先日、慶応大学の小林節氏の「方向転換」について、どこに書いてあるのか教えてほしい、と書いたところ、鳥取県岩美町議の田中克美さんからコメントをいただいたほか、2人の方からメールで、斎藤貴男『ルポ 改憲潮流』(岩波新書、5月刊)にインタビューが載っているとのご連絡をいただきました。
ありがとうございます。m(_’_)m
『ルポ 改憲潮流』は、実を言うと、買ったまま、読んでいませんでした。(^_^;)
そのうえ、小林節氏は、2004年7月7日の「しんぶん赤旗」にインタビューが掲載されていたんですねぇ。読んだはずなのですが、すっかり忘れてました。あ〜あ、情けない…。
ということで、早速、「しんぶん赤旗」を探し、『ルポ 改憲潮流』をめくってみると、小林氏はこんなふうに言っています。
最近の小泉内閣の、例えばイラク多国籍軍への自衛隊の参加問題に見られる、理屈は後から考える「行け行けどんどん」という状況に直面して、私は、改憲の動きにブレーキをかける歯止め論を真剣に考えています。その一点において貴紙〔「しんぶん赤旗」のこと〕と共有できる立場があるのではないかと考えるわけです。〔「しんぶん赤旗」2004年7月7日付から〕
イラク「派兵」で日本政府はウソをついて、いとも簡単に国民が課した枠をはみ出し、越えてはいけない一線を踏み越えています。小泉政権は民主主義をわきまえず権力は国民から負託されているという認識に決定的に欠けています。
政府自らが提案して国会で主権者・国民の承認を取り付けた法律をかくも乱暴にたばかる政治を見ていると、このように法治主義や法の支配をないがしろにする政治権力に、現憲法以上に使いやすい新憲法を与えてしまっていいのか、と私は深いためらいを感じないわけにいかないのです。〔同前〕
自民党の「憲法改正のための論点整理」には、本当にビックリしました。国民に愛国心を持たせるとか、家庭の大切さを自覚させるとか、あの発送は憲法ではありません。天皇の「告文」に始まっていた明治“憲法”、大日本帝国“憲法”と一緒で、神様による国民への説教だ。憲法とは人間の不完全性と人間の対等性を前提に、不完全な者同士の間で、放っておけば必ず堕落する権力というものにたがを嵌めるものです。これだけは譲れません。〔『改憲潮流』41ページ〕
なかなか、まっとうな議論です。
GAKUさんと同じです。「赤旗」で読んだことを忘れていました。「赤旗」インタビューより、地元「日本海新聞」の小論の掲載時期が早かったので、「赤旗」で見たときはあの小林節氏がという驚きはありませんでした。むしろ、「赤旗」のアンテナはすごいと感じたことを思い出しました。
余談ですが、「日本海新聞」は継続的に小林節氏の小論を掲載しているのですが、「日本海新聞」社主の娘婿で記者だった現自民党参院議員・田村耕太郎が慶応大学で師弟関係にあったことが縁だと思います。
岩波新書も読んでみたいと思います。