今週の小泉メルマガで、小泉首相が「戦没者の慰霊」と題して書いています。こんなストレートなタイトルは、初めてでは?
で、つらつら読むと、「私は、戦没者の方々に対して、敬意と感謝の思いを込めて、哀悼の誠を捧げております」「どのようなかたちで哀悼の誠を捧げるのか、これは、個人の自由だ」と従来の主張をくり返す一方で、「マスコミや有識者といわれる人々の中に、私の靖国参拝を批判している人がいることは知っております。また、一部の国が私の靖国参拝を批判していることも知っております」と言いつつ、そういう反対意見は突き詰めると「中国が反対しているから靖国参拝はやめた方がいい、中国の嫌がることはしない方がいいということになる」と決めつけて、強い調子で反論しています。
末尾に、「私は、この思いを抱きつつ、今年も広島と長崎の式典に参列し、そして8月15日の全国戦没者追悼式に参列します」と書いてはいるものの、靖国参拝には触れていません。しかし、これは8月15日当日に靖国に参拝するぞ、という予告かも…。
ちなみに、小泉首相は、「戦没者に対して、敬意と感謝の気持ちを表わすこと」は「悪いことなのでしょうか」と書いていますが、これはまったくの問題のすり替え。
いま議論になっているのは、戦争で犠牲になった人びとを追悼するかどうか、という一般的な問題ではありません。「あの戦争は正しかった」とする立場から戦争指導者であったA級戦犯を合祀した靖国神社に首相が参拝することの是非です。そこのところに答えない小泉首相の態度が批判を受けているのです。「中国が反対しているからやめた方がいいということになる」などというのは、まったくもって議論のすり替えでしかありません。中国や韓国が批判しようとしまいと、「あの戦争は正しかった」という戦争観を肯定することは絶対に許されません。
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