巡査部長は「1杯だけのつもりだったが、つい飲み過ぎた」と語っていたというニュースもあります。何にせよ、素面のときには「飲まないつもり」とか「1杯だけ」と言いながら、結局、飲んでしまう、というのが飲酒事故の常です。
飲酒運転の警官、停職3カ月の懲戒処分 千葉(産経新聞)
酒を前にすると我慢できなくなるというのは、一言でいってしまえば、アル中(正確には「アルコール依存症」 ((アルコール依存症は、一言で言ってしまえば、飲酒のコントロールができない病気です。飲酒の量は関係ありません。「1杯だけのつもりだったのに、結局、飲み過ぎてしまう」というだけでなく、「飲んではいけない場所、場面でも、つい飲んでしまう」というのも立派なアルコール依存症なのです。で、「クルマを運転するから飲んではいけないのに、飲んでしまう」というのは、立派なアルコール依存症です。素面のときには「飲んではいけない」と分かっているのに、飲んでしまうのが「依存症」なのです。だから、いくら罰則を重くしてみても、役には立たないのです。)))なのです。「1杯ぐらいなら大丈夫」というのも、立派なアル中(同前)。飲むのを我慢できないことをごまかすための言い訳にすぎません。
要するに、飲酒運転をする人は、みんなアル中です(同前)。なのにその自覚がないし、社会もそういう問題だと見ていない。それが問題なのです。
ということで、飲酒運転をなくすためには、免許を取り消し、二度と交付しないこと ((アルコール依存症になった人が「治る」ということは、残念ながら、ありません。アルコール依存症になった人にできることは「断酒」だけ。しかし、「断酒がうまくいっているから、おれはもう大丈夫」と思って、また酒に手を出せば、結局、元の木阿弥です。だから、目下のところ「断酒」が続いているからといって、運転免許を再交付するのは危険なのです。))。それに、アル中(同前)の治療を強制的に受けさせることです。厳罰化したって、アル中(同前)はなくならないし、治りません。飲酒運転だったことを隠すために、ひき逃げ、当て逃げが増えるだけです。
飲酒運転の警官、停職3カ月の懲戒処分 千葉
[Sankei Web 09/15 19:12]千葉県警鑑識課の男性巡査部長(44)が酒を飲んでバイクを運転、摘発されたことが分かり、千葉県警監察官室は15日、停職3カ月の懲戒処分とした。巡査部長は同日付で依願退職した。県警は道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで巡査部長を近く書類送検する。
調べによると、巡査部長は8月29日午後11時20分ごろ、同県成田市のJR成田駅から自宅まで、酒を飲んでバイクを運転、同県富里市のインターチェンジ近くの路上で検問中の県警高速隊員に摘発された。同日午後6時から千葉市内で開かれた人事異動に伴う送別会で、ビール5杯、水割り2杯、カクテル2杯を飲み、成田駅までは電車で移動。巡査部長は「飲まないつもりだったが、つい飲んでしまった」と話しているという。
県警鑑識課ではこの日、課員に飲酒運転に対する注意を文書で呼びかけた矢先の摘発だった。監察官室は「取り締まりを行う警察官がこうした事態を引き起こし遺憾だ。再発防止に努める」としている。
ちなみに、「朝日新聞」によれば、杉浦法相が、「厳罰化すれば抑制できるかどうか、よくよく吟味しなければいけない」と述べたそうです。その限りで、至極もっともな指摘です。
飲酒運転厳罰化 効果に疑問 法相「吟味を」
[朝日新聞 2006年9月15日夕刊]福岡市職員の飲酒運転で幼児3人が死亡した事故を受けて警察庁が飲酒運転の厳罰化を検討している問題で、杉浦法相は15日の閣議後の会見で「罰則を強化すれば(事故を)抑制できるかどうかという問題は、よくよく吟味しなければいけない」と述べ、厳罰化だけで飲酒運転を抑制できるかについて疑問を呈した。
杉浦法相は「被害者から陳情を受けて検討しているが、罪を重くしてどうこうという問題ではない。法の整備だけで対応できるかというと難しい問題ではないか」と話した。
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