全国の「九条の会」の活動を紹介したニュースを、インターネットからピックアップしました。小泉首相の靖国参拝に反対して抗議デモにとりんだところもあります。
- 小泉首相靖国参拝:終戦行事参加者に波紋/石川(毎日新聞 8/16)
- 終戦の日:玉音放送流し、リレートーク 「私の8月15日」次々に/福岡(毎日新聞 8/16)
- 8.15靖国参拝 県内反応、賛否両論(日本海新聞 8/16)
- 靖国参拝に抗議しデモ/青森 県九条の会が市民集会(陸奥新報 8/16)
- 61回目終戦記念日 戦争繰り返すな 九州各地平和行事 特攻隊、改憲テーマに(西日本新聞 8/15)
- 市民ら恒久平和の誓い新た――松阪で戦争体験や「九条」語る集い(中日新聞 8/13)
- 【北勢】ジャーナリストの佐藤さんが九条論――四日市で「憲法」講演(中日新聞 8/13)
- 陶製手榴弾の実態紹介 17日、ビデオ上映と講演会 川越(埼玉新聞 8/11)
小泉首相靖国参拝:終戦行事参加者に波紋/石川
[毎日新聞 8月16日17時1分更新]太平洋戦争の終戦から61年たった15日、石川県内でも平和を願う催しや戦没者の追悼行事が開かれた。小泉純一郎首相の靖国神社参拝は、県内の行事に参加した人にも波紋を広げ、さまざまな声が聞かれた。【花牟礼紀仁、八田浩輔】
◇「憲法9条を守る」決意込め、6カ寺で平和の鐘
藩政期からの寺院が集まる金沢市寺町地区の6カ寺では、正午に市民70人が平和を祈って一斉に鐘をついた。
憲法9条維持を訴え、4月に発足した市民団体「寺町台九条の会」の主催で、初めて開いた。同市寺町4の「妙法寺」境内であった出発式で、同会世話人の宮江伸一・元金沢大教授(73)は「1945年8月15日、今日と同じく暑い中で(終戦を告げる昭和天皇の)玉音放送を聞いたことを思い出す。食糧難の中で日本人が築いてきた平和大国が今、揺るぎ出している。軍国主義に戻らないよう、改めて祈りましょう」とあいさつした。
この後、参加者は近くの「本性寺」や「立像寺」など6カ所に分かれ、「憲法9条を守るぞ」などと決意を口にしながら、1人ずつ鐘をついた。
首相の靖国参拝について、参加者から異論が上がった。叔父7人が召集され、戦地で亡くなったという近所の主婦、吉岡登喜子さん(67)は「遺族の中でも靖国に対する賛否は両極端なのに、立場を顧みず参拝を強行する首相に憤りを感じる。遺骨すら戻らなかった叔父もいる。悔しさに震えていた母の姿が忘れられない」と語った。(以下略)
終戦の日:玉音放送流し、リレートーク 「私の8月15日」次々に/福岡
[毎日新聞 8月16日15時0分更新]◇九条の会京築、首相の靖国参拝への批判も
終戦の日の15日、平和運動に取り組む九条の会京築(沖勝治事務局長)の会員が行橋市のJR行橋駅前で玉音放送を流して往時をしのび、「私の8月15日」をテーマに思いを語るリレートークを開いた。小泉首相の靖国神社参拝を批判するトークもあった。
市内の60代の主婦は「終戦の時満州にいた。玉音放送は何を言っているのか分からなかったが、大人たちが『戦争が終わった』と泣いていたのを覚えている。私は『戦火から逃げ回る生活から解放される。良かった』と思った」と述べた。
苅田町在住の高校2年生、野口冬彦さん(16)は「戦争を知らない世代だが、憲法が改正されて徴兵制が敷かれたら一番に戦場に出るのは僕らの世代。人の命はもちろん、自分の命も大事にしたい」と護憲を訴えた。
同市の主婦、山下登美子さん(52)は「小泉首相が今朝『公約だから』と靖国神社を参拝した。靖国はA級戦犯が合祀(ごうし)されている。アジア諸国への贖罪(しょくざい)は済んでいない。人の痛みの分からない首相に抗議する」と述べた。
