人件費削減のために正規雇用を減らして非正規雇用にシフトしておきながら、いまさら若手の正社員が足りないとは…。
「35歳以下の正社員不足」企業8割近くに/経団連調査(NIKKEI NET)
「35歳以下の正社員不足」企業8割近くに/経団連調査
[NIKKEI NET 2006/08/24 20:00]35歳以下の正社員の数が足りないと感じている企業が8割近くに上ることが、日本経団連が23日発表した若年者雇用に関する調査で明らかになった。バブル経済崩壊後に新卒採用を絞った多くの企業が、業績の回復・拡大基調の中で若年層の人材不足に悩む現状が鮮明になった。
調査は6月、会員企業2149社の労務担当役員などを対象に実施、560社から回答を得た。
35歳以下の正社員の雇用について聞いた質問では、「不足」(26.5%)、「やや不足」(52.2%)と答える企業が合計で78.7%に上った。
雇用面の課題として「人材不足」を挙げる企業は40.3%と、1年前(26.3%)に比べて急増した。中でも従業員500人以上の大企業や非製造業で不足感が高まっているという。「雇用余剰と人材不足の両面」と回答した企業は55.3%。1年前の66.9%に比べ減ったが、効率的な人員配置などが進んでいない「雇用のミスマッチ」が依然として残っているといえそうだ。
日本経団連のアンケート調査の結果は、↓こちら。
「2006 年春季労使交渉・労使協議に関するトップ・マネジメントのアンケート調査結果」の速報版(pdf 185KB)
●若年層正規従業員の過不足感
不足 | 26.5% |
やや不足 | 52.2% |
適正 | 19.2% |
やや過剰 | 2.0% |
過剰 | 0.2% |
しかし、やっぱり企業は身勝手だなぁと思うのは、こちらのデータ。若者の正社員が不足するといっておきながら、フリーターを正社員に雇うかと聞かれ、「積極的に採用」はたった1.6%。それに対し、約4分の1(24.3%)の企業は「採用しない」と回答しています。
●フリーターの正規従業員としての採用
積極的に採用 | 1.6% |
卒業後、一定期間以内であれば採用 | 8.1% |
経験・能力次第で採用 | 64.0% |
採用しない | 24.3% |
その他 | 3.8% |
「経験・能力次第で採用」という回答が64%ありますが、フリーターの立場でどんな経験や能力が身につくというのでしょうか。実際問題として、この64%もフリーターは雇わないというのと同じです。また、「卒業後、一定期間以内であれば」というのも、たぶん1年か2年ぐらいでしょう。20歳代後半や30歳代のフリーターは、相変わらず正社員採用の門戸から閉め出されたまま、ということです。