今週の「九条の会」(7月23日まで)

 今週の各地の「九条の会」の活動を、インターネットを流れるニュースからピックアップしました。

 最初の記事は、姫路の空襲のさい、じつは姫路城の天守閣に不発弾が落っこちていたという話です。姫路城については、“姫路城は、米軍機が空襲のとき目印にするため、わざと姫路城を避けて爆弾を落としていった”といわれていたため、爆弾が落っこちていたという話は初耳です。

反射的に抱えた焼夷弾、細い階段リレー 不発弾処理した鈴木さん
[神戸新聞 2006/07/23]

 姫路空襲で、姫路城天守閣の不発弾の処理にあたった当時の見習士官、鈴木頼恭さん(81)=岐阜市=が二十二日、姫路城を訪れた。決死の覚悟で焼(しょう)夷(い)弾を担ぎ上げ、複雑な城内から運び出した当時の状況を振り返り、「危険を顧みず不発弾処理にあたった兵隊の存在を知ってほしい」と話した。
 鈴木さんは予備士官学校を卒業後、見習士官として二十歳で姫路に配属された。その後、大阪で不発弾処理の五日間の講習を受け、「即席」の専任の将校になった。
 七月三日の姫路空襲時は、部隊本部の当直司令として、兵士の避難や消火を指揮した。翌朝、姫路駅の不発弾を処理していると、部隊本部から「姫路城内に不発弾がある」との伝令を受けた。
 若い兵隊と二人で天守閣最上階に登ると、板間に百ポンド(約四十五キロ)焼夷弾が横たわっていた。実地経験を経て処理には慣れていたので、当初は安心したが、よく観察すると、信管の型が違い、処理の方法が分からなかった。
 「間違ってドカンとやってしまったら、城を燃やしてしまう」。鈴木さんは反射的に不発弾を担ぎ上げ、もう一人の兵隊とリレーして細く急な階段を下ろしていった。
 駆け付けた他の兵隊と交代で走り続け、城外の広場で爆破。途端に全身の力が抜け、その場にいた全員で大の字になって、たばこに火をつけた。
 鈴木さんは「途中で爆発するかもしれないと思うと、運び出している間の長かったこと。若さと責任者意識で動いたが、いまだったら尻込みするだろう」と振り返る。
 終戦後も不発弾処理の活動を続けた鈴木さんは、帰郷して小学校の教員となった。校長で退任後も児童文学の編集にかかわり、子どもたちに向き合い続けた。戦後六十年の昨年、児童文学研究会の機関誌に手記を寄せ、体験を初めて公表した。
 現在は「岐阜・九条の会」の世話人を務めるなど、平和運動にも力を注ぐ。
 「当時は、観光客がたくさん訪れている現在の光景など考えられなかった。やっぱり、平和がいい」。天守閣に目を細めながら、鈴木さんは感慨深げだった。

憲法九条から世界の平和を語り合う
[asahi.com マイタウン岐阜 2006年07月21日]

 ソンミ村から、憲法九条から世界の平和を語り合う 30日午後2時(同1時40分開場)、岐阜市金町5の市文化センター3階展示室。ベトナム戦争帰還兵のマイク・ベイムさんを迎え、アメリカの戦争と世界平和、憲法九条の意義について講演や討論会。参加協力費500円。問い合わせは教職員「九条の会」ぎふの石川さんへ。

「『ズッコケ三人組』と憲法」講演会
[asahi.com 2006年07月20日]

 20日午後7時、四万十町の十川小・中学校体育館。全50巻で完結した児童文学の人気シリーズの作者で被爆体験もある那須正幹さんが憲法や平和への思いを語る。無料。問い合わせは主催の「十和九条の会」(伊藤さん)へ。

高知平和美術展:平和を願って、作品126点展示――23日まで、県立美術館/高知
[毎日新聞 7月19日14時1分更新]

 平和への願いを込めた芸術作品を展示する第23回高知平和美術展が18日、県立美術館(高知市高須)の県民ギャラリーで始まった。23日まで。入場無料。
 美術家九条の会員ら県内の愛好家が出品。絵画や写真、彫刻など126点を展示している。高知空襲やイラク戦争を描いた絵画や、アフリカの貧しい村の子どもたちの写真など題材はさまざま。
 5月にイージス艦が入港した宿毛湾を描いた山下正寿さんの絵画はふすまに描いている。キャンバスが手元になく展覧会に間に合わすため、家のふすまをキャンバスにして平和へのメッセージを表現したという。
 ほかにも、感謝の言葉などの寄せ書きを円状に描いたマンダラアートと呼ばれる中学生や小学生の作品も展示している。
 高知平和美術会の鳥居昭美会長(78)は「平和は被害者の立場でないと理解できない。戦争を忘れないためにもぜひ見てほしい」と話している。【米山淳】

俳人「9条の会」大分が発足 無着成恭さんら総会に60人参加 「平和憲法守ろう」
[2006/07/18付 西日本新聞朝刊 2006年07月18日00時07分]

 平和条項として世界に知られる憲法9条を守ろうと、県内の俳句愛好者らが17日、「俳人『9条の会』大分」を発足させた。昨年3月に東京で結成された俳人「9条の会」(約600人)の呼び掛けに応じた。
 大分市内であった発足総会には、国東市国東町の泉福寺住職、無着成恭さん(79)ら約60人が参加。「戦争が廊下の奥に立ってゐ(い)た」(渡辺白泉)など、憲法や戦争をテーマにした俳句13句を群読した後、「平和な未来のために、日本国憲法を守るという1点で手をつなごう」とするアピールを採択した。
 「平和憲法を守る会・大分」世話人で、弁護士の岡村正淳さんが「憲法9条と文化をめぐって」を題に講演。「日本国憲法は米国に与えられたものだが、自分たちの憲法にするためにしっかり考えていくことが必要だ」と訴えた。
 今後は、アピール文を県内の俳句愛好者に送り、現在約160人の会員を増やす考え。

「横浜南部九条の会」が発足集会
[神奈川新聞 2006/07/17]

 作家の大江健三郎さんらが結成した「九条の会」に呼応して、「横浜南部九条の会」の発足集会が十六日、横浜市戸塚区の男女共同参画センター横浜で開かれた。横浜市南部地域の民間非営利団体(NPO)メンバーらの呼び掛けに約六十人が参加。憲法九条改正の動きに反対していくことを確認した。
 集会では、ドキュメンタリー映画「なぜ戦争は起きるのか」の上映と、監督高岩仁さんを囲んだ対話集会などを行った。参加者は、「九条を守る」という点で大同団結し、月一回の勉強会などを行っていくことを決めた。同会の問い合わせは、月野和陽右さん。

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