沖局長は「憲法は戦争をするためでなく、私たちの命を守るためにある。未来を担う若い子供に憲法9条を大切に渡そう」と呼びかけた。【降旗英峰】◇恒久平和を願い、県戦没者追悼式――福岡市で
福岡市中央区の県立福岡武道館では、県戦没者追悼式が開かれた。第二次世界大戦の戦没者の遺族ら1100人が参加し、全員が献花した。
麻生渡知事は「今なお世界では、地域紛争や民族間の争いが発生し、多くの尊い命が失われている。私たちはアジアをはじめとする諸国との友好関係を深め、世界の恒久平和に寄与すべく一層の努力をしなければならない」と式辞を述べた。
また、遺族を代表して久留米市の星野春子さん(83)は「二度と悲惨な戦争がないように、ご英霊の皆さま、お守り下さい」と述べた。
〔北九州版〕
8.15靖国参拝 県内反応、賛否両論
[日本海新聞 2006/08/16]小泉純一郎首相が靖国神社を参拝した終戦記念日の十五日、鳥取県内では、恒例の反戦や戦没者追悼の行事などが開かれた。県民からは「憤りを覚える」と強く反発する声が上がる一方で「当然のことだ」と歓迎する声もあり、賛否両論のさまざまな反応を見せた。
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首相強行 批判と歓迎「戦争犠牲者追悼・非戦を誓う集会」(鳥取市)に参加した鳥取市材木町の無職、池本俊子さん(66)は「一国の首相が参拝することは、国が戦争を是とすること。侵略戦争を反省するならば、参拝は絶対に許されない」を小泉首相の姿勢を強く批判した。
憲法九条の堅持を掲げる「鳥取九条の会」の上田務代表は「靖国神社は軍国主義のシンボルで、A級戦犯が一緒にまつられている。その靖国神社に首相が参拝にして何の価値があるのか。違和感を覚える」と嫌悪感を隠さない。
一方、戦没者追悼慰霊祭(鳥取市)に家族で参列した八頭町坂田の主婦、中谷すみこさん(65)は「とても良いことだ。戦没者を慰霊したいという首相の強い意志によるもので、『心の問題』だ。他人が批判したり、反発するのはおかしい」と強調。
戦争の負傷者らでつくる「県傷痍(しょうい)軍人会」の樋口三次会長(86)は「日本のために死んでいった人たちを日本の首相が追悼するのは当然のことだ」と話した。
首相の靖国神社参拝は中国や韓国などから強い反発が起こっており、対外関係の悪化を懸念する声もある。
倉吉市井手畑の農業、徳田豊さん(86)は「参拝はありがたいが、首相の立場で参拝することは、隣国からの反発も予想され、もっと考えなければいけなかった。靖国神社は赤紙一枚で国のために犠牲になった人をまつる場所。A級戦犯を分祀すればこのような問題もなくなる」と指摘した。
在日本大韓民国民団県地方本部の薛幸夫(ソル・ヘンブ)団長は「あきれた。憤りしかない。韓日関係はいい方向にはいかないだろう。ただ、この問題は政府間の外交問題。われわれは民間レベルで信じ合える関係を築いており、友好交流はしっかりやっていく」と強調した。
一方、県経済同友会の秦野一憲代表幹事は「靖国神社への参拝は本来、個人の信条の問題」と主張した上で、国内経済への影響については「政治と経済の問題は別次元。すでに九月には勇退する考えを表明しており、今回の参拝に大きな影響はない」との考えを示した。
靖国参拝に抗議しデモ/青森 県九条の会が市民集会
憲法九条改定に反対する県九条の会主催の「8・15市民集会」が15日、青森市の青い森公園で開かれ、約130人が小泉首相の靖国神社参拝に抗議の声を上げた。
会はこれまで5月3日の憲法記念日などに集会を開いてきたが、8月15日の開催は初めて。県内の組織は職場や地域などで200を超え、この日は東青地区を中心に130人が参加した。
