総会があり、50人が参加した。会則などを決め、みなべ町の本多立太郎さん(92)の「戦争出前噺(ばなし)」に耳を傾けた。

◇「憲法9条守る」県内で61団体目

 9条を守る草の根運動は、哲学者の梅原猛さん、ノーベル文学賞作家の大江健三郎さんら著名9人が04年6月、「九条の会」を結成したことが契機となった。「九条の会」事務局によると、今年6月10日現在、全国で趣旨に賛同した5174団体が発足。県内では「白浜9条の会」で61団体になった。
 「戦争出前噺」で本多さんは、兵士として戦場で九死に一生を得たこと、上官の命令で中国人を処刑したことなどを語り、「声をあげるべき時にあげないのは罪。次の世代が胸を張れる親であるべきだ」などと話した。【吉野茂毅】

釜石・艦砲射撃:発生61年 鎮魂のサイレン響く 郷土資料館では企画展/岩手

[毎日新聞7月15日朝刊 7月15日13時3分更新]

◇市民ら戦災被害語り継ぐ動きも

 釜石市は戦時中の第一回の艦砲射撃から61年となる14日、鎮魂の日を迎えた。
 市は正午に防災無線から弔いのサイレンを鳴らした。道路にたたずみ、手を合わせて黙とうする市民もいた。
 同市大渡町3の商店経営、佐々木東一さん(61)は今年も店の前のホテル敷地内にある聖観音像に花や果物を供え、サイレンと同時に黙とうをささげた。敷地の一角では1945年7月14日の艦砲射撃で製材所一家を含む11人が即死した。聖観音像はホテルの元経営者が25年前、慰霊のため建立した。
 佐々木さんは「艦砲の1カ月前に生まれ、戦後とともに年を重ねてきた。近所の人らもいつも拝んでいる」と鎮魂の日々を語った。
 この日は「いわて女性・9条の会」の千田ハルさんら市内の平和団体が市役所を訪れ、釜石艦砲戦災資料館の建設を要望した。合わせて正確な犠牲者名簿の作成と、沖縄県の「平和の礎」のように犠牲者の名を刻んだ記念碑の建立、戦争遺跡の保存も求めた。
 市郷土資料館では同日から企画展「釜石艦砲戦災展」が始まった。米英機動部隊の戦艦から釜石に向かって砲撃を加える米国立公文書館所蔵の写真5点を新たに展示した。8月27日まで。【鬼山親芳】

講演会:コスタリカの教授、「憲法9条の値打ち」――あす、大阪・北区/大阪

[毎日新聞7月12日朝刊 7月12日17時1分更新]

 軍隊を持たない中米の国、コスタリカから学ぼう――。来日中のコスタリカ大学教授、カルロス・バルガスさんによる講演会「憲法9条の値打ち」が、13日午後6時半から大阪市北区天神橋6の市立住まい情報センターで開かれる。
 「コスタリカの人々と平和を考える大阪の会」や「大阪弁護士9条の会」などが主催。コスタリカは憲法で常設軍を持たないことを規定し、永世非武装中立宣言をしたことで知られる。イラク戦争を支持した政府の判断について、憲法裁判所が違憲判決を出すなど、憲法を軸にした平和路線が徹底している。参加費500円。問い合わせは大阪中央法律事務所。

広島マスコミ九条の会がシンポ

[中国新聞地域ニュース 2006/7/9]

▽報道の責務を議論

 被爆地広島のマスコミ関係者でつくる「広島マスコミ九条の会」の結成1周年記念シンポジウムが8日、広島市中区の原爆資料館東館であった。自衛隊の海外派遣や在日米軍再編を踏まえ、平和憲法の空洞化やメディアの果たすべき責任について地元や沖縄のジャーナリスト、研究者が議論し合った。
 マスコミ関係者や市民約170人が参加。同会代表で前広島市長の平岡敬さん(78)はあいさつで「1999年の周辺事態法成立以降、マスコミは現状追認ばかり」とメディアとしての責任を問いかけた。
 続いて月刊誌「世界」の岡本厚編集長をコーディネーターに、浅井基文広島市立大平和研究所所長、諸見里道浩沖縄タイムス社編集局長、小野増平中国新聞社編集制作本部長らが意見を交わした。
 諸見里編集局長は「日本政府が沖縄を持ち出すときは小さな親切、大きな下心だ」と沖縄メディアの見方を紹介。浅井所長は地元の中国新聞の報道姿勢に対し、「ノーモア・ヒロシマは、ノーモア・ウオー(戦争)でなければならない」と強く求めた。
 小野編集制作本部長は「私たちをはぐくんできた戦後民主主義が否定されようとしている。これは大変なこと」として、憲法九条改正の動きに警戒感を示した。(滝川裕樹)

