これって自衛権?

海外で活動中の話なのだから、これは、「自衛権」の問題ではありません。集団的自衛権とは、同盟関係にあるA国がB国から攻撃されたとき、自国が攻撃されたのではないにもかかわらず、A国への攻撃を自国への攻撃とみなして「自衛権」の発動の対象とすること。海外で活動中の、同盟国A国の兵士が攻撃されたことを理由に集団的自衛権を発動する、などという論理は、国際法についての無知をさらけ出すだけです。

集団自衛権の行使「真剣に検討」=国際活動上、攻撃黙認できず―安倍官房長官表明(時事通信)

だいたい、PKOなどの活動をおこなう場合は、ちゃんと協定を結んで派遣されるのだから、「一緒に活動する外国の軍隊」が攻撃されたからといって、自衛隊が勝手に「集団的自衛権」を発動することなど絶対に不可能。そういうことが可能なのは、イラク戦争のときの米英軍のように、自衛隊が米軍と一体になって他国領土に攻め込んだ、という場合のみ。つまりこの発言は、自衛隊にそういう戦闘に行け、と言っているのです。

集団自衛権の行使「真剣に検討」=国際活動上、攻撃黙認できず―安倍官房長官表明

[時事通信 8月25日17時0分更新]

 安倍晋三官房長官は25日午後、都内のホテルで講演し、集団的自衛権の行使が憲法解釈で禁じられていることについて、海外での自衛隊の国際貢献活動に触れ、「一緒に活動する外国の軍隊に対して攻撃がなされたら、その状況を黙って見ていなければいけないのか」と疑問を呈した。その上で「今後こうした活動を進める上で、真剣に考えないといけない」と述べ、同権の行使容認を検討すべきだとの考えを強調した。

これって自衛権?」への2件のフィードバック

  1. たいへん、暑い中、いかがお過ごしでしょうか。
    私の方は、インリンさんのBLOGへのTBいらい、なかなかMTがうまく動いてくれず、困っていたのですが、MT3.3でやっと動くようになって、BLOGを再開いたしました。
    ところで、GAKUさんの
    >海外で活動中の話なのだから、これは、「自衛権」の問題ではありません。
    という意見には、まったく至極当然というか、むしろそういうことをなぜマスコミは、指摘しないのかということを歯がみする思いです。
    今後とも、よろしくお願いいたします。
    残暑、見舞いをかねて。

  2. 小選挙区制が導入されたとき、一党独裁が心配されましたが、それどころか、自民党総裁に気に入られないと「刺客」を送り込まれる状況から、自民党内における「独裁」体制になってきたように思えます。
     こうした現象は、一面では「活力がなくなった」という側面ととらえることができますが、民主主義が根付いていない日本社会のあり方をみると、逆に偏って自民党支配が続くのではないかと危惧するばかりです。
     党内に反対派がいる民主党の方が、まだ「民主」的かなと思うばかりです(^_^;)

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