県九条の会世話人の三上強二さんのあいさつに続き、東青九条の会世話人の前田雄悦さんが「小泉首相の参拝は憲法と多くの日本人の思いを踏みにじり、東アジア諸国をことさら刺激、挑発するもの。憲法改悪に反対するとともに、憲法を無視し、近隣諸国との対立を一層あおる参拝に断固として抗議する」と訴えた。
集会終了後はのぼりを手にデモ行進を行い、道行く市民らに九条の会をアピールした。
61回目終戦記念日 戦争繰り返すな 九州各地平和行事 特攻隊、改憲テーマに
[2006/08/15付 西日本新聞夕刊 2006年08月15日13時29分]終戦記念日の15日、九州各地でも戦争と平和をテーマにした行事が行われた。世界でテロや戦火が絶えず、国内では戦争体験の風化や憲法改正論議が進む中で迎えた61回目の祈りの夏。参加者たちは平和の尊さを静かにかみしめ、不戦への誓いを新たにした。
■玉音放送聞く
「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び…」。福岡県行橋市のJR行橋駅前では、昭和天皇が終戦の詔書を読んだ玉音放送が61年前の当時そのままに流された。
護憲派の市民グループ「九条の会・京築」が企画。61年前と同じく正午から約4分半にわたって流され、市民が静かに耳を傾けた。同会事務局長の沖勝治さん(75)は「戦争はこりごり、もうしない、と多くの国民が心の底から思うようになったきっかけが玉音放送。あらためて戦争のない、戦後の平和な暮らしの幸福さをかみしめてほしい」と話した。■平和への調べ
佐賀県鳥栖市では、出撃前の旧陸軍特攻隊員が演奏したと伝えられるピアノを奏でるイベントが行われた。映画「月光の夏」でも知られた戦争悲話を刻んだピアノの音色に約100人が聞き入った。
当時を知る人によると、敗戦色が濃かった1945年5月、隊員2人が現鳥栖小学校を訪れ、「この世の別れの最後に…」と、ドイツ・フッペル社のピアノでベートーベンの「月光」を弾いたという。この秘話が89年に明るみに出たことを機に、壊れていたピアノは修復された。
演奏会にゲスト出演して「月光」を演奏した福岡市南区の三宅中2年久保山菜摘さんは「戦争で散った特攻隊員の人たちを思いながら、日本が、世界が平和であり続けることを願いながら、弾きました」と話した。■若者らが訴え
大戦中、旧陸軍の特攻基地が置かれた鹿児島県知覧町。17回目となる「平和へのメッセージfrom知覧スピーチコンテスト」で、中高生ら計16人が平和を訴えた。
鹿児島市の高校3年、有川育世さん(18)は祖父が経験したシベリア抑留の悲惨さを紹介。「豊かさが当たり前と思うことほど怖いものはない。戦争を体験した方は若者に(経験を)教えてください」と訴えかけた。■憲法九条守れ
福岡県久留米市の複合施設「えーるピア久留米」では、キリスト教関係者が26年前から続く「ちくご地区平和を造り出す集い」を開いた。牧師の枝松博展さん(58)は「憲法を改正すれば、日本の若者や子どもが戦争で死ぬ事態を招きかねない。憲法九条の素晴らしさを再確認しよう」とアピール。牧師の吉田晃児さん(65)は、この日朝の小泉純一郎首相の靖国神社参拝に触れ、「アジアの国々との関係も途切れてしまう。未来に希望が持てない現状だから、市民レベルの連帯が必要」と訴えた。
■護国神社から
福岡市中央区の福岡県護国神社にも、早朝から多くの参拝者が訪れた。福岡市早良区の農業青木秀雄さん(83)は「戦争なんかするもんじゃない」と強調しながらも「自衛のためには憲法九条の改正も必要」と話した。
【松阪・紀勢】市民ら恒久平和の誓い新た――松阪で戦争体験や「九条」語る集い
[中日新聞 2006/08/13]平和憲法の堅持を目指す「松阪九条の会」が12日、松阪市殿町の松阪公民館で、戦争体験や憲法九条について語り合う集いを開いた。市民ら約90人が戦争体験者らの言葉に耳を傾け、恒久平和の誓いを新たにした。