広島マスコミ九条の会 メディアが伝えること議論

[テレビ新広島 TSSスーパーニュース 7月8日(土)]

 改憲や米軍再編問題が注目される中、憲法9条を守ろうと広島のマスコミ関係者が集まり、メディアが今、伝えるべきことについて議論を交わしました。広島市中区で開かれたシンポジウムは、「戦争を起こしてはならない」と主張するジャーナリストらの集まり「広島マスコミ九条の会」が設立1周年を記念して開催したものです。
 始めに、会の代表者である平岡敬前広島市長が、「国民を戦争に駆り立てるのも平和に導くのもマスメディアである」とメディアの責任の重さを強調しました。続くパネルディスカッションでは、広島や沖縄のメディア関係者らが米軍再編問題について議論しました。パネリストから「今回の米軍再編は米軍が動きやすくなることが目的で、グアム移転などは決して国民の負担軽減のためではない」などとする意見が出されました。また、岩国基地の機能強化についても「これまで岩国周辺では基地問題に対する市民の声が比較的少なかったことに対し、メディアの責任も大きい」として今後も「憲法9条」を見つめ直した上で、報道していくことを確認しました。

教育の大切さ強調 反核法律家協会、バルガス副会長
[琉球新報 2006-7-4 9:43:00]

 国際反核法律家協会副会長のカルロス・バルガス氏を講師に招いた「PuraVida(楽しくやろうよ)、コスタリカ!脱・軍隊の挑戦」(ネットワーク九条の会沖縄、沖縄環境ネットワーク主催)が2日、那覇市古島の教育福祉会館で開かれた。講演会のほか、ワークショップが行われた。
 講演でバルガス氏は「(コスタリカで)軍隊を持たないのは、環境を大事にし、何よりほかの人の権利を大切にすることを子供たちに教える教育があったからだと思う」と教育の大切さを強調。「小、中学生でも政治に関心を持っている。わたしたちは政治的な知識や社会的責任のレベルが高い」と、コスタリカ人の政治に対する意識の高さを指摘した。
 沖国大ヘリ墜落現場や辺野古を1日に訪れた同氏は「辺野古で人権を守る運動を見て感銘を受けた。
沖縄戦を体験した沖縄が21世紀、日本を変える出発点になるのではないか。教育を重視し、先端になってほしい」と訴えた。
 佐藤学沖縄国際大学教授がコーディネーターを務め、バルガス氏、高良鉄美琉球大学法科大学院教授、桜井国俊沖縄大学長、詩人の高良勉さんをパネリストに座談会「脱・軍隊の挑戦コスタリカと沖縄」も開かれた。

9条を次代へ 各地で会続々/沖縄戦跡に碑計画・勉強会も

[沖縄タイムス 2006年7月4日(火) 朝刊 25面]

 護憲派による憲法九条の会が県内で続々と発足している。作家の大江健三郎さんらが2004年に設立した「九条の会」事務局(東京都)などによると、県内には発足準備中を含めると現在14団体が活動中で、昨年四月の2団体から7倍の急増。大学教授や市民、女性らを中心に、各地で学習会や講演会などを通して「平和」について理解と知識を深めている。(福里賢矢)

 同会によると、全国的に会発足が相次いでおり、05年4月は1280団体だったのが、ここ1年で4倍の5174団体に増えた。
 04年4月に発足した「はえばる九条の会」は、次世代に残すことを誓い「九条の碑」の建立を目指す。町内各家庭を回る募金活動やチャリティー公演で多くの協力が寄せられ、六月末までに目標額250万円をほぼ達成した。
 金城義夫会長は「戦争のあった地に九条の碑を建立し、世界に誇れる平和憲法をアピールしたい」と意欲を見せる。
 女性の立場から憲法九条を守ろうと今年2月に発足した「沖縄・女性九条の会」。会員は200人以上で、講演会などを重ねる。上原智子事務局長は「女性たちは戦争や基地に派生する事件・事故から子や孫を守りたいと切に願っている」と会員の気持ちを代弁する。
 「大学人九条の会沖縄」は憲法について、さまざまな角度から研究する学者のグループ。06年4月に発足し、シンポジウムなどを通して護憲の立場を発信している。
 沖縄戦の激戦地の1つ、那覇市首里にも住民が呼び掛けて06年4月に「九条の会首里」を設立。地域ごとに勉強会など数多く開き、草の根的な活動を目指している。
 そのほか、慰霊碑が多い糸満市は05年8月に発足。06年7月末にも宮古島市で九条の会が発足する。県憲法普及協議会長を務める琉球大学法科大学院の高良鉄美教授は、県内各地に広がる九条の会について「沖縄は地域でそれぞれ独特の戦争を体験している。各地域の住民1人1人が憲法を真剣に考える風潮は歓迎だ」と話している。

