小泉首相が靖国神社を参拝。「あの戦争は正しい戦争だった」と主張する靖国神社への首相の参拝は、靖国神社の誤った主張にお墨付きを与えるものです。
予想されたとおりだとはいえ、「いつ参拝しても批判があるなら、今日参拝するのがふさわしい」とは“開き直り”そのもの。「A級戦犯のために参拝しているのではない」とも言っていたようですが、しかし、「A級戦犯を参拝しなかった」とは言えないところが、靖国参拝論の矛盾を示しています。
小泉首相 靖国神社に参拝
[NHKニュース 8月15日 10時38分]小泉総理大臣は、現職の総理大臣として21年ぶりに終戦の日の15日に東京・九段の靖国神社に参拝しました。これについて、小泉総理大臣は記者団に対し、「いつ参拝しても批判や反発があり、いつ参拝しても同じなので、終戦の日のきょう参拝することが適切だと判断した」と説明しました。
小泉総理大臣は午前7時40分すぎ、モーニング姿で靖国神社を訪れ、本殿に上がって参拝しました。参拝の形式については二礼二拍手一礼の神道方式はとらず、祭壇で一礼しました。また、「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳し、私費で3万円の献花料を納めました。小泉総理大臣は、中国や韓国の反発などに配慮し、総理大臣就任後1年に1回行っている過去5回の参拝は、いずれも8月15日の終戦の日を避けてきており、終戦の日に参拝したのは総理大臣就任後初めてです。また、現職の総理大臣が終戦の日に靖国神社に参拝するのは、21年前に当時の中曽根総理大臣が参拝して以来のことです。参拝を終えた小泉総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し、終戦の日に参拝に踏み切った理由について、「当初は、8月15日の参拝だけは避けてくれとさまざまな人から言われ、あえて15日を避けて参拝してきた。しかし、15日を避けても批判や反発があり、いつ参拝しても同じなので、終戦の日のきょう参拝することが適切だと判断した」と説明しました。
財界はというと、経済同友会でさえ直接の批判はできず、まったく腰砕け状態。日本の支配勢力は、いったいこの異常事態をどうやって是正するつもりだろう?
財界トップに直接的批判なく 首相の靖国神社参拝
[朝日新聞 2006年08月15日10時36分]小泉首相の靖国神社参拝に対し、財界トップもそれぞれ15日午前、談話を発表したが、直接的な批判は影をひそめ、次期首相へ「期待」をにじませる姿勢が目立った。
首相に靖国参拝の再考を求める提言を5月に発表した経済同友会の北城恪太郎代表幹事は、次期首相に「世界各国との相互理解と信頼の構築に資する外交政策を立案・実行してほしい」と注文する談話を発表。一方で、小泉首相の参拝自体に対しては「国のために命をささげられた方々に対する衷心からの追悼の意を示されたものと思う」としている。
日本経団連の御手洗冨士夫会長は「個人の判断についてコメントするのは差し控えたい」と論評を避けた。日本商工会議所の山口信夫会頭も、小泉首相の参拝には「外部からコメントするのは控えるべきだ」としたが、次期首相には「近隣諸国との良好な関係の構築は、次期首相の大きな課題」とくぎを刺した。
小泉総理の靖国神社参拝に関する御手洗会長談話
2006年8月15日 (社)日本経済団体連合会
小泉総理は、従前から「適切に判断する」と発言しておられましたので、今回もご自身の信念と判断に基づいて参拝されたものと推察します。
これまでも、日本経団連がこの問題について立ち入ることはしないと申し上げてまいりました。今回も個人の判断について、コメントをするのは差し控えたいと思います。
以 上
小泉首相の靖国神社参拝について
2006年08月15日
社団法人 経済同友会
代表幹事 北城 恪太郎
- 本日、小泉首相が靖国神社を参拝されたことは、かねてから明言されていたとおり、「国のために命を捧げられた方々に対する衷心からの追悼」の意を示されたものと思う。
- 次期首相には、わが国の安全と繁栄の確保に向けて、世界各国との相互理解と信頼の構築に資する外交政策を立案・実行していただきたい。
以 上
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