ビルマ(現ミャンマー)や中国に出征した経験を持つ同市上ノ庄町の刀根政郎さん(88)は、台湾、フィリピンを経由してビルマを目指す途中、米軍の潜水艦攻撃により日本軍の37隻中31隻が撃沈された体験について「水柱を上げて大型船が次々と沈没した。目の前で日本兵3万人が死んでいく中、私には何もできなかった」と言葉を振り絞った。
大学在学時に治安維持法違反容疑で逮捕、投獄された同市宮町の中西五洲さん(84)は拘置所で体験した連夜の空襲の恐怖を「死を覚悟しながら毎日を過ごしていた」と振り返り、8月15日の終戦を知った瞬間を「まだ生きられるかもしれないと思うと、うれしくて眠れなかった」と話した。
続く自由討論では、参加者たちが「憲法九条を次の世代まで守り抜くための手だてを一緒に考えたい」「真の愛国とは世界に誇る平和憲法を守ること」などと発言。社会全体の右傾化に対する危機感や改憲阻止の必要性を訴える声が相次いだ。
松阪九条の会は今年6月に発足し、12日現在の会員数は約350人。当面は1000人を目標に会員の増大を図っている。(長谷部正)
【北勢】ジャーナリストの佐藤さんが九条論――四日市で「憲法」講演
[中日新聞 2006/08/13]終戦記念日を前に、市民団体「九条の会・よっかいち」は12日、四日市市安島の市文化会館で「憲法を考える市民のつどい」を開催。元中日新聞東京本社編集局長で中日ドラゴンズ球団社長を務めた佐藤毅さんが「私の九条論 ジャーナリストの視点から」と題して講演した。
あいち九条の会の世話人でもある佐藤さんは、憲法改正をめぐる動きについて「改正の目的は、自衛隊を海外に出して戦争をさせることだけだ」と指摘。「(戦争放棄をうたった)九条はイデオロギー闘争ではなく、人間性の問題。九条の会の運動を明るい形で進め、改憲を阻止する人を増やしていこう」と呼び掛けた。
佐藤さんは、中日ドラゴンズが1999年にリーグ優勝を果たした際のこぼれ話なども披露。参加した約60人が熱心に聞き入っていた。(大森準)
陶製手榴弾の実態紹介 17日、ビデオ上映と講演会 川越
[埼玉新聞 2006年8月11日(金)]
太平洋戦争中に川越市内の軍需工場「浅野カーリット」で製造されていた陶製手榴(りゅう)弾の実態を明らかにしたビデオの上映会と陶製手榴弾などの武器を全国の戦争展などに寄贈している同市の元大学助教授の講演会「ビデオと講演の夕べ」が十七日午後六時から、川越市南公民館で開かれる。
陶製手榴弾や地雷を通じて戦争の愚かさや平和の尊さを学んでいこうと、市民団体「川越九条の会準備会」が企画した。
講演会で上映されるビデオは「終戦六十年秘話実録・陶製手榴弾」。戦後六十年を記念して、市内ビデオクラブの会長などを務める鈴木松雄さんと中島康雄さんの二人が戦争の実態を記録に残していこうと、工場に勤務していた市民らの証言を一年がかりでまとめた。
講演するのは元東洋大学助教授で、入間川にサケを放す会会長の杉浦公昭さん(70)。テーマは「陶製武器は語る、戦争の愚かさと平和の尊さを!」。また、当日は戦争中に工場で陶製手榴弾を製造していた元市民の男性(さいたま市在住)が当時の様子を生々しく証言する。
杉浦さんは七年前、軍需工場跡地周辺で、陶製手榴弾や地雷を発見した。これを契機に跡地周辺の調査を実施し、二〇〇一年、調査内容を小冊子「ひめゆりたちの愛唱歌に出会って」にまとめたほか、発見された陶製手榴弾の器などを全国で催される平和展に寄贈している。
同会は「陶製手榴弾や地雷から市民の皆さんとともに戦争の愚かさを学んで生きたいと思います」と参加を呼びかけている。「夕べ」の定員は百五十人。入場無料。
問い合わせは同会の山口さんへ。