「ゲド戦記」の原作者アーシュラ・K・グ・ウィンさんが、映画「ゲド戦記」をみて、「物語のつじつまが合わない」など批判的コメント。
う〜む、こうなると映画を見ないとだめかなぁ。いまのジブリではあの原作がまっとうに映画化できるはずがないと思っていたので、見ても仕方ないと決めていたんですが…。
映画「ゲド戦記」、原作者がHPに批判的「感想」
[asahi.com 2006年08月24日15時36分]公開中の映画「ゲド戦記」について批判的な「感想」を原作者のアーシュラ・K・ル・グウィンさん(76)=米国在住=が自己のホームページに掲載し、話題を呼んでいる。
「ゲド戦記」は、68年?01年にかけて出版された全6巻のファンタジー。多島世界アースシーを舞台に、魔法使いのゲドや王子アレンが、世界の均衡を回復するために奮闘する姿などを描く。「千と千尋の神隠し」などを製作したスタジオジブリが原作者の許諾を得て、アニメ映画化。宮崎駿監督の長男・吾朗氏が監督し、7月29日に全国公開された。
ル・グウィンさんは「Gedo Senki」と題した文章の中で、「8月6日にアメリカで完成した映画を見た」とした上で、「絵は美しいが、急ごしらえで、『となりのトトロ』のような繊細さや『千と千尋の神隠し』のような力強い豊かなディテールがない」「物語のつじつまが合わない」「登場人物の行動が伴わないため、生と死、世界の均衡といった原作のメッセージが説教くさく感じる」などと記した。また、原作にはない、王子が父を殺すエピソードについても、「動機がなく、きまぐれ。人間の影の部分は魔法の剣で振り払えるようなものではない」と強い違和感を表明している。
一方、菅原文太さんが吹き込んだゲドの声と挿入歌の「テルーの唄」については「特に良かった」とした。
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「原作者の感想として素直に受け止めている。ただ、僕らは原作の精神を生かしたつもりだ。この映画には賛否両論があるが、楽しんで見てもらえればそれが一番です」と話した。
配給している東宝によると、8月20日までの観客動員数は421万7000人。
アーシュラ・K・グウィンは、いまでこそ「ゲド戦記」の作者として有名になってしまいましたが、僕らの世代にとっては『闇の左手』がやっぱりいちばん印象に残っているのではないでしょうか(たしかハヤカワ文庫から邦訳が出ていたはず)。吾妻ひでお氏の名作『妄想日記』にも、雪の山中でおたがいにクロスパンチを交わして、「闇の左手」と書いてあるだけの、わかる人には分かる、わからない人には全然分からない漫画が出てきます。(^_^;)