島根大で憲法9条を守る講演会
[山陰中央新報 2006/07/03]

 憲法9条を守ろうと、島根県内の「九条の会」などが主催した講演会が2日、松江市西川津町の島根大であり、東京大大学院の小森陽一教授が「ほんの少しの勇気を持ち、九条の大切さを周りの人に語っていこう」と訴えた。
 小森教授は、教育基本法改正や国民投票法、共謀罪の新設などについて「問題はすべて、戦力を放棄し、国の交戦権を認めない九条二項を変えることが前提にある」と指摘し、憲法改正の動きを問題視。
 過去の戦争がすべて「正義」を唱えて始まっているとした上で、与党の教育基本法改正案を「前文で『平和』を『正義』に変え、戦争する国を担う人材を作るための教育に180度変えようとしている」と批判した。
 また、緊急事態時に公の秩序を維持できる「自衛軍」の保持を認めた自民党の新憲法草案について「軍事裁判所の設置が記され、国民の自由や権利を公益と公の秩序に反しないよう義務付る、憲法上のクーデター」と表現。平和と9条を守る活動の重要性を訴えた。
 一般の学生約50人を含む市民約250人が参加。地元九条の会や職場組織35団体などでつくる実行委員会が主催した。

「九条成り立つ世界を」徳島で集い
[asahi.com 2006年07月03日]

 憲法9条の意義を国内外の知識人が語る「映画 日本国憲法」を上映し、米国人監督ジャン・ユンカーマンさん(53)が講演する集いが2日、徳島市内であった。九条の会徳島が「世界的な評価を知ることで平和憲法を見直してほしい」と主催し、約400人が参加した。
 映画は05年、日本国内の改憲論議に危機感を覚えて制作された。米国の日本史研究家ジョン・ダワー氏ら知識人12人に、憲法ができた経緯や9条の果たす役割をインタビューした。
 ユンカーマンさんは「ベトナム戦争時に初来日して日本の平和憲法に感銘を受けた。それがイラク派兵を契機に変えられようとしていることは残念。『戦争をしない国』というイメージは日本の財産」と話した。
 会場からは「日本の平和憲法を米国人は知っているか」「9条を守ると言うだけでなく、何をしたらよいか」などの質問が出され、ユンカーマンさんは「平和憲法が成り立つような社会、世界をつくることが必要だ」と答えた。
 「とくしま生協九条の会」メンバーの鳴門市瀬戸町、小畠洋子さん(51)は「監督の守りたいという強い思いを感じ、励まされた」。徳島市上助任町、病院職員塚玲子さん(25)は「9条を変えることは思った以上に重大な結果をもたらすと気付かされた」と話した。

ひと・はなし・交差点:足利・九条の会代表、采澤良浩さん/栃木
[毎日新聞 2006年7月2日]

◇「護憲」合言葉に集結??采澤良浩さん(47)

 作家の大江健三郎さんら憲法9条の堅持を訴える文化人グループの呼び掛けに応え、「足利・九条の会」が今年4月、発足。10代から80代まで、職業も信条もさまざまな約150人が「護憲」を合言葉に集まった。
 「改憲手続きを定める国民投票法案が提案されるなど憲法を巡る状況は、かつてなく厳しい」と現状を分析。「全国で5000を超える九条の会があるのに、その活動はほとんど表に出ない。一方、テポドン問題など国民の危機感をあおる情報はあふれている。恐ろしささえ感じる」と訴える。
 会の活動の中心は、月に2回のミーティング。戦争体験者を招いて話を聴くなどしてきた。8月6日には、同市民会館で「映画日本国憲法」(ジャン・ユンカーマン監督)の上映と座談会を開く予定だ。
 本職は、「繭(まゆ)玉市」で知られる古刹(こさつ)・徳正寺の住職。「環境保護の活動も九条の会も、私の中では『命を守る』という点で等価です」と話した。【太田穣】

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