イラクから撤退を開始した陸上自衛隊ですが、撤退発表の2日前に、地元ムサンナ州評議会議長らに書簡を送り、自衛隊宛に感謝状を送るように求めていたことが明らかに。
あ〜あ、情けない…
サマワ陸自 感謝状くれと“おねだり”
[スポニチ 2006年07月16日付]イラク南部サマワで約2年半にわたって復興支援活動を続けた陸上自衛隊が、地元ムサンナ州評議会の議長らに対し、感謝の手紙を書くよう求めていたことが15日分かった。アラビア語で記した書簡を送っていたもので、現地での評価を日本国内にアピールする狙いがあったとみられるが、結局、議長は手紙を書かなかった。
陸自は04年1月から派遣され、今月7日に部分撤収を開始した。隊員はイラクを順次離れて今月中にクウェートへの撤収を完了、帰国を目指している。
共同通信が入手した書簡は、小泉純一郎首相が陸自派遣部隊の撤収を発表する2日前の6月18日付。小瀬幹雄・第5次復興業務支援隊長が署名し、州評議会のドワイニ議長に送られた。
書簡は、陸自支援の成果を「派遣部隊員の奮闘の結果」と指摘した上で「陸自隊員を含む日本国民に、あなたの手紙を伝えたい」「あなたの手紙をいただきたい」などと要請。手紙は日本メディアを通じて公表されるとして「(陸自の活動に対する)あなたの心からの支持を多くの人々がはっきりと知ることができます」と、直接的な表現を避けながらも陸自に謝意を示す内容を書くように求めた。
陸自のイラク派遣は世論を二分したままの初の「戦地」派遣。治安維持には関与せず、給水、医療指導、道路修復などの支援活動をしてきたが、日本国内には「本当に成果があったのか」との疑問の声もある。現地の評価を日本国内にアピールしたいとの狙いが、感謝の“おねだり”になったとみられる。
結局、ドワイニ議長は「陸自側の要請の趣旨が(直接的ではなく)よく分からなかった」として感謝状を送らなかった。
一方、今月5日、宿営地を訪問し感謝状を手渡したサマワのマヤリ市長は「宿営地の通訳を通じて手紙を求められた」と説明した。
陸自派遣部隊広報は「要請したのは事実。(活動に対する)評価を対外的にアピールするためではなく、陸自隊員に何らかのコメントをもらえないかという意味合いだった」と話している。
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