26万分の2000

26万というのは、被爆者健康手帳をもつ人の数。ところが、そのうち政府が原爆症と認め、医療特別手当の支給を受けているのは約2000人、わずか0.8%に過ぎません。

先日、原爆症認定集団訴訟で広島地裁が原告全員を認定すべしとする判決を下しましたが、それがなぜ重要なのか、この数字を見てあらためて痛感しました。認定裁判では、政府は、9回も敗北を重ねています。被爆者はすでに高齢になっています。控訴などせず、早く認定基準を見直してほしいと思います。

政府に被爆者政策の抜本的転換を要求する――原爆症認定集団訴訟広島地裁勝利判決を受けて

(原水爆禁止2006年世界大会・広島 特別決議)

61年目の原爆投下の日を前に、被爆地広島でたたかわれてきた原爆症認定集団訴訟で、原告41人全員勝利の判決を手にすることができた。病気や障害が原爆のせいであることを認めてほしいという申請が却下され、苦難をかかえながら裁判に立ちあがった被爆者の、「国の認定却下は不当」という訴えが認められた。広島をはじめ全国の原告のみなさんとともに、この勝利の喜びを力に、被爆者政策の抜本的転換を要求する国民的な運動をまきおこそう。
大阪地裁での9人の原告全員勝利につぐ今回の判決は、国の認定却下の不当性を重ねて明らかにした。判決は、残留放射線の影響を考慮していない現在の認定基準は、「一応の単なる判断の目安」にすぎないとし、その機械的な適用を厳しくいましめた。
認定裁判で9回も敗北を重ねた政府は、今度こそ非を認めるべきである。判決を受け入れ控訴しないこと、大阪地裁判決についても控訴をとり下げることを強く要求する。そして、これまでの判決がくりかえし指摘したように、被爆状況や健康状態などを全面的・総合的に判断するよう原爆認定行政の抜本的見直しをすみやかに行うべきである。
いまなお原爆投下を正当化するアメリカの戦争と核兵器使用政策を容認し、それに協力する日本政府の姿勢こそ、原爆被害を直視しない根本的な要因である。原水爆禁止世界大会は、「ふたたび被爆者をつくるな」の願いを原点に、核戦争阻止、核兵器廃絶、そして原爆被害への国家補償を求め、世論と運動を広げてきた。この願いの実現にむけ、被爆者とともに、さらに大きく前進しよう。

2006年8月6日 原水爆禁止2006年世界大会・広